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中学・高校受験:学びネット

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京北中学校・高等学校

 
  ユニークな授業と親身な指導で、生徒の実力を着実に伸ばす
 
“6年間中高一貫教育を実現する”京北中学校と、“学力と創造力を着実に伸ばす総合進学校”をスローガンとする京北高等学校。生徒一人ひとりの夢の実現に向けて、アイディアを盛り込んだユニークな授業と、親身な指導を行っている。そのかいあって、中学時代と比べて成績が伸び、志望大学合格をつかんだ生徒が数多い。来春から週6日制を導入するが、その内容も一工夫。実績を上げるためのノウハウを聞く。

校 長: 川合 正
住 所: 〒112-8607 東京都文京区白山5-28-25
電 話: 06-3941-6290
交 通: 都営地下鉄三田線「白山」駅より徒歩3分、都営地下鉄南北線「本駒込」駅より徒歩5分
学生数: 中学校  147名
高等学校 509名 (2006.9.1現在)
ホームページ: http://www.keihoku.ac.jp

 

特別進学コース、文科系・理科系進学コースを設置

現在、京北高等学校には、特別進学と一般文理の2つのコースがあり、一般文理コースは、2年次から文科系進学コースと理科系進学コースに分かれる。京北中学校からの内部進学生は、高校1年では、中学校のときのクラスのまま一般文理コースのうちの1クラスとなり、2年次からは、他の一般文理コースの生徒と同様、文科系進学コースと理科系進学コースに分かれる。ただし、成績優秀な生徒は希望すれば、高校進学時に特別進学コースへ入ることも可能。

特別進学コースが新設されたのは平成16年。その試行段階として、平成14年度から「国公立・難関私立大学に合格できる実力を身につけよう」という目標を掲げた生徒たちのためのクラスを設置。その志を大切にした生徒たちは、京都大学や早稲田、慶應義塾、上智、東京理科大などに合格したという実績がある。

「当時の生徒たちを受け持ったのが私です。そのときのノウハウを活かして、今の特進コースを立ち上げたわけです。説明会でも志の大切さをお話ししているので、年々目的意識のある生徒が大勢入学してくれるようになりました」と野中政廣教頭は話す。

そのノウハウの一つが、少人数のクラス。33人学級を文系20人、理系13人に分け、一人ひとりに合わせた指導をしたこと。もう一つは、徹底した受験対策。40日間の夏休み中、30日にわたって講習を実施した。また、それぞれの生徒ごとに別々のカリキュラムを組んで対応。志望大学の過去問を使ったり、志望大学のレベルと生徒の成績を考慮した学習の仕方を指導したりした。まさに個人授業さながらの面倒見のよさを発揮し、生徒と保護者から大きな評価を得た。中学時代の成績が中くらいだった生徒が、同校に入って伸びたという例が非常に多くみられる。

「一人ひとりに目を配らないと実績は上がりません。その子にとって何が必要かを見極めて指導するのが、われわれの仕事」と野中教頭は言い切る。

基本と自学自習が身につくよう、授業内容に一工夫

京北中学校・高等学校の学祖は東洋大学と同じで、教育理念は「諸学の基礎は哲学にあり」。言い換えれば、ものごとを深く考え、実行する能力を養うこと。そのため「思慮深い・社会力のある人間となること」を教育目標に掲げている。社会力とは、世の中に出たとき、社会に役立つ力のこと。同校では、勉強面、体力面など、いろいろな面で力をつけ、社会力を持った人間になれるよう指導・教育している。

そこで、授業内容も他校にはみられないような工夫がある。例えば、裁判所の見学。平成21年から裁判員制度が始まることを踏まえ、政治経済の授業の一環として行われているもので、生の裁判を傍聴する。机上の勉強だけでなく、世の中の仕組みを肌で感じて、それを言葉で表現できるようにするのが目的。生徒たちは感想文で、さまざまな思いを自分の言葉で文章につづっている。

また、野中教頭は担当する英語の1年次の授業で、中間・期末試験の前に、「自分が教師になったつもりで、試験問題を作りなさい」という指示を出す。授業が上手に聞けている生徒は、ポイントをつかんでいるので問題作りが上手。教師が作った試験問題によく似た問題を作った生徒には、ゲーム感覚で景品を出すという。1年生だけを対象に10年以上前から続けているが、このテスト問題作成をきっかけに、英語に限らず、ポイントをつかむ授業の聞き方を身につけた生徒は多い。その成果か、野中教頭が担当する今の1年生のクラスは、私語がまったくないというから驚きである。生徒全体の平均点が高いという結果が出ているのも当然だろう。

一方、特別進学コースの数学では、高校2年の3学期までに教科書の大半を終了させ、3年では大学入試問題に取り組む。また並行して2年から数学演習という科目を導入。このように1年で基礎をしっかり身につけ、2年次で併せて応用力を養い、3年次で実力をつけるという工夫がなされている。

いずれも同校の授業の大きな特徴は、基本からしっかり学べることと、自学自習の習慣が身につくこと。他教科でも、それぞれの教師が自分の担当する授業にアイディアを盛り込んでいる。

土曜日を「進路実現の日」とする週6日制導入

京北中学校・高等学校は、現在週5日制だが、高校では、土曜日に受験のための特別講座や英検・数検などの受験資格を取るための講座を設けており、高校1年生では97%もの生徒が登校している。つまり、実質は6日制。そこで来春からは、制度上でも6日制を導入することが決まった。ただし、月〜金曜の延長としての土曜日ではなく、「進路実現の日」として有効活用する。受験に直結する授業と、資格取得のための講座を組み込み、「今日は大学受験、あるいは資格を取るために登校する日」という意識を持たせたいという考えだ。そのための時間割を現在検討中である。なお、中学校では、一般の授業のほかに土曜日のみの講座も加えて、ほかの曜日との差別化を図る予定という。

また、図書館の閉館時間を午後5時から7時に変更したのも新しい試み。これは、生徒たちの自学自習の一助となるよう取り入れられたもので、すでに今年の4月から実施している。2時間延長したことにより、クラブ活動終了後でも図書館で自習できるようになった。開始した4月段階では、利用者は日に1〜2人だったが、7月には10数名に増加。自主的に勉強する生徒が少しずつ増えていることの証である。その姿勢に教員も応え、宿題のチェックをしたり、授業内容について質問したりする生徒のために、5教科担当の教員のうち、有志の先生が各1人ずつローテーションを組み、7時過ぎまで教員室で各自の仕事をこなしながら待機。生徒が相談や質問に来たときに、すぐ応えられる態勢で臨んでいる。

いろいろな面で小規模校のメリットを活かし、緻密でユニークな教育を行っている京北中学校・高等学校。高校入学初年度にかかる費用の詳細をオープンにしている点もユニークだ。私学には、入学金、施設金、授業料しか明示しない高校が多いが、同校では、それら以外に必要な納付金、制服や学用品などのすべての金額をオープンにしており、非常にわかりやすい。

今後とも、同校の特徴である生徒一人ひとりに目が行き届く親身な指導を貫き、生徒全員の「今の自分をOne ランク Up」を実現していってほしい。

 
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