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中学・高校受験:学びネット

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千代田女学園中学校・高等学校

 
  女子教育の伝統を現代に、自立して生きる力を育成
 
仏教主義の女子校として一世紀以上の歴史を誇る千代田女学園中学校・高等学校は、いま変革の時を迎えている。昨年度は高校募集再開を機に、新たに2コースを開設。それぞれ理科と英語に特化し、独自性を打ち出している。また週6日制に変更し、学習指導を強化。4年制大学への現役合格率アップをはかる。さらに来年度からは全校でTOEICに取り組む。学校改革を進める佐藤孝校長は「現代社会を自立して生きるために必要な力を養います」と、新しい女子教育の方向性を語る。

校 長: 佐藤 孝
住 所: 〒102-0081 東京都千代田区四番町11
電 話: 03-3263-6551
交 通: JR市ヶ谷・四ッ谷駅下車徒歩10分、地下鉄市ヶ谷・四ッ谷駅下車徒歩10分、地下鉄麹町・半蔵門駅下車徒歩5分
学生数: 中学校  85名
高等学校 230名 (2006.9.1現在)
ホームページ: http://www.chiyoda-j.ac.jp/

 

「理薬」「国際専攻」コース新設

千代田女学園中学校・高等学校は1888年の創立以来、仏教精神に基づく人間教育により、情緒豊かな女性の育成を目指している。

また進学面においては、系列校である武蔵野大学を始めとして数多くの大学・短大から優先・指定校推薦枠を得ており、その数は現在の1学年の生徒数を上回る。

人間教育と進路先の充実により、同校は伝統ある女子校として、以前から高い評価を受けてきた。

しかし、佐藤孝校長は「時代のニーズは大きく変化しています。中学高校時代に、自立して生きるための基盤づくりを進めていかなければなりません。人間教育をベースに確かな実力を身につけさせたい」と話す。

そのため、2年前の校長就任と同時に学校改革に着手した。

昨年度は高校のコース制を変更し、高校募集を再開した。前年度までは、完全中高一貫制で高校進学後に「普通」と「特進」の2コースに分かれていた。昨年度からは「特進」として「理薬」と「国際専攻」の2コースを開設。特色ある教育を展開している。

「理薬」コースは主に薬学・生命科学系への進学を目指す。薬学部は女子に人気の学部であり難度も高い。しかし、同校では武蔵野大学薬学部と看護学部にも推薦枠を得ている。このメリットは大きい。

「国際専攻」は英語に重点を置いたコース。留学や語学研修のほか、オンライン英語学習教材であるグローバルイングリッシュを使用したり、他教科の授業も英語で行うイマージョン教育の実施など、英語に特化している。語学・文学系はもちろん、法学部や経済学部への進学も可能だ。

高校から入学する生徒にはこの2コースに加え「総合進学」コースを用意している。「総合進学」は基礎学力を養い、系列大学の内部進学や指定校大学への進学につなげていく。
一方、中高一貫生は高校進学時に「理薬」か「国際専攻」、または従来の「普通」コースに当たる「文理」コースのいずれかを選択する。

佐藤校長は「中高一貫生も高校からの入学生も、それぞれの特長を生かしながら、進路の目標を実現させます」と話す。

早朝から放課後まで補助学習が充実

高校の「理薬」コース開設に対応し、中学においても理科教育の充実化を図っている。

そのひとつが今年度からスタートした「理科実験講習」だ。中学1年から3年までの希望者を対象に放課後に開かれる。顕微鏡の使い方から始め、DNA組み換え実験まで、3年間で24テーマの実験に取り組む。

今年は6名が参加。第1回はアメーバを培養し顕微鏡で観察した。実験用の白衣を身に着けた生徒たちは、初めて見る不思議の世界に驚き、目を輝かせた。

実験講習はひとつのテーマにつき、1時間ずつ3日間かける。初日は講義と準備。2日目に実験し、3日目に実験結果をレポートにまとめる。

佐藤校長は「理科実験を楽しむだけでなく理解を深め、将来の進路へつなげたい」と話す。

また文系・理系の別なく生徒の進路希望を実現するため、中高を通じて学力を伸ばすさまざまな補助学習を実施。成果を上げている。

平日は毎朝10分間の朝読書で読書習慣を身につけさせ、国語力を伸ばす。週に3日は英数国のミニテストを行い、基礎学力の定着を図る。教科によっては基準点を設け、不合格の生徒には放課後に再テストを実施。クリアできるまで指導する。

その他、学習が遅れがちな生徒には毎日の補習。高校3年生には入試科目や弱点補強のための受験講座などが多数用意されている。

なかでも、生徒の希望により設置される「0時限授業」の効果は大きい。これは、生徒が学習テーマを決めて先生方に授業を依頼するもの。平日の朝7時半から30分間行われる。
佐藤校長も社会科の教師時代に、世界史の「0時限授業」を受け持った。テーマは文章題の解法。受講者は4名だった。

「あらかじめ課題を与えて300字以内にまとめさせ、授業では一人ひとりに発表させて講評を加えました」。

他教科も個人指導に近い形で授業が進められている。少人数で先生と生徒の距離が近い同校だからこそ可能なシステムといえる。

こうしたきめ細かな学習指導の結果、一般受験・推薦を合わせた4年制大学現役進学率は約70%に上る。

佐藤校長は「中学受験で入りやすい割に、進路が充実。いわば『お得な学校』です」と話す。

現在の高1が卒業する3年後には、現役進学率を80%までアップさせたい考えだ。さらに「MARCH以上の大学へ2桁の合格者を出します」と自信を見せる。

生かされて生きる

自立して生きるためには学力だけでなく、トータルな人間力の涵養が必要だ。同校では親鸞聖人の「共に生かされて生きる」教えを根底に、心の教育に力を入れている。

4月の花まつりに始まり、毎月のように実施される宗教行事や毎週の宗教の時間。各界で活躍する人々を招いての講演など、機会あるごとに「いのち」の大切さが語られる。

「自分は、周りの人たちに支えられて生かされているのだということを、受験のときに心の底から納得する生徒が多いようです」。

自分自身を見つめ、他者を尊重して生きることを学んでいくという。

その点では、クラブ活動が果たす役割も大きい。中高を通じて多くの生徒がクラブ活動に参加。勉学と両立させている。

バトン部やダンス部は全国大会に出場。ソフトテニス部は中高とも関東大会出場を決めている。その他ミュージカル部や香道部などユニークなクラブも名を連ねる。

女子教育の伝統を時代にマッチした形で実現させようとしている千代田女学園中学校・高等学校。佐藤校長は「中学・高校時代は人生の基盤を構築する重要な時期。本校で共に学び、人間的にも大きく成長していただきたい」と言葉を結んだ。

 
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