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中学・高校受験:学びネット

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二松學舍大学附属高等学校

 
  新生「二松學舍」へ、4つの変革を実施
 
今年、二松學舍大学附属高等学校は新校長に橋本喜一先生を迎え、新しい学校づくりを開始した。かつて夏目漱石も学んだ二松學舍の伝統を引き継ぎながら、「4つの変革」を実施。生徒の夢や希望を現実に変えるため、「夢ここから」をキャッチフレーズに全教職員の力を結集し、新生「二松學舍」をめざす。

校 長: 橋本 喜一
住 所: 〒102-0074 東京都千代田区九段南2-1-32
電 話: 03-3261-9288
交 通: 地下鉄(東西線・半蔵門線・新宿線)「九段下」駅より徒歩6分、JR・地下鉄「市ヶ谷」駅または「飯田橋」駅より徒歩15分
学生数: 737名 (2006.7.1現在)
ホームページ: http://www.nishogakusha-highschool.ac.jp

 

 二松學舍大学附属高等学校の前身は、1877年に漢学者の三島中洲によって設立された漢学塾・二松學舍である。三島中洲は、当時の欧化偏向の風潮を憂え、東洋の文化を学ぶことが日本本来の姿を知ることであると主張。「温故知新」の精神と「知行合一」の実践を理念とする二松學舍を設立した。

 夏目漱石は1881年、15歳の時に二松學舍で漢文学を学んだ。ここでの学びが、後の彼の文学活動に大きな影響を与えたといわれている。

生徒満足度No.1へ

 「よき伝統を生かしながら、新生をめざします」。

 こう語るのは、今年度校長に就任した橋本喜一先生。これまで都立高校3校で、合わせて10年間にわたり、校長を務めた。その経験を生かし、新しい学校づくりを進めて行く。
  同校はその具体的な方向性を「4つの変革」として明文化した。

 まず第1に、「生徒の満足度No.1」をめざす。

 生徒が学校に求めているものは、授業や進路指導・クラブ活動・施設設備など、広く学校生活全体に及ぶ。そのなかで、橋本校長は「生徒を育てるのは授業」と、授業の質を最も重視する。

 「授業研究に力を入れ、研修を通じて教員同士が切磋琢磨しながら、わかりやすい授業を展開していきます」。

 さらに、生徒一人ひとりの個性を伸ばす進路指導にも力を入れる。
  「夢のない生徒には夢を持たせ、希望に満ちた高校生活を送れるようサポートします」と語る。

 一方、施設面では高大連携で生徒の満足度を高めている。同校と道路をはさんで向かいにある二松學舍大学の施設を利用できるからだ。

 昨年竣工した大学新校舍は、16万冊の蔵書を所蔵する図書館や広々とした体育館・食堂などを備える。生徒は食堂で食事をしたり、授業やクラブ活動で体育館を使用している。特に人気を集めているのが、最上階の13階にあるラウンジだ。緑豊かな千鳥が淵や北の丸公園を一望のもとに見下ろせる。

 「大学構内を高校生が自由に行き交うので、毎日がオープンキャンパスのようです」。
  大学の施設を利用することで、早い段階から大学の雰囲気を感じ取れるというメリットもある。

 授業においても高大連携が行われている。同校では選択授業として、大学の先生が出張講義する中国語や韓国語の講座を開設。韓国語の授業では語学だけでなく、韓国料理をつくったり、伝統的な遊びを習ったりと、韓国文化も学ぶことができる。民族衣装のチマチョゴリを着る機会もあり、女子生徒に人気が高い。

週6日制でゆとりある授業

 変革の第2は「生徒の希望を生かす進学をサポート」。

 同校の生徒の約9割が大学・短大進学を希望している。二松學舍大学へ内部進学も可能だが、他大学を志望する生徒も多い。2年進級時に、進路目標に応じて理系・文系に分かれる。その中で難関大学をめざす生徒は、「特設クラス」を構成する。

 毎年5月には、約80校の大学・短大を招いて進学相談会を開催。進路選択をサポートしている。

 さらに今年度からは、進路指導に実績のある先生方を中心に進路指導を一層充実させていく。

 第3の変革は「英語力の強化」。創立の精神を引き継ぐ同校では、国語と漢文の教育に重きを置く。しかし同時に、共通語としての英語を身につけさせ、世界という広い視野からアジアをとらえさせたいとも考えている。そのため、ネイティヴスピーカーによる英会話の授業に力を入れる。さらに、英検の全員受験と準二級以上の合格をめざす。

 10年以上前から実施している英語合宿も引き続き行う。英語合宿は3年生を対象に、夏休み前の7月中旬に実施。希望者が参加し、朝から夜まで、英語漬けの3泊4日を過ごす。ときには夜を徹して授業が続くこともあるという。

 生徒からは「達成感を味わえて、受験勉強に弾みがつく」と好評だ。

 そして、第4の変革が「週6日制の導入」である。
  現在は週5日制を実施。1時限45分授業で、平日に7時限目まで設定し、授業時間数を確保している。これを来年度から週6日制に変更。1時限を50分授業とし、平日は6時限、土曜日は4時限まで授業を行う。週6日制への変更は、授業にゆとりをもたせることが狙いだ。

 そのうえ「平日の放課後にゆとりが生まれますので、補習・補講やクラブ活動に有効活用できます」。

 教員研修や授業研究に当てる時間も確保できる。

 橋本校長は「授業時間数を増やさず、内容の質的向上により、成果を上げます」と自信を見せる。

論語に学ぶ

 変革に力を注ぐだけでなく、同校のよき伝統も継承していく。

 そのひとつが、半世紀近くも前から続く「論語」の授業だ。週に1時間、「特設授業」として行われている。使用するテキストは同校のオリジナル。人と人との交わりや仁愛の精神など、現代にも通じる章句をピックアップしている。

 授業は、まず書き下し文を暗誦し、その後に生徒が白文に返り点や句読点・送り仮名をつけていく。最初はとまどう生徒たちも慣れてくると楽しそうに取り組むという。

 保護者からも「高校生になってから、お弁当のお礼を親に言うようになった」などの声も寄せられている。

 ちなみに論語を大きな声で暗誦し、クラスの皆をリードするのは、運動部の生徒たち。なかでも野球部員が目立つという。同校の野球部は甲子園に過去4回出場した名門チーム。部活に取り組む姿勢が授業態度に表れているともいえる。

 橋本校長は、めざす学校のイメージを「校内を緑の風が吹き抜け、生徒たちの楽しい会話がはずむ」と描く。そして、その雰囲気のなかで「社会の一隅を照らすような人間性、自分の生き様の価値観を持った人材を育てたい」と抱負を語る。

 橋本校長のもと、二松學舍大学附属高等学校は、伝統をベースに新生への道を歩み始めている。

 
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