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中学・高校受験:学びネット

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水戸短期大学附属高等学校

 
  国公立・難関私大を含め、
481名の4年制大学合格者を輩出した“個性ある進学校”
 
昨年度、国公立大学合格者を64名に伸ばした同校では、今春、国公立大学合格者は57名と減ったものの、4年制私立大学の合格者が昨年の269名から406名と飛躍的に増えた。しかも、そのうち首都圏の難関私大や医学部など医療系への合格者が約26%を占める。2年後の創立50周年を控え、同校は、大学進学という生徒と保護者の最大のニーズをクリアし、私立ならではの特化したものを求められる時代に入った。

校 長: 田中 睦啓
住 所: 〒310-0851 茨城県水戸市千波町464番地
電 話: 029-241-1573
交 通: JR常磐線水戸駅北口から、関東鉄道バス(千波車庫、平須、石岡、鉾田各方面行き)6番乗場乗車「千波坂上」下車
学生数: 1,004名 (2006.7.1現在)
ホームページ: http://www.suitan.ed.jp

 

4年制大学合格者数が、昨年の1.5倍!

 JR水戸駅から関東鉄道バスに乗り「千波坂上」の停留所で下車すると、目前に水戸短期大学附属高等学校、通称“SUITAN”の学舎が広がる。

 昭和34年の創立当初は、水戸第一商業高等学校として開校。10年後に、水戸短期大学附属高等学校と改称した。平成元年当時は、国公立大学の合格者が出るような高校ではなかったそうだが、平成5年に大学進学コースを設け、国公立大学の合格者10名を最初の目標として努力を重ねた結果、3〜4年後には、その目標を実現。平成13年頃には、進学校としての評価が高まってきたという。

 以来、国公立大学合格者20名、そして50名と躍進を続け、平成16年度は64名を輩出。今春は、国公立大学合格者は57名に減ったが、4年制私立大学の合格者が昨年の1.5倍強の406名に伸びた。しかも、そのうち、早稲田、立教、明治、東京理科、上智、中央、青山学院といった首都圏の難関私大合格者は61名、昭和大学医学部など医療系への合格者は45名。“進学校”という名に恥じない実績だった。

 今春の大学別合格者数実績の背景にあるのは、生徒及び保護者のニーズの変化である。例年、茨城県では、高校・大学とも国公立への進学を希望する保護者が多いのだが、ここ数年、首都圏の私立大学への入学を志望する生徒が増えてきた。今春卒業した3年生は、その傾向が顕著で、国公立大学に合格するだけの学力があるにもかかわらず、難関私立大学に合格した後、国公立大学を受験する生徒が減った。それが結果的に、国公立大学合格者数減につながったというわけである。

コースにあわせたきめ細かい対応と環境づくり

 同校の4年制大学合格者数が格段に伸びた“立役者”ともいえるのが、習熟度別クラス編成。医系・理工系の国立大ならびに最難関の国公立文科系を目指す「特別大学進学SSコース」、国公立大ならびに難関私大を目指す「特別大学進学Sコース」「特別大学進学Aコース」、中学校の校長からの推薦を得て同校に入学してきた、高度なスポーツ技術を持つ特技特待生からなる「進学Sコース」の普通科4コースと、商業科の「経済情報コース」がある。

 同校の入学試験は、普通科と商業科の2つに分けて行われ、普通科の特別大学進学SS・S・Aの3コースは、入試の点数の上位から順に振り分けられる。生徒の努力次第で、進級時に「特別大学進学Sコース」から「特別大学進学SSコース」、「特別大学進学Aコース」から「特別大学進学Sコース」へと移ることも可能。入学後がんばって学力を上げ、上位のコースへ移った生徒もいる。一方、成績がふるわない場合は、下位のコースへ落とされることもある。つまり、生徒の学力に合ったクラス編成となっているわけである。生徒たちは、その中で競争心を育み、学力のレベルアップを図っているのだ。

 さらに同校では、放課後ゼミナールや夏期・冬期集中ゼミナールなども実施し、授業以外の学習指導も充実。ゼミでは、教師がオリジナル問題集を作成し、生徒の状況に応じてフォローしており、面倒見のよさがうかがえる。加えて、希望に応じて、大手予備校の衛星放送講座も受講できるシステムとなっているなど、生徒のやる気を全面的にバックアップする体制が整っている。

 こういったきめ細かい対応と環境づくりが、合格者数増大の牽引車となったにほかならない。

入試素点の低い生徒も、入学後の学力がぐんと向上

 今春、同校を卒業した生徒たちの中には、入学試験の素点が芳しくなかったにもかかわらず、入学後の模試で偏差値を伸ばし、国公立や難関私立大学に合格した子どもたちが少なくない。

 例えば、素点が500満点の360点だったある生徒の成績推移を見ると、1年模試の偏差値が69.5、2年模試の偏差値が76.2と伸びている。3年模試の偏差値は71.2と下がったものの、見事、東京外国語大学に合格した。また、素点309点だった生徒は、1年模試の偏差値が61.9、2年模試の偏差値が65.3、3年模試の偏差値は64.9で、立教大学に合格。さらに、素点260点だった生徒の場合、運動部のクラブ活動と受験勉強を両立させながら、1年模試の偏差値46.2、2年模試の偏差値52.5、3年模試の偏差値は57.7と順調に伸ばし、東京薬科大学合格をつかんだ。

 例に挙げた生徒たちは、いずれも県立高校と併願で同校を受験し、第一志望の県立高校を不合格になって、入学してきた子どもたちだが、その後、県立高校に合格した生徒よりも順調に成績を伸ばしたわけである。最大週35時間におよぶ授業時間数や、的確かつ生徒のモチベーションを上げる学習・進路指導の成果といえるだろう。ここに私立高校としての同校の“生命線”がある。ちなみに、茨城県の県立高校では、入試の素点が300点程度では、東京6大学や国立大学合格は難しいとされている。

課題は、進学実績プラス特化したもののある私立高校

 一方、「進学Sコース」は文武両道を目指しているのが特徴。部活動を意識しているため「特別大学進学コース」とは異なるカリキュラムとなっている。硬式野球部は、春・夏の甲子園出場を果たし、サッカー部もこれまで何度も全国大会に出場している。そのほか、柔道、アイスホッケー、ゴルフなど15クラブが活動中。同コースの生徒たちは全て、大学へは推薦入学である。

 また、「経済情報コース」では、情報処理、簿記会計などの検定試験での上位級取得を目指し、取った資格を武器に、推薦で国立大学や首都圏の私立大学に合格している。
同校では、「生徒たちの満足度を高める」ことを目標に掲げ、“個性ある進学校”をモットーとしている。そのため、部活動も積極的に推進しているものの、やはりもっとも大切なのは大学合格実績。次に目指すのは、国公立大学合格者数70〜80名だが、あくまで生徒たちのニーズに合わせていく方針だ。

 現在、水戸市における県立進学校のナンバーワンは水戸第一高校といわれ、“SUITAN”は、その併願校として受験されるまでになった。10数年前の実績では考えられなかったことだ。

 今後は、進学実績プラス何かに特化した私立高校であることが求められてくる。それを実現することと、専願で選ばれる高校として位置づけていくことが、創立50周年に向けての大きな課題である。

 
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