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中学・高校受験:学びネット

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帝京中学校・帝京高等学校

 
  新校長就任で さらに新たな改革期へ
生徒と保護者のニーズに耳を傾け、5年をかけ改革を断行してきた帝京中学校、帝京高等学校は4月に就任した新校長のもと、新たな改革期へ移行し始める。改革初期に求められたトップダウン方式から、教職員の発想と提案を促すボトムアップ方式への転換で、“常に改革意識を持った帝京”へ。その歩みに期待が寄せられる。

校 長: 金野 眞行
住 所: 〒173-8555 東京都板橋区稲荷台27-1
電 話: 03-3963-6383(中学)
03-3963-4711(高校)
交 通: JR埼京線「十条」駅下車徒歩12分・都営三田線「板橋本町」下車徒歩10分
学生数: 中学校  316名
高等学校 815名 (2006.6.1現在)
ホームページ: http://www.teikyo.ed.jp

 

5年で固めた初期改革

4月1日より校長に就任したのは、前年度まで教頭を務めていた金野眞行氏。この5年間、前校長と二人三脚で学校改革を断行し、帝京の教育を40年間支え続けてきた生え抜きの人である。

どの教育現場においても、改革には“抵抗”がつきものといわれる。ただし、改革が成功を収めるとき、“抵抗”は組織内で融和され、新たな目標に向け、統制の取れた力となる。同校もまさにその時期を迎えようとしている。

金野校長が教頭時代に推進した改革のコンセプトは、一にも二にも「生徒と保護者、社会のニーズに応える」というもの。だが、言うは易し、行なうは難しである。具体的に何をどう行っていくかで、学校の前途が左右される。

5年前、最初に着手したのは「既得権の見直し」であった。それまで部活動を担当しない教員は夏期、冬期、及び春期休暇に生徒同様、休暇をとることが多かったが、これを見直した。夏期休暇の前半10日間と後半10日間は、先取り学習を進めたい生徒のための夏期講習や、学習が遅れがちな生徒の補習授業を中、高校の両方で実施することとした。

第二の改革は、授業に対する生徒による評価制度を取り入れたことであった。実施の前年に発表し、授業改善のための猶予を持たせたつもりだったが、教職員からは相当の抵抗があったという。初年度は前校長と金野氏が2人で評価項目を決め、実施したが、次回からは専門家の意見を取り入れながら、より客観的な評価が行えるよう改善を加えてきた。丹念に拾い上げられた生徒の声は、最終的に校長から教職員一人ひとりに返され、必要がある場合は改善を求めた。

二回目の授業評価は連続して行わず、翌々年に実施したが、その間、「今年はなぜ評価制度を実施しないのか」と逆に教職員側から問われたという。当初、抵抗を示した教員も自らを正当に評価されるなら、むしろ制度は望むところで、生徒の声に真摯に耳を傾けたい思いが根ざした結果と、金野校長は受け止めている。改革の成功は現場の変化として見えてきつつあった。

次に断行したのは、教員向け学力テストであった。各担当教科に絞って実施したものの、抵抗は最後まで避けられなかった。金野校長は「教員は常日頃、生徒に対し『なぜ、こんな間違いをするのか』といったことを言いますが、試験を受ける側の生徒の気持ちを、昔にかえって思い出す必要があると思うのです」と教員向け学力テストの必要性を説く。逆の立場からの発想である。

試験は厳密さを期すため、帝京大学内の会場において大学職員の試験監督のもとに実施。100名以上の中、高校の教員全員が受験した。「緊張で、最初の15分くらいは頭の中が真っ白になった」と率直に気持ちを打ち明ける教員もいたという。「生徒の立場に立つ」とはどういうことかを、一連の改革によって再確認した教員たちが帝京にはいる。

改革意識の醸成へ

トップダウン方式で断行してきた改革第一期であったが、今後は現場の教員が着想し、提案する気運を創り上げ、徐々にボトムアップ方式への転換を図る。「これまで、毎年のように新しいことを導入してきましたので、教員の側は消化することに全力を上げ、自ら発想し、提案する余裕がなかったと思われます」と金野校長。しかし、強力な改革初期段階があったからこそ「生徒と保護者、社会のニーズに応える」という土台はでき上がった。この上はそれぞれの教員が常に問題を見つけ、改善法を模索しようとする意識の醸成へと、改革第二期が始まろうとしている。

また、これまで築き上げた制度の実効性を高めることも併せて行っていく。

評価制度では対象を生徒から保護者に拡大し、詳細な声を拾い上げ“こたえていく、帝京”をさらに実践する考えだ。

実際、これまでも保護者の声は日々の教育活動に取り入れられてきた。同中学校ではこれまでロンドンへの海外研修を実施してきたが、昨年のロンドン市内で起きたテロ事件により、学校も保護者も緊急かつ重い決断を迫られたときのことである。英会話、英国文化など事前研修を積んできた生徒たちが家庭で見せる落胆振りは大きかった。「実施すべき」「中止すべき」と意見が分かれる中、出発日が目前に迫っていた。結局、中止を決めたものの、生徒たちの学ぶ意欲が摘み取られる事態は学校としても、保護者にとっても本意ではなかった。そこで両者の話し合いの末、卒業式後にカナダでのホームステイ研修か、京都・奈良での国内研修というプランを提示、希望に応じ実施した。

一般に、このようなケースでは保護者のニーズはひとつに集約されているわけではない。意見も要望もさまざまだ。学校が最終判断するまでには、その調整能力が強く求められる。ロンドン研修をめぐる一連の対処で、同校が機動力を発揮できたのは、保護者の声に丹念に耳を傾けてきたからではないだろうか。

充実した設備とコース制

都営三田線「板橋本町」から約10分。住宅街を抜けると、2年前に完成したばかりの開放感に満ちたキャンパスが現れる。グラウンドの広大さが体育系部活動における可能性を感じさせる。体育館、トレーニングルーム、柔道場、男女シャワー室が完備され、全国的に活躍が知られた高校の野球部、サッカー部をはじめとして、各運動部のめざましい活躍を支えている。

加えて図書室、音楽室や理科実験室などの特別教室、ITルームなどは最先端技術と十分なスペースが確保されている。

カリキュラム上のサポート体制として、中学からの入学者は6年間の一貫教育により先取り学習を行い、高校進学時に「文理」「理数」「インターナショナル」のいずれかのコースを選択する。「文理」では主要5教科の基礎から応用力までを養い、国公立・難関私大への現役合格を目指す。「理数」は医歯薬系への進学を目指すコースで、実験、観察で化学的理論や探求力を養うことに重点を置き、医療現場での体験学習も実施する。「インターナショナル」ではネイティブスピーカーによる少人数制授業を通じ、英語力、国際人としての幅広い視野、教養を養う。語学系、国際系大学への進学を目指すが、留学制度も充実している。

高校からの入学者は以上の3コースに加え、「文系」コースを選択することができる。学習と部活動を両立させたい生徒のためのコースで、文系、体育系大学への進学を目標としたカリキュラムとなっている。コンピューター実習や栄養学といったスキル養成にも力を入れている。

 
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