MBOでユニークな研究発表
現在1年生29人、1クラスの同校。公立中学志向が強い地域にありながら、私学への進学を選んだ子どもたちだけあって、勉強に対して意識は高い。英・数・国の3教科は公立の1.7倍の授業量を用意され、朝のミニテストも行われているが、生徒は積極的に取り組んでいる。また科学技術都市「つくば」が近隣にあることから、施設見学などの体験学習も実施していく予定。最先端の科学技術に触れられるのも同校の特色のひとつだ。
5月27日には、第1回MBO発表会が多目的ホールで開かれた。MBOとは同校の教育システムのひとつで、チームを作って研究発表することで社会性を磨くプログラム。MBOは「Management By Objectives(目的管理)」の略。1チーム3〜4人編成の9チームが自分たちでテーマを決め、協力し合いながら研究を進めた。
発表会では「ヨーロッパの国名を全部覚える」「食虫植物の生態を観察する」「霞ヶ浦のプランクトン」など、ユニークな発表がされた。短期間ながら3人で157冊もの本を読み、お勧めの本を紹介したチームもあった。
「教員は発表に使用する画材を提供しただけです。大人が予想しなかったテーマが出てきて、びっくりしました」と話すのは、酒寄晃教頭。司会も生徒が務め、その模様は保護者も参観した。小学校を卒業したばかりとは思えないしっかりとした様子に、先生も保護者も嬉しい驚きがあったようだ。
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生活全般にも丁寧なサポート
給食はランチルームで先生と一緒に食べる。温かい食事が配膳室から出され、担任の先生や教科の先生たちと同じテーブルを囲み、好き嫌いがあっても先生に促されて食べ切ることもある。アレルギーが心配な生徒は弁当を持ってくることも可能だ。
部活動はバドミントン部、卓球部、テニス部、吹奏楽部が活動中。野球部希望だった生徒は、現在高校の軟式野球部と一緒に練習している。当初体力の違いが心配されたものの、高校生はまるで弟を見るようにフォローしてくれているとか。新設校の第一期生ではあるが、霞ヶ浦高等学校の中にあることで、先輩たちに囲まれている安心感も漂う。
霞南至健中学校の教育方針は健やかな身体を土台とした上で、さらに知性を磨くことにある。霞ヶ浦高等学校に併設した形をとっているが、外部受験にもチャレンジすることもできる。同校のトップキーワードは「夢を語れる人になろう」。先生たちは生徒が将来の夢に近づけるよう、学習面ではもちろん、生活全般において丁寧にサポートしていく。こうした手厚いバックアップの下、1年生は夢に向かって大きな一歩を踏み出したようだ。
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