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中学・高校受験:学びネット

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京華女子中学校・高等学校

 
  創立100周年の今年、建学の精神に立ち返る
今年度、創立100周年という歴史的な節目を迎える京華女子中学校・高等学校。廣瀬和昭校長は「創立期の原点に戻る一年」と位置づけ、建学の趣旨を繰り返し強調していきたいと語る。明治42年の創設期から女性の自立を目指してきた同校。その教育方針は現代にあっても、生き生きと輝きを放っている。今年1年の意気込みを廣瀬校長に聞いた。

校 長: 廣瀬 和昭
住 所: 〒112-8613 東京都文京区白山5-13-5
電 話: 03-3946-4434
交 通: 都営地下鉄三田線「千石」駅徒歩5分、東京メトロ南北線「本駒込」駅徒歩8分、東京メトロ千代田線「千駄木」駅徒歩18分、JR山手線・都営地下鉄三田線「巣鴨」駅徒歩15分
学生数: 中学校 171名
高等学校 423名 (2009.07.1現在)
ホームページ: http://www.keika-g.ed.jp

 

100年を振り返って伝えたい建学の精神

 「今年、本校は100周年を迎えますが、男子の京華中学高等学校は創立112年、京華商業高等学校は108年。一番下の妹がやっと100歳になったところなんです」と廣瀬校長。

 アニバーサリーイヤーの今年、廣瀬校長は京華女子の「建学の趣旨」を機会あるごとに伝えていきたいと語る。「凡そ子女の賢愚は主として其母の訓育如何に由る。故に教育の完成を期するには必ず先づ其母を賢にせざるべからず」から始まる建学の趣旨は、明治42年に掲げられたものだ。

 「当時はまだ、性別による差別が残っていた時代でした。そうした社会だったにもかかわらず、女性はきちんとした教育を受け、子どもを教え導く知識が必要であると創立者の礒江潤氏は説いています。この時代から、女性にとっても自立が大切だと考えていたのです」

 自立の形成に大切なのは「失敗を恐れず、思い切り冒険すること。やり遂げることで達成感を感じてもらい、感動をすることである」と廣瀬校長。そのため、京華女子では生徒に体験させるプログラムを多く設けている。

 同様に、この1年訴えていきたいのは、京華学園全体の建学の精神「天下ノ英才ヲ得テ之ヲ教育ス」という孟子の言葉だと言う。

 「ここで言われている英才とは、いわゆる机上の勉強ができる人ではありません。社会に貢献できるさまざまな能力を持った人のことを指しています。将来どんな夢を持って、どういう生き方をしたいか。京華はそうした生徒の夢の実現に一歩でも二歩でも近づける学校です」

 長い歴史を誇る京華学園ならではの、重みある二つの建学の精神。その言葉は100年を経てもなお強い響きを持っている。今年1年、生徒の心に深く刻みつけられるのは間違いないだろう。

保護者は京華を支える応援団

 京華の伝統はPTAにも息づいている。明治30年の学園創設当時から、今でいうPTAの組織が存在していた。

 「文献を紐解くと、この時代から成績表は保護者に渡していたようです。現在も、基本は保護者の方に来校していただき、お渡ししています。学校の様子、家庭の様子を伝え合い、生徒の成長を確認し合うための大切な場なのです」

 廣瀬校長自らも京華学園3校のPTAと学園で組織されるPTA連絡協議会や、京華女子のPTA役員会には必ず顔を出す。

 「PTAの方々には、本校の教育方針を後押しする応援団であっていただきたいと思っています。入学説明会では、本校の趣旨を本当に理解した上で入学してくださいとお話しています。本校には宗教的なバックがありません。リベラルがゆえに、入学してくる生徒には、目的意識をしっかり持っていることが必要になります。ここ数年はありがたいことに、本校の学校のカラーを理解し、子どもを預けたいという方が増えてきております」

 説明会では背伸びをせず、ありのままの姿を見てもらうことを第一としている。そのため「ガイドブック」や「入試報告会資料」などでは、入試結果や進学実績など、細かな数字がすべて明らかにされている。実はこの資料、子どもたちへのエールでもある。

 「受験生はどうしても数値(偏差値や内申点)で、『できる』『できない』を判断しがちです。しかし、資料で分析された数字を見ていると、高校入学時の内申点が21以上の生徒も15前後の生徒も、大学進学実績に大きな差はありません。生徒には『自分の将来を15歳で決めつけることはない。あなたたちは逸材である。先輩たちは3年間でこれだけ伸びた。社会の通念・概念を打ち破ろう』と伝えていきたいと思っています」

こころの教育を育む
EHDプログラム

 さらに京華の教育の特色としては、中学校で行われている「EHD(Education for Human Development)」がある。ボランティア体験、箏曲や茶道など、普段はなかなか触れることのないプログラムを通して、心豊かにし、21世紀を生きる真に賢い女性を育成するのが目的だ。

 「EHDでは、先輩・後輩が一緒になってグループをつくり、縦割りで活動しています。学校は一つの社会でもある。社会における自分の位置づけも活動を通して学びます。『先輩があの大学に入れたのなら、私はもっと頑張れる』とも思え、励みになっているようです」

 廣瀬校長は最後に、京華女子への入学を希望している生徒に向け、「本校に入学する生徒には、ずば抜けて高い能力は望んでおりません。人の話が聞ける素直な心を持っていることが重要です。偏差値にとらわれた進学実績にこだわるのではなく、将来の自分のスタンディングポイントを考えていける女性の育成こそが、私たちの目指しているところです」と語った。

 毎年卒業生に対し、アンケートを実施しているが、98%以上の生徒が「女子校で高校生活を送ってよかった」と答えている。

 「この結果に甘んじることなく、次の100年に向けて、残りの2%の改善をしていきたいですね」と、さらなる意欲を見せてくれた。

 
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