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中学・高校受験:学びネット

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東京純心女子中学校・高等学校

 
  「こころの教育」と「知の教育」。両方をたいせつにして「社会で役立つ女性」に
こころの成長をうながすことは学力、実力を伸ばすことにつながる。ミッション系中高一貫校として独自の教育を行い、進学実績でも着実な進化を続けている東京純心女子中学校・高等学校。今春の大学合格者増の中では、特に理系学部への躍進ぶりが目立つ。きめ細かなカリキュラムによる指導とともに、多彩な図書館活用、全校のトイレそうじなど、いずれも基本には透徹した教育理念がある。今に受け継がれる創設者シスター江角の思いは、期せずして時代が求める「社会に貢献する品格ある女性」を育む。

校 長: 岩崎 淳子
住 所: 〒192-0011 東京都八王子市滝山町2-600
電 話: 042-691-1345(代)
交 通: JR「八王子」駅または京王「八王子」駅よりバス10分
学生数: 中学校  375名
高等学校 407名 (2007.9.1現在)
ホームページ: http://www.t-junshin.ac.jp/jhs/

 

全員で気持ちの良い環境づくりを実践

学園都市、八王子のなだらかな丘陵地に位置するキャンパスを訪れたのは、梅雨の日の雨上がりだった。門の先、校舎へと続く道の脇には、白いアジサイがたわわに咲いて清々しい。四季折々に美しい装いを見せるという広い校地は、生徒たち全員によって常にきれいに手入れされている。自然との関わり方を学ぶ独自の授業、「労作」の成果であろう。

校名の「純心」は、マリア様の汚れなき御心という意味を表す。やさしく清らかな、純粋・無垢のマリア様の御心の象徴である。キリスト教の精神に基づき、創立以来、常に変わることなく「知の教育」と「こころの教育」を表裏一体とした全人教育を続けてきた。こころの教育を大切にすることが、ひいては学力、実力を伸ばすことにつながり、自己実現を可能にすると信じ、生徒のこころの成長を促してきたと言える。

「日常、私たちの身の回りをていねいに見直せば、豊かで幸せのもとになっているのは必ず聖書の教えです。特別に宗教の時間をとって、カトリックを押しつけることはありませんが、純心の6年間の日々の中で、こころの宝となる聖書のことばは、社会の動きに合わせて自分はどう生きればいいのかを考える指針となります」と岩崎淳子校長は穏やかに話す。

それをもの語る最近のエピソードがある。

某TV局の『情熱大陸』という番組をご存じだろうか。毎週日曜日の夜、ドキュメント形式の興味を引く内容で人気だが、その中で純心のトイレそうじの様子が取り上げられ、7月に放映された。あるルポライターが東京都内の小学校のトイレを取材した折、最近の子どもたちがトイレのそうじをしていないのに驚いた。こんなことでは、日本の将来はいったいどうなるのだろうと危惧したルポライターは「今どきトイレそうじをきちんと指導している学校はどこだろう」と、塾に問い合わせてみた。真っ先に名前が挙がったのが、純心であったという。トイレそうじの基本には、純心の標語「いやなことは私がよろこんで」というシスター江角の姿勢がある。「学校でも家庭でも、トイレそうじを経験していないからか、そうじの仕方がわからない生徒がいます。やり方がわかれば、みんな楽しそうにやっていますよ。これもこころの教育の一面であると思います」と校長。

取材時に驚かれたのは、上級生が新入生に一からそうじの仕方を教えること、足で踏まないよう水洗レバーに付けた布カバーの工夫、さっさと雑巾で磨き上げるその徹底ぶりであった。こんなそうじができれば、この生徒たちが育つ将来は明るいと感服して帰ったというのが番組の一部である。放送後、テレビを見た多くの卒業生たちからうれしい便りが届いた事は言うまでもない。

図書館の協力で学ぶ楽しさを味わう

純心の図書館は中・高別々に設置されている。ピンクを基調としたかわいらしくやさしい雰囲気の館内には、全国でもトップレベルという8万冊の蔵書数を誇り、それぞれ専任の司書が、さまざまな図書館活用の中心となって活動している。ともすれば、学校図書館は、設備の一端とだけ捉えられがちであるが、純心では、取り出しやすい低めの書架を選んだり、生徒が読んでみたくなるように本をレイアウトしたりするなど読書環境を整えることを始め、各教科の担当者との連携で図書館を授業に役立てている。

英語科では、各国語の楽しい絵本コーナーを作って、まずは外国語に興味を持たせる。英検・TOEICの資料も充実させ、授業をサポートする。国語科では、新聞作りを提案。新聞を作る上でのルール、記事の文章における5W1Hについての資料を準備し、時には司書自らが生徒に説明したりもする。社会科や理科の「調べ学習」では、自分の知りたい情報をいかに「多く、正確に、早く」獲得するか、図書館を使ってその方法を体得し、学ぶ楽しさを味わう。

司書の遊佐幸枝先生は「担当の先生と必ず事前に指導目標のすり合わせをします。学校の理解があってこそできるのですが、学校図書館はこれが本来の仕事だと思います。図書館を活用しているという意味では全国で一番です」と心強い。

好調を追い風にさらにきめ細かな指導を

現在、純心では中高一貫のメリットを生かした「3ステージ制」をとっている。6年を2年ごとに導入期、展開期、完成期に分け、発達段階に応じて無駄のない洗練されたカリキュラムを実践し、着実な成果を上げている。大学の合格実績は、年々上昇、今春の第41回卒業生は大健闘で、140名中4年制大学へは81.4%の114名が進学、短大・専門学校に13名、浪人その他は13名となった。また、国公立大学への合格者数は2年ぶりに2桁台となり、東工大には、初めての現役合格者が出た。私大への現役合格者数も急増、早慶上智などの最難関私大には36名、G−MARCHへも総計825名というたいへん優秀な成績を残した。中でも目立つのは、理系の合格者の増加で、特に理系学部への現役合格が際立った。看護・医療系への合格者も急増し、薬学部は前年比の3倍強、19名であった。

好成績の要因となったのは、「知の教育」としてこころがけた生徒全体の能力アップである。従来は習熟度に遅れのみられる生徒のみを対象としていた補習を見直し、成績上位の生徒にも希望制で行うなど、より力をつけられるよう対応した。この好調を追い風に、来年度からは中学の募集を現在の120名から140名に増加する予定である。そしてその子どもたちが高校に上がる際には、外部からの募集を取り止める方針だ。

もとより同校の生徒は、コツコツまじめに努力するタイプが多く、聖書の教えを基盤にして友達関係も良好、共に励み合い、影響し合いながら成長していく。進路に関しても、職業体験や、講演など、さまざまな情報収集の場が用意され、社会を知り、自分をみつめる機会が多くある。入試結果から、進学して専門知識を身につけ、それぞれの分野のエキスパートとなって、「社会のために役立ちたい」と考える生徒が増えているとみるが、まさに純心の教育の成果であろう。

現代における女性の社会貢献度は目ざましい。昨今は、社会で活躍するとともに、さらに品格を兼ね備えた女性であることが期待され、図らずも「聡明な女性としての素養を身につけて、社会に役立つ人に」と、生徒を育んできた純心の教育と合致する。変わりない歩みは着実で確かだ。

 

 
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