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中学・高校受験:学びネット

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京北中学校・高等学校

 
  高い感性を育成する『哲学』を基本に 新たなカリキュラムを編成
『諸学の基礎は哲学にあり』を教育理念に持つ京北中学校・高等学校では、昨年よりカリキュラムを一新。理科の実験回数の増加、英数での習熟度別授業の導入、主要教科時間の一部で得意分野選択授業実践など、新しい指導方法が取り入れられた。一方で、哲学をはじめとする人間育成も重視されており、校内での芸術表現・国語総合などでの自己表現開発や、農業・漁業体験などを通じてのコミュニケーション能力育成には、高い評価が集まっている。

校 長: 川合 正
住 所: 〒112-8607 東京都文京区白山5-28-25
電 話: 03-3941-6253
交 通: 都営地下鉄三田線「白山」駅・東京メトロ南北線「本駒込」駅より徒歩3分、都バス東洋大学前・京北学園前より徒歩1分
学生数: 中学校  174名
高等学校 412名 (2008.09.1現在)
ホームページ: http://www.keihoku.ac.jp

 

得意科目を選択できる授業で
自信を実力に結びつける

 男女共学化や新コース制導入など、多くの学校が新たなスタートを切る中で、男子校としての良さを活かした中高一貫システムを貫いている京北中学校・高等学校。その基本理念は変わらないが、より良い学習指導を行うため、昨年より週6日制と中学のカリキュラムの大幅変更を実践している。

 30人以下の小人数クラスによる個別対応体制の中、揺るぎない基礎実力を磨いて高校へ進学することで、高校受験がないため、中だるみしがちな中高一貫制の弱点を引き締めているのは以前と同じ。これに、さらなる知識の理解と定着を求め、繰り返し学習の流れの中で、少しずつ深くなる授業を実践。また、主要5教科の時間も増やし、平均的な公立校の2〜3倍の時間数を確保した。

 「生徒が授業だけでなく、年間行事やクラブなど、学生生活のすべてを満喫できるよう、無理のない形での新カリキュラムを作成し、実践しています」

 實方隆志中学副校長の語るカリキュラムの特徴は数点あり、なかでも特筆すべきが主要教科の内容である。男子校のため、理系進学志望者が比較的多く、それに合わせる形で理数の授業時間を増加した。特に理科では、体験から得られる知識を重視し、通常の実験時間以外に、2週間に一度の割合で、実験の回数を増やしている。

 学力差の開きやすい数学や英語の授業は、通常授業以外に習熟度別に20人以下の小人数クラスを編成。個別対応で演習の時間を増やして、大きな遅れが出ないようにフォローしている。また、個々が日常的にどこまで理解しているかを確認するため、毎朝の小テストや放課後の補習は常に実践されている。

 一方、中学生時代は精神的な面で成績が左右されることが多いため、『やればできる』という気持ちが実力アップに直接結びつく場合が多い。そこで主要教科の中から、各学年で1単位を得意科目選択授業として設け、自分の実力に自信を持てるような工夫がされている。この自信は他教科にも影響し、全体的な学力向上やモチベーション持続につながるのだ。

 中高一貫制には高校受験がないので、長期目標は大学受験になる。この目標を達成するために、中学時代にしておくべき短期目標として、英検・数検・漢検の合格を置いている。全学年最低でも年に一度は受験し、英検なら3級を中学時代に取得するのが目的だ。中には準2級、2級と取得を進める生徒もおり、生徒間での良い刺激となっている。

教育理念根幹を担う「哲学」は
現在と将来を考える人間育成授業

 京北中学校・高等学校の教育の基本理念は、『諸学の基礎は哲学にあり』。物事をじっくりと考え、判断して行動する力は哲学で育成されるという考え方である。これに基づいて行われているのが、「哲学」と名称を変えた道徳の授業。全教員が一丸となり、各自の得意分野を受け持つことで、広い視野で人生を見つめる機会を生徒に与えることができる。

 また、外部から講師を招くこともある。医師の大学教授による、実際の難病を抱えた患者のインタビュービデオから死ぬ・生きるということを教える授業や、白杖・点字・視力を弱める特殊メガネなどで視覚障害者の不自由さを体験して、何不自由なく生きることの幸せを考える授業など、心の育成につながる内容は多い。

 一方、将来のためのコミュニケーション能力の育成に使われているのが、国語総合と音楽・美術などの芸術表現の授業である。国語総合は言葉で自己表現する方法を学ぶが、芸術では技巧ではなく、いかに創造性豊かな作品が作れるかを考える。これは日頃気付かない部分に目を向ける、新しい思考育成の時間として注目されている。

 さらに、いずれ来る大学受験時の学部決定や、大学卒業後の社会でどのような仕事に就くかを考えるキャリアプランニングも、この時間に実践されている。法政・上智・東洋大工学部といった実際の大学の学部を訪問し、詳しい話を聞くことができるので、理系分野が得意な生徒には好評である。また、漁業や農業などの体験を通じて、地元の人や学校の友人たちと深く触れ合い、他者に心を開いていく体験授業も用意されている。

 「この他に、クラブ活動でのコミュニケーション能力育成も重視しており、全生徒の参加を奨励しています。全国大会2位のバスケットボール部をはじめ、体操部や剣道部やレスリング部、ゴルフ部などバラエティー豊かなクラブ活動も、非常に活発です」

 生徒指導にかかわる教員の研修も特色があり、単なる講義だけでは終わらない。大学の教授を招いたり、指導面での悩みを事例検討会としてディスカッションするなど、問題点が確実に解消されるようになっている。また、学年ごとに内部の人間だけが閲覧できるHPを作成し、生徒の日々の活動を報告。教師と家庭とが連携を取るうえで、欠かせないツールとなっている。

 こういった内部改革が徐々に話題を集め、毎年25人、2クラス編成だった一学年が、今年度の入学生では69人となり、3クラス編成に変わった。今後もこの魅力ある人間育成がどのように更新されていくのかが注目される。

 
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