麗澤中学校・高等学校の敷地は東京ドームの約10倍。1万本を超える木々は多様に取りそろい、リスやウサギ、野鳥たちの命を育みながら、四季の彩りを映し出している。この豊かな自然環境を総合的学習の時間の一環として生かしているのが、麗澤中高一貫制の特徴である。
麗澤中学校・高等学校の教育の大きな柱となっている『自分プロジェクト』。これは、6年間様々なテーマで体験を重ねながら、その問題点や疑問について考え、自分の意見をまとめ、それを発表することを繰り返していく授業であり、生徒はその時間の中で発表力だけでなく自学力や探求力も磨いていく。学習テーマは非常に豊富だが、最終的にはすべてがひとつにまとまり、生徒一人ひとりが確固とした自らの意志を持って将来の夢へとつないでいけるように、日々の指導が行われている。
中学一年生では、この『自分プロジェクト』のスタートとして、自然と人間のかかわりを学ぶために、奥利根水源の森でフィールドワーク(林間調査研究)を開催、大学生や教員の手助けを得ながら、自分なりの調査結果を導き出した。今回の麗鳳祭で発表したのが、この結果を数名ずつのグループに分かれ、考えをまとめたものである。
「このような発表の場で互いの考えや結果を見て、自分の発表の良い点・悪い点を切磋琢磨することで、プレゼンテーション能力の向上につながりますね」。
そう語るのは、松田興一入試広報室長。ブースで分かれて行われているどのグループの発表にも、多くの聴衆者が集まり、発表する側にも非常に熱が入っている。そのはきはきとした大きな声に聞き入っているのは、同校の生徒や関係者だけではない。学校の内部を知りたいと望む来年の受験生や保護者、小学校の関係者も多く参加して、活気の一端を担っているのだ。
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この活気ある麗鳳祭に今年度より校長として参加するのが、竹政幸雄校長である。前年度までは教員として、主催する生徒たちの道標となっていたが、今年度よりはさらに全体を大きな目で見つめていく立場となった。
「以前は全国から学生が集まっていたため、保護者が来校することは少なかったのですが、近年は周辺からの通学生が増えたので、それに伴って参加者も増加しています。ただ、麗鳳祭自体が高校では飲食店を含むお祭り的な雰囲気であるのに対し、中学校ではテーマ発表というギャップがあるのが問題ですね。今後は分けて開催するかどうかが、これからの課題です」。
高校では各クラブの発表や飲食店の開催などが行われており、中学校とは異なった雰囲気を醸し出しており、晴れた空の下、多くの生徒の歓声が響く文化祭となっていた。
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