東大・京大に合格!年々上がる進学実績
今春の大学入試では、東大・京大合格者を出した青稜中学校・高等学校。国公立大学合格者が24人、早慶上智、東京理科などの難関私学へは46人、GMARCHには116人と、進学実績の良かった昨年の勢いをそのまま維持。特に東大・京大が出たことは、在校生の刺激にもなりそうだ。(別表参照)。
進学実績が上がった理由は2つ。まず、レベルの高い生徒が入学していることが挙げられる。入学後に生徒を伸ばすことに定評のある同校だが、ポテンシャルの高い生徒が入ってくることで、さらに伸び率が増加。今年の中学入試は、受験者こそ昨年の2,231人を下回ったものの、偏差値は3ポイントもアップ。優秀な生徒が集まる状況をつくりだしている。
もう一つの要因は、進学のための徹底した講習だ。
中学校は英語、数学、国語の3教科の放課後講習を実施。進度の遅れている生徒には指名制の基礎講習も行っている。高校では1年生で4講座、2年生で9講座、3年生では12講座の放課後講習を設けている。同一講座名でもレベル別のクラス編成が行われており、生徒が自分で足りないと思っている授業を、レベルに合わせて受けることができる。16時から「もう一つの学校が始まる」といっていいほどの充実した講習と言える。
他にも長期休暇講習、年間20コマ受けられる大手予備校のサテライト講習も実施。月曜日の放課後には、教員があらゆる質問に個別に答える「質問の日」を設けている。目覚ましい学力向上の背景には、こうした徹底したサポート体制があった。
生活面からの支えが学力向上の礎に
生徒が入学時より大きく成長できる要因は、学習面のバックアップだけではない。同校は生活指導においても他校にはないきめ細やかさがあり、これが学力の伸びにつながっている。
この根底にあるのは、生徒と教員が接する密度の濃さだ。授業では英語は1クラスを2つに分け、少人数制で行っているほか、数学の授業は2人の教師が行う。このように生徒一人ひとりに接する機会や時間が長いため、名前を覚えるのはもちろん、どんな性格なのかなど生徒とじっくり向き合える。
その結果、生徒に関する情報は多くの教員が共有することになり、「元気がない」「勉強が進まない」などの悩みに素早くアプローチすることができる。大きな問題に発展する前に解決できるというわけだ。
生徒と教師の交流は、八ヶ岳の研修施設で行われるオリエンテーションや合宿学習など、中高を通じての宿泊研修でも深められる。信頼関係が学校以外でも築ける仕組みだ。
こうした生活面での面倒見の良さは、生徒の安心感や落ち着いた生活へとつながっていく。進学に向けた講習でありながら、単なる学習指導にとどまらないところが、青稜の強みである。 |
社会貢献のできる人間を育てる
最後に、今年度より校長に就任した下山晃校長に今後の抱負を伺った。
「本校の建学の精神は『社会に貢献できる人間の育成』です。小学校から大学院まで教育機関が存在するのは何のためでしょうか。それは教育を受け、知識を身に付けることで、最終的に社会に貢献したいという意識が、人間の根底にはあるからです。本校では、社会に出るまでの中学・高校の段階でしっかりとした基礎学力を身に付けさせ、さらに上の教育機関、生徒が望む大学進学を実現させたいと考えています。人間は何歳になっても教育を受けたいという気持ちがあります。生徒一人ひとりの個性を大切にしながら、きめ細かい進学指導を行い、より高レベルの教育を受けたいという生徒の希望を実現させていきたいと思います」
この10年間、取り組んできた教育改革が大きく身を結んだ同校。新校長の下、建学の精神に立ち返り、さらに高い次元の教育を目指していく。
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