就任2年目の新校長が目指す
実現可能な高い目標
命は天から授かったもの、すべての人は、天から授かった命を持つ同胞である。ゆえに命を与えてくれた天を敬い、自己を愛するように同じ人間を愛する。この意味を持つ『敬天愛人』を建学の精神に掲げ、多くの生徒を育ててきた千葉敬愛高等学校は、平成18年に創立80周年を迎えた。80周年事業の一環として取り組まれた新校舎建設も完了し、明るく開放感のある新学舎には、生徒たちの笑い声が響いている。
「教育理念である『敬天愛人』の精神を持った人間の育成を教育方針に置いて、日々努力しております。そのため、生徒の可能性を充分に引き出せる指導を心がけています」
そう語るのは、就任2年目を迎える須田繁校長。今までの『自ら人生を切り拓くことのできる豊かな個性と国際性・強靱な心身を持つ人間の育成』といった教育目標は継続しながら、新たに打ち出した学校経営方針で次のステップへと千葉敬愛高等学校を導く、強き指導者である。
経営方針の根幹は、生徒の自主自律と明るい学校生活の維持。そのために教職員は役割分担を明確にした上で、各自の責任と連携を意識しながら職務に就くことを義務としている。これが完全な形になれば、『東大をはじめとした国公立大20人以上・難関私立大多数現役合格』『甲子園優勝をはじめ、課外活動日本一』という今後の目標達成も決して不可能ではないと須田校長は胸を張る。
実際、18年度・19年度の国公立合格者数は各年10人前後輩出しており、彼らが3年間で驚くほど成長したことがうかがえる。また、クラブでもバドミントン部(インターハイ毎年出場)、ソフトボール部(18年度全国優勝・U−19日本代表選手輩出)やソフトテニス部などのスポーツ系はもちろん、文化系も活発で、卒業生はWBA世界ライト級チャンピオンや声楽家、宝塚歌劇団員など、各方面で活躍中だ。彼らをバックアップする団体もPTA・同窓会の他に、PTA元役員が組織した後援会があり、安定した活動の基盤を支えている。
こういった高い目標に向けて成長著しい当校は、受験生からの注目度も高く、向上心の強い入学者が、毎年順調に増加している。
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生徒個人の夢を叶えるため
豊富な内容を熱意ある教師が指導
千葉敬愛高等学校は在学生の多さが特徴の一つである。3学年で33クラス、総生徒数は1,300人を超えており、一般公立校を凌ぐほどの人数だ。
人数が多い分、個性も実力も幅広い生徒が入学している。なかには、難関私立大や国公立大の現役合格を目指す生徒も少なくない。その希望を叶えるには、高校入学時点から他の大学を目指す生徒とは異なる形で学んだほうが良いとの考えから、特別進学クラスが編成されている。入学前に、難関私立・国公立大の受験希望を打診し、進学の意志と成績によって、希望生徒から2クラスを選抜。通常より早い進度や密度の濃い授業内容で、難関大突破を目指すのだ。
ただし、1年次には他のクラスでも英語・数学の習熟度別授業や夏期講習・夏期勉強合宿などで豊富な知識を身に付けて、実力アップを図るため、基礎基本の力が鍛えられるのは同じである。
2年次になると理系・文系に分かれ(特別進学クラスは特別進学理系クラス・文系クラスに分かれる)、各々の将来へ向けて、さらに力を入れていく。特に理系クラスは、数学・化学にも英語同様の習熟度別授業を導入。理解度に差がある科目だけに、わからないことをきっちりと理解してから、次のステップに進むよう指導が行われる。
3年生では英語のリーディングの強化や、自分の進路に合わせて、世界史・数学・英語・古典といった教科から授業を選択する『教科間選択授業』システムを導入しており、効果を上げている。また、2年次には国際教育推進としてハワイ大学への短期語学研修などを実施しており、生徒たちからは有意義な学生生活と進学が両立できると評価を得ている。
この他にも、課外補習や土曜日予備校出張講座などは3年間を通じて行われている。また今年度より、系列大学や短大を含む学園全体で『敬天愛人講座』の開催が実施される予定であり、千葉敬愛高等学校でも年数回学年ごとに学園長や外部講師を招いて、さまざまなテーマで勉強会を行う計画が進行しているそうだ。
それでも、自らの進路を決めるために悩む生徒は少なくない。そういった生徒のために、多くの情報や資料提供、きめ細やかな相談に乗る個別相談ルームの設置といったハード面の充実だけでなく、本校卒業生や外部講師による進路講演会などの精神的フォローも怠らないよう心がけ、生徒が後悔することのない進路指導を行っているのも、千葉敬愛高等学校の特徴といえるだろう。
このようにたくさんの選択肢を与えられた中で、自分の進路を見つけて成長したいと願う生徒集団と、その一人ひとりに熱意を持って指導を続ける教師集団、彼ら二つの集団を核として、充実したカリキュラムやシステムを駆使しながら、生徒個々の将来への可能性を最大限に引き延ばす学校、それが千葉敬愛高等学校の真の姿なのだと須田校長は熱く語った。
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