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中学・高校受験:学びネット

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智学館中等教育学校

 
  来春、水戸市に中等教育学校が開校 特色教育で国際人を養成
2008年4月に開校予定の智学館中等教育学校は、100年の歴史を刻む学校法人常磐大学が目指す、多彩な人間教育の実践中核として注目される。現在、開設準備室では、既に立案済みの独自の教育システムの運用について詰めの段階で、水戸市内の広大な敷地に校舎をはじめとする各種施設も建設が進んでいる。共学の中等教育学校として120名の募集定員でスタート。地元の注目度も上昇中のようだ。

校 長: 山田 隆士(就任予定)
住 所: 〒310-0914 茨城県水戸市小吹町2092
電 話: 029-300-5133
交 通: JR「水戸」「赤塚」駅よりスクールバス運行
学生数: 120名(共学) (2007.11.1現在)
ホームページ: http://www.tokiwa.ac.jp/~chigakukan/

 

教科指導、人間形成への
弾力的展開に期待

水戸市で幼稚園から高等学校、短大、大学、大学院を有する学校法人常磐大学は、長年、小・中学校の設置を望んできたが、創立100年の節目を1年後に控え、今回の智学館中等教育学校の開校へとこぎつけた。多彩な教育を展開するという目標を掲げ、国内外の大学への進路選択肢を広げる中等教育学校を目指す。

現在、開設準備室長(校長就任予定)を務める山田隆士氏は、茨城県立高校で18年間教壇に立った後、県教委を経て、県立牛久栄進高や土浦一高の校長経験を持つ教育畑一筋の人物である。36年間、茨城県の教育を見つめてきた目に、私立学校としての建学理念を具現化する視点をプラスさせ、中等教育学校の特色ある教育システムの構築に意欲的に取り組んでいる。

中等教育学校は徐々に増えつつある新しい学校形態で、中高一貫校とは異なり、中学校と高等学校の境目がないことから(最初の3年間を前期課程、後の3年間を後期課程とする)、中学校卒業時点で修了すべき課程についても、柔軟にカリキュラムを組むことができる。よって、学習計画や人間形成面において、より弾力的な展開が図られるというメリットがある。智学館中等教育学校においても、6年間を3つのステージに区切ることで、発達段階に応じた効果的な教育活動を実施する方針だ。

第1ステージは1〜2年次の2年間で、中学5教科の基礎・基本を徹底し、第2ステージの3〜5年次の3年間で、高校課程を先行学習し、全課程を5年次末までに修了させる。最後の6年次の1年間が第3ステージであり、各生徒の進路に応じ、特化した学習体制が組まれる。4年次の後期課程からは単位制となり、5年次で全体の3分の1が、6年次で3分の2が選択履修可能となるのが特徴である。

オリジナリティに富む
教育システムの数々

智学館は教育理念を「自己に誇りを持ち、たくましく未来を切り拓く」ことに置いており、それを達成するため「3つのマインド」を育てるという教育目標を確立させている。第一にグローバルマインドで、国際性豊かな知性と感性を持つこと。第二にサイエンスマインドで、自然科学はもとより、社会科学、人文科学といった広い意味での科学する心を自分の中に常におくこと。第三にはソーシャルマインドで、社会性と高い倫理観であることは言うまでもない。

さらに、この3つのマインドの実践力を身につけて磨くべき「9つの能力」を挙げている。それらは将来設計、客観的分析、意思決定、計画実行、問題解決、コミュニケーション、役割認識、人間関係形成、創造的思考の9能力である。どれも一般に重要視されるが、役割認識能力については説明が必要だろう。

社会ではその場の状況に応じて、同一人物であっても果たすべき役割が異なってくる。ある時はリーダーシップを発揮し、別の場面では年少者が中心になる場面であっても、自分は何をすべきかを考え、実行できる多様性、柔軟性が求められる。常にリーダーでも、追従者でもなく、その時々の状況に応じた自分自身の役割に気づき、行動できる能力である。このように、教育理念の具現化に向け、実にシステマチックな構想が詳細に練られているのである。

教科学習については、授業計画はもちろんのこと家庭学習の領域をシラバスに組み込んでいる点が特徴といえるだろう。学習内容の完全習得を目指すため、「評価テスト」をより多く実施し、到達度に達していない生徒に対する補習、ゼミを早い段階で行うこととしている。

生徒はそれぞれ学習目標と計画表を作成し、自主的な学習習慣を形成するよう指導されるが、その一環として実施される「スクールステイ」の試みは興味深い。例えば、1年次には11泊のスクールステイ(短期寄宿舎生活)が、3回程度に分けて実施される。この機会を通して、担任の先生やチューターからアドバイスを受けたり、友人と教え合ったりしながら、自学自習の姿勢を身に付けていくのである。そのための宿泊施設も完備される予定だ。

マルチな能力を育み、
国際性を培うプログラム

教科学習とともに人間形成に大きく影響を及ぼす体験学習でも、智学館がモットーとする多様な価値観、生き方を学ぶプログラムが組まれている。「多感な時期にあって、感動を味わい、喜び、時には苦しみを味わうことも大切で、失敗を恐れず、失敗から学び、それをバネとして上昇する姿勢を育てたい」と話す山田室長。

特に3年次に実施される海外研修では、7〜10日のアメリカ訪問を予定しているが、事前研修を十分に行い、問題意識を持って参加、帰国後は研修内容を小論文にまとめるという一連の学習の中で、先に紹介した9つの能力、特に客観的な分析、計画実行、問題解決、役割認識、創造的思考、コミュニケーションといったマルチな能力と高い感受性を育むことが期待される。

続いて、5年次には国内研修を実施し、3年次で培った能力にさらに磨きをかけ、自主調査研究を5年次にかけて行い、1万字の論文を書けるまでに指導する。こうした取り組みを通じ、国際性豊かな感性、真理を探究し、科学する心、社会性と高い倫理観という「3つのマインド」(前述)の育成を実践していくのである。智学館では、特に発達段階に応じた能力の伸長にきめ細やかな計画性を持っており、現準備段階においても6年間を見通した計画を決定し、それによって割り当てられた初年度に何を、どう指導するか綿密な教育計画が進行中なのである。

さて、施設建設の進捗状況は現在50%で、木のぬくもりを感じることのできる、人に優しい2階建て木造建築の校舎が次第に形を現してきている。現代建築の粋を集めた工法で、木造に鉄筋を組み合せることで、7.5の震度にも耐震性を発揮するという。

1期工事では、普通教室、選択科目教室、各種理科実験室、天体観測室、図書室やPCルームといったメディアセンターを含む教室棟と、職員室、会議室などの管理諸室、食堂、昇降口などの共用部、およびバスケットコートが2面取れる第1体育館の建設が進行中である。2年後の2期工事では、AV設備を完備したシアター教室、第2体育館などの建設が予定されている。天体観測室やシアター教室の設置には、智学館の発見探究型学習を重視した理科教育に対する意気込みがうかがえるようだ。

着々と開校準備が進む中、最後に山田室長は「夢や希望を抱く子どもたちが、智学館で何をやりたいのか、学びたいのかといった目標を持って入学してきてほしい。そして、茨城県から世界へ発信できる智学館となって、県内の教育において先導者としての地位を確立したい」と締めくくった。

 

 
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