サイト内検索:
 
中学・高校受験:学びネット

 学びネットは、中学、高校受験のための情報ページです。学校紹介や塾経営にお役立て下さい。

今月号の紹介 学校散策 塾長のためのマンスリースケジュール 購読案内 会社案内
学校散策 ・関東校・ 関東一覧
   

東京純心女子中学校・高等学校

 
  バランスよく育まれる“知と心”生きる財産を蓄える中高一貫
 
幅広い知識の習得と他者を思いやる心の涵養は教育における車の両輪。バランスよく育むことで、東京純心女子中学校・高等学校の卒業生は、進学先や社会で安定した成長を続けている。キリストの教えに則った高い精神性、生徒一人ひとりの特性に応じたカリキュラムは着実に進学実績に結びつき、幅広い分野に活躍の場を拓かせている。特色ある英語教育は定評だが、ここ数年、理系進学希望者も増え注目されている。

校 長: 岩崎 淳子
住 所: 〒192-0011 東京都八王子市滝山町2-600
電 話: 042-691-1345(代)
交 通: JR「八王子」駅、京王「八王子」駅よりバス10分
学生数: 中学校  356名
高等学校 431名 (2006.11.1現在)
ホームページ: http://www.t-junshin.ac.jp/jhs/

 

心を育む教育理念

設立母体を長崎純心聖母会とする東京純心女子中学校・高等学校は1964年、同聖母会の会長のシスター江角ヤスによって創立された。長崎や鹿児島に姉妹校を持ち、キリスト教を建学の精神とした全人教育を目指す中高一貫校である。

現在も同校の学園標語として受け継がれるシスター江角の言葉「マリアさま いやなことは私が よろこんで」には同校の教育理念が表われている。積極的に他者に奉仕する気持ちと、逃げてしまいがちな困難を自ら引き受けることによって、自身も今以上の力を蓄えようとする意欲に溢れた言葉である。現代を生きる中高生の悩みや迷いは、大人が想像する以上に深く、また、理想像が高ければ克服すべき壁も高く、時にそこから逃れたい気持ちにさせられるもの。そうした思春期にあって、シスター江角の言葉が生徒たちに気づかせるものは大きく奥深い。

学園標語は聖書の教えに沿ったものだが、入学当初からすぐに聖書の言葉の意味を理解する生徒は多くない。だが、6年間を通して毎朝朗読する数行ずつの聖書が、悩んだり、つまずいたりする生徒に気づきを与えていくのも事実だ。卒業が近づく頃になると、生徒は皆、自分にとって一番好きな聖書の言葉を持つようになる。誰に強制されるでもなく、自ら感銘を受けた言葉に意味を見出した時、言葉は生徒にとって、その後の人生を歩む上で宝になることを、岩崎淳子校長は確信を持って語る。

他者の気持ちを推し量り、自律的に行動するための実践は学校生活のあらゆる場面に見られるが、特に清掃指導には力を入れている。中学校に入学間もない生徒は雑巾の絞り方から教えなければならないのが現状のようだが、次第にトイレ掃除も普通にやることができるようになる。単に掃除が上手くできるようになるのではなく、使う人の身になって行えるよう導くところに、純心の教育のこだわりが見てとれる。「同じ行いにも何かひと味違う、そんな心づかいができる人になってほしいのです」と岩崎校長。

3ステージで生かされる
6年教育

教育課程は中高一貫の6年を2年ごとに導入期、展開期、完成期の3ステージに分け、発達段階に応じた学習・学力目標、進路指導法、宗教教育目標などを設定している。

中学1〜2年の導入期は基礎学力の育成に重点を置くため、家庭学習を習慣化させ、授業を楽しく受けられるよう導く。少人数制クラス編成と、中2からは習熟度別授業を実施し、成績不振者には補習を通じて、成績の早期回復を行っている。基礎学力は充実した基本的生活習慣の上に伸びるという考えのもと、この間、しつけ面の指導には特に力を入れる。例えば、挨拶も単に交わすことを当然視せず、良好な人間関係を築く第一歩と意識させる環境づくりが学校全体でなされる。入学後間もなく、通学途上でバスの運転手に挨拶やお礼の言葉が口をついて出るようになるのは、そうした環境が備わっているからだ。

中3〜高1の展開期には自身の資質、適性を探り当て、将来の夢を実現させるために必要な学習に取り組んでいく。後半は具体的に学びたい分野を決定し、進むべき大学の学部、学科を研究する段階に入る。応用力を充実させるため、中3より希望者に「応用補習」を開設。また、国内外の時事(世界情勢、司法制度など)へ関心を持たせ、他者との関係や社会の中の自分を意識させる授業を展開していく。理系進学希望者の増加に対応し、中3から理科の1分野で習熟度別授業も取り入れている。導入期より育まれた友人関係も深まりを増す頃で、欠席者にノートを取るといった心くばりが自然に行われるようになるという。

高2〜高3の完成期は進路に合わせ、応用力を伸長するため進路別クラス編成となる。受験に必要な科目の選択授業は最少6名より実施し、理系進学組へは春期、夏期特別理科講座、放課後補修(化学、生物)も行っている。加えて高3の5月までに数VCまでを終了し、以降は受験タイプ別の演習を充実させている。国立文系希望者も高2までに数UBを終了し、演習に十分な時間をとっている。私大文系希望者にも、高2まで数Uの授業を行い、知識の偏りを防ぐなど、大学入学後、数学で苦労することが無いようバランスの取れた受験対策が施されている。

こうしたカリキュラムが奏効し、昨年は134名の卒業生のうち早稲田、慶応、上智、東京理科大、ICU、G−MARCHなどへ110名の合格者を出している。最近増加傾向の理系医歯薬看護系大学には63名、津田塾、東京女子、日本女子へは41名が合格した。

 

国際化に向けて

英語教育に力を入れていることで知られる同校には英語関連の行事も多彩だ。毎年開かれる「江角杯レシテーション(暗唱)コンテスト」は、八王子市内のすべての中学校に呼びかけ、純心が主催するコンテストである。本校からも毎年中2、中3が出場し、優秀な成績を修めている。また、校内でのレシテーションコンテストでは、中1、高1はプログレスの教科書の一部を、中2では江角杯の課題文を暗唱する。中3と高2はスピーチコンテストとなっており、自分の考えを英語でまとめ、人前で発表することで自信がつき、英語を好きになる機会としても効果をあげている。

中2の夏休みに実施される2泊3日のイングリッシュ・キャンプは英語だけを使ってコミュニケーションするというもの。岩崎校長によると「何かを伝えようとして、まず言葉探しから始めなければならないので大変なようですが、ボディランゲージも駆使して皆、楽しそうです」という。

また、高1の夏休みに実施される3週間の語学研修(希望者対象)は、イギリス(ケンブリッジ)・カナダ(オタワ、トロント)の3グループに分かれる。例えばカナダ語学研修(トロント)は、同校独自のアクティヴィティが盛り込まれた充実した内容だ。午前中は地元語学学校でレベル別の授業を受けるが、ここにはヨーロッパ、アジア各国からの同年代の研修生が集まってきているため、言語研修以外にさまざまな世界観に触れることができる。午後は地元テレビ局や各施設を巡ったり、野球観戦をするなどして見聞を広める。
こうした学校行事が、英語に強い卒業生を輩出する一要因となっているが、テキストを厳選し、英検やTOEIC受験を奨励していること、さらに速読、リスニングの練習に力を入れているなど、普段の地道な取り組みも見逃すことはできない。

「知の教育」の実践と、宗教教育を通して育まれる「こころの教育」が、明るく主体的に学ぼうとする生徒を育み、結果として進学実績を伸ばし、卒業後も同校で培った経験を糧に卒業生が幅広い分野で活躍している。同校出身で慶応大法学部に進学した学生が、今年、同校の学校説明会でこう話した。「純心での6年間の学びは、大学入学後に力がついていたことを実感させてくれた」と。

 
  ページの先頭へ戻る
manavinet」運営 / 「塾ジャーナル」 編集・発行
株式会社ルックデータ出版
TEL: 06-4790-8630 / E-mail:info@manavinet.com
Copyright© 2004-2003 manavinet. all rights reserved.