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中学・高校受験:学びネット

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武蔵工業大学付属中学校・高等学校

 
  近代的&機能的な校舎が完成、新しい学習環境で、完全中高一貫教育を推進
 
全面建て替えを進めていた武蔵工業大学付属中学校・高等学校では、新校舎が完成。2学期から新しい教室での授業が始まった。創立以来、理科教育重視のカリキュラムを組んできた同校だけに、理科実験室の充実が新校舎の特徴のひとつとなっている。明るい光と風があふれる学習環境の下、来春の中学入学生から完全中高一貫教育へと移行。今年度を新改革年度として新たなチャレンジが始まった。

校 長: 五十嵐 勲
住 所: 〒157-8560 東京都世田谷区成城1-13-1
電 話: 03-3416-4161
交 通: 小田急線「成城学園前」駅より徒歩10分
学生数: 中学校  596名
高等学校 823名 (2006.11.1現在)
ホームページ: http://www.musako.ed.jp/

 


地上4階・地下1階建ての新校舎

成城という落ち着いた住宅街にある「むさこう」こと、武蔵工業大学付属中学校・高等学校。周りは静かで緑が多く、勉学には絶好のロケーションである。

同校では、40年ぶりに校舎を建て替え、今年7月に完成した。同地域では建築物の高さに制限があるため、新校舎は地上4階、地下1階建て。鉄筋コンクリートの打ちっぱなしを採用した近代的な建物で、大学と見まがうような外観となっている。

面積は、旧校舎の1.5倍。広い中庭(キャンパスプラザ)と、幅4メートル、場所によっては6メートルにもおよぶ広い廊下が設けられ、全体的にゆったりとした設計。成長期の男子を預かる学校ならではの配慮だろう。幅6メートルの廊下の一角には、テーブルといすが設置されたコミュニティ学習スペースが作られ、生徒同士のコミュニケーションが図れるように考えられている。

全体的に採光を重視した構造で、特に教室の廊下側は、窓、扉とも全面ガラス。明るいだけでなく、廊下側から授業参観ができるという機能性も併せ持つ。

エントランスホールを入って右のスペースは、地下と1階が多目的ホール(アルママタホール)、2〜4階は体育館の二層式になっている。多目的ホールには可動式のいすが442席あり、式典などでは、いすを広げて使用。体育館は2階が普通の体育館と部室、3階にはランニングコース、トレーニング室、柔道場が設けられている。

キャンパスプラザは、階段状になっているサンクンガーデン(サンクンとは、地下道という意味の建築用語)につながっており、階段を利用しての野外コンサートなども実施可能。11月の文化祭では、キャンパスプラザで、屋台(模擬店)が出る予定だ。

また、キャンパスプラザの右奥にはオレンジに彩られた円形の部分があり、1階がアクティビティルーム(AV教室)、2階が大きなスクリーンを擁するシアター、3階が第一音楽室。同校の多彩な授業内容に合わせて利用できるようになっている。

校庭・運動場は、来年2月に完成予定。ソフトな人工芝が敷き詰められ、雨の日でも使えるようになる。

環境にも配慮、
教科に合わせた理科実験室が7つ

環境にも気配りがなされており、教室や廊下、トイレは、普段は照明を落として暗くしてあるが、人を感知すると明るくなるという仕組み。さらに、実験室には“ドラフトチャンバー”が設置されている。これは、実験で発生する有害ガスを吸い上げて、きれいにしてから校外へ排出するというもので、同校の環境への取り組みの姿勢が明確に現れている。
新校舎の中でも特筆すべきなのは、理科実験室の充実。1階のサイエンスギャラリーには、実験室6つと講義室1つの計7つの理科室がある。理科とひと口に言っても物理、化学、生物と科目によって実験の内容が異なるので、実験台の形もガスの配線もそれぞれに違う。教科別に2つの実験室があるのは、1クラスを2つに分け、20人ずつという少人数での理科実験を行っているためで、それに合わせて、教諭も2人つく。ちなみに、同校には、中学3年間を通して「実験」の授業が1学年につき年間約20回あり、大学の理系学部に進学した卒業生からは、この授業がとても役に立ったという声も多く聞かれるそうである。

来年度の中学入学生から
完全中高一貫教育

新校舎完成に伴い、来年度の中学入学生からは完全中高一貫教育に移行する。平成22年度からは高校の外部生募集が停止となる運びだ。

「本校は、いわゆる難関大学への進学を視野に入れた男子進学校ですので、中学校の3年間で高校1年のカリキュラムがほとんど終わっています。現在、高校2年で、高校からの入学生と一緒に学習していますが、正直言うと、その影響があります。キャリア教育(自己実現を図るための意識づけ)も主に中学1年から高校1年の間で行っているため、完全中高一貫システムのほうが、進路指導も効果的にできるのです」と草間雅行先生は移行の理由を話す。

クラス編成は、中学1・2年は均等クラスでの共通履修だが、学力の差が出る中学3年からの2年間は習熟度によってADクラス(発展クラス)とSTクラス(標準クラス)に分かれ、よりきめ細かい指導が行われる。そして、高校2年には文理に分かれ、高校3年では学力に応じて志望大学別に8つのコースに分類。大学入試に向け、万全の体制が組まれている。

なお、大学進学を含めた進路指導の重要なカギとして行っているキャリア教育は、職業体験(2年)、職業研究(3年)、学部・学科研究(4年)、大学研究(5・6年)という順で実施。大学合格が最終目的ではなく、大学卒業後の職業選択など、自分の将来を考え、たくましく生きるための力を育成するのがねらいだ。

新校長を迎え、
新改革年度としてスタート

「むさこう」では、学校改革に取り組んで今年は7年目、新校舎完成と同時に、新たな改革年度としてスタートを切った。

昨年4月には、校務運営委員会が発足。委員のひとりである草間先生は、「完全中高一貫への移行を来春に控え、さまざまな改革を行い、学校づくりの基盤を作ることを目的にスタートしました。新校舎、新体制、カリキュラムや生徒指導の問題などについて提案し、進めている最中です」と言う。

新中学1年は新カリキュラムでスタート。これまでと変わる点は、国語の時間数が増え、中学では週に英語7時間、数学6時間を充て、無駄を省いた中高一貫の理想的な先取り型のカリキュラムを実践する。中学2年でほぼ中学の範囲を終了し、高校2年で高校の範囲を終了。高校3年では、大学入試を見すえた演習などが中心のカリキュラムとなる。また、理系への進学が7割と多いことを反映し、理科の時間は、これまで高校2年では週6時間だったが、9時間に増やす。

教諭の指導体制も変わる。中高6年間を2年ごとに前期、中期、後期と分け、教諭は、基本的にいずれか特定の「期」を中心に指導。専門化を図るという。

同校では今春、五十嵐 勲校長が就任。神奈川県高校校長会の会長を務めたこともあり、前任校でも改革を手がけた実績を持つとか。

“主体は生徒である”という考え方をベースに、校長、教諭が一丸となって、今までの伝統を尊重しながら、新改革を推し進めていくことだろう。

 
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