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中学・高校受験:学びネット

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獨協中学・高等学校

 
  人間教育を基盤に生徒の可能性を拓く
獨協中学・高等学校は、高校からの募集を行わない完全中高一貫制の男子校である。英語は「プログレス21」、数学はオリジナルテキストを使用するなど、独自の教育プログラムを構築。リベラルな校風をベースに、生徒一人ひとりの可能性を拓く教育を展開している。その成果は、大学進学実績の向上としても表れ始めている。

校 長: 永井 伸一
住 所: 〒112-0014 東京都文京区関口3丁目8番1号
電 話: 03-3943-3651
交 通: 東京メトロ有楽町線「護国寺」駅より徒歩8分、「江戸川橋」駅より徒歩約8分
学生数: 中学校  599名
高等学校 555名 (2006.7.1現在)
ホームページ: http://www.dokkyo.ed.jp

 

 5月25、26の両日、獨協中学・高等学校は塾対象学校説明会を開催。同校独自の教育内容を紹介するとともに、2007年度入試の募集要項を発表した。

体系的な学力形成

 説明会冒頭で挨拶した永井伸一校長は「今年度から中学教頭と高校教頭の教頭2人体制をとり、これまで以上に学力向上に力を入れる。そのために中学1・2年で学習習慣と忍耐力をつけさせたい」と語った。
  続いて、笠井淳三中学校教頭・入試室長が「獨協の教育」を次のように紹介した。

 本校では生徒の成長過程に合わせ、6年間を2年ずつの3ブロックに区切り、各段階に応じた教育指導を行っている。
  中学1・2年の第1ブロックでは、実体験を重視。小学校時代にさまざまな体験をせずに過ごした子どもたちに、学習・行事の両方で、できるだけ多くのことを体験させる。第2ブロックでは、第1ブロックで形成された学力と生活行動を論理的に飛躍させ、抽象的な思考ができるようにする。第3ブロックは、大学受験をいかに突破するかに重点を置く。

 各教科の学習もこの考え方に従って、進められる。

 中学の数学は、理解しやすいように幾何と代数に分け、それぞれ独自に作成したテキストを使用。学ぶ順番も組み替えている。

 例えば中1の幾何では、平面図形より以前に立体図形を学ぶ。日常生活で目にするのは平面ではなく立体であるため、立体から入った方が理解しやすいからだ。

 授業では、実際に紙とハサミを使って立方体や円錐をつくる。その後で立体を展開し、立体は平面から成り立っているという概念に結びつけていく。

 英語は2004年から「プログレス21」を導入。「Book1」から「Book3」までを中学1年から高校1年の4年間をかけて学習する。プログレスの高度な内容を十分に消化できるよう、本校オリジナルの英文法のテキストも併用。また、単元の新出単語をすべて覚えさせるのではなく、検定教科書で使用されているものとプログレス独自のものに分類したワークシートを作成。生徒の学力に応じて、基礎から発展へ学べるよう工夫している。

 本校は1クラス40人編成を基本としているが、教科や学年により、分割・習熟度別授業を数多く実施している。また近年は、補習・講習の数も増やし、学力向上を図ってきた。その結果、今春は国公立大学に約20名、早慶上智には約30名が合格した。

人間教育と確かな学力

 笠井教頭は続けて行事や総合学習など、同校ならではの取り組みを紹介した。

 人を育てるという観点から、本校では行事を重視。手間をかけて指導している。
例えば、中学1年の臨海学校と中学2年の林間学校は1クラスずつ順番に実施し、10名前後の先生方がスタッフとして面倒を見る。これはクラスづくりを大事にしているからだ。全クラス一斉に実施するよりも、子ども同士、また先生方とも新たな関係を築くことができると確信する。

 笠井教頭は「クラスで人間関係をつくり上げていく様子は、見ていて楽しい」と言いつつ、獨協の伝統の一つ、研究論文の説明に移った。
総合学習では、中学3年の「研究論文」が特徴的だ。23年前から続く獨協の伝統でもある。

 生徒は1年間かけて自分の選んだテーマについて研究し、原稿用紙30〜100枚の論文を完成させる。といっても、中学3年段階では決して容易なことではない。そこで、先生方全員が顧問という形で指導に当たる。それぞれ3ないし4人の生徒を担当し、論文作成をサポートする。

 この研究論文は生徒にとって、自分発見の機会でもある。自分がどのような知的好奇心を持っているかに気づき、やがて将来の進路へと結びついていく。

 最後に笠井教頭は「人間教育をベースに確実な学力を養い、将来を切り開いて行く力を付けさせたい」と締めくくった。

 この後、渡辺和雄高校教頭より今春の入試結果報告、続いて、来年度入試の募集要項が発表された。

 入試日は今年度と同様、1回目は2月1日、2回目は2月5日。選抜方法や採点基準にも変更はない。また募集定員も変わらず、1回目約140人、2回目約60人である。

 1回目に比較して2回目は受験生の学力レベルが全体的にアップするうえ、競争率も5倍近くまで高くなるため、同校志望者には1回目受験を勧めている。

 生徒・保護者対象の学校説明会の第1回目は9月16日(土)、同校の小講堂にて開催。会場の都合上、予約が必要となっている。

細やかに手をかけ自立心を育てる

 永井校長は6年前に同校に就任以来、毎朝登校してくる生徒を校門で迎えている。「おはよう」と声をかけ、生徒の顔色から心身の状態を気遣う。

 人間教育に力を注ぐため、獨協医科大学から同校校長に就任した、そのモットーは「当たり前のことがアタリマエにできる」。

「礼儀作法から始まり、勉強するときは徹底してやる。自分の人生を自分で勝ち取っていくために、忍耐力と根性をつけたい」と語る。

 前任の獨協医科大学で27年間教鞭をとり、神経ネットワークや行動学を研究。生徒たちには「前頭葉を使え」と説く。好き嫌いといった原始的な感情をコントロールし、自分の可能性を最大限に追求してもらいたいと願う。

 笠井教頭は「獨協のリベラルな校風とユニークな教育という良さを残しながら、どのように勉強を身につけさせるかが、近年の課題でした」と話す。

 そのために、さまざまな工夫がなされ、また補習講習も数多く用意された。

 今年度からは学習習慣の確立を早め、さらなる学力向上を図る。それは先生方がこれまで以上に一人ひとりの生徒に細やかに手をかけ、自立心を養うことでもある。リベラルな校風のもと、生徒たちは「自由気まま」ではなく、「責任ある自由」の意味を知ることになる。

 
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