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中学・高校受験:学びネット

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啓光学園中学校・高等学校

 
  改革2期生、進学実績で結果出す
最後まで粘れる気質を育む指導
2005年入試で国公立へ30名、関関同立へ85名の合格者を出した啓光学園が10月13日、学習塾対象学校説明会を開催した。改革着手から4年、実績に結びつけた取り組みの数々が紹介された。生徒自らが参加者の前で近況報告を行い、校内の案内役も努めるなど、自由闊達で礼儀正しい生徒の姿が見える説明会となった。

校 長: 夏見 隆晴
住 所: 〒573-1197 枚方市禁野本町1-13-21
電 話: 072-848-0521
交 通: 京阪「枚方市」駅北口からバス5分、「市民病院前(啓光学園前)」下車
     京阪「宮之阪」駅から徒歩7分
学生数: 中学校  92名
高等学校 640名 (2005.11.1現在)
ホームページ: http://www.keikogakuen.ed.jp

 

自分自身を肯定し、
他者と協調する人間力

 啓光学園は世界57カ国に広がる聖クラレチアン宣教会を母体とするカトリックのミッションスクールで、人間教育に基盤にすえた男子の中高一貫校である。
生徒一人ひとりの夢を実現するために、進路指導には特段の力を注いでいるが、夏見隆晴校長は「中・高校時代を振返ってみた時、それ自体が楽しかったと思えることが人生の財産」と、受験一辺倒ではない学園生活を提供したい考えだ。

 その方針は日々の教育実践として生かされている。同校中学部の武内広一主任は、一般に中学校では生徒100人に占める不登校生の割合は3.65人とされる中、同中学校に在籍する92人の生徒のうち、不登校生はひとりとしていないことを紹介。生徒一人ひとりの居場所づくりに努め、「自己肯定」の環境を築きあげている点を強調する。

 具体的な取り組みとして、異年齢間交流を目的とした郊外学習や、社会の一員としての自覚を芽生えさせる職業体験学習、さらには体育祭での「啓中ソーラン」をあげる。「啓中ソーラン」は1〜3年による合同プログラムで、全員で踊りを創り上げるプロセスを重視。ソーラン専門のプロ集団の演技を3年生が鑑賞、その迫力ある演技に対する感動をもとに、自分たちのソーランを、異学年を巻き込みながら創り上げる体育祭での名物団技である。練習は毎日7時間の授業終了後、クラブ活動とも時間的な折り合いをつけながら行われるため、集中力をアップさせ、他者と協調することを学んでいく。こうした行事やクラブ活動での体験が、後に人生の財産となることは間違いないだろう。

 中学校での取り組みを引継ぎながら、高等学校では社会貢献度の高い人材づくりを目標に、進路選択を意識させる取り組み“ドリカムプラン”が実践されている。高3学年主任の山田長正教諭は、高1入学時に「10年後、20年後の自分」と題した作文を書かせることにより、早い段階で将来の進路を具体的に考える動機付けを行うという。ほかにも大学のオープンキャンパスへの参加や、将来を見つめるための調べ学習など、進路を常に意識させることで生徒のモチベーションアップを図る。これらが「見えない学力」となって後に受験に大きく作用するわけだ。

 一方、「見える学力の育成」のための取り組みは、週6日制授業に加え、そのうち4日間は8時間授業を実施。各学期間の補習授業、予備校との提携講座、勉強合宿と盛りだくさんだ。夢を実現させるための総合的サポート体制により、2005年度入試において国公立大への合格者が30名(卒業生183名)と、前年の1.8倍に増えた。関関同立への合格者数も85名(重複合格含む)で、前年の1.6倍の伸びを示した。

入試直前まであきらめさせない
指導が結果出す

 大学合格実績の上昇要因に生徒との「面談重視」が挙げられる。一般に、受験が迫るにつれ生徒は志望校ランクをずるずると下げ、ついには推薦入試に逃げようとする心理に陥ってしまいがちだ。早く楽になりたいと思えば、その時点から相対学力は下がり続ける。そこで同校では最後まであきらめさせずに励まし続ける面談を重要視してきた。いかに生徒に粘らせるかである。
そのため進路指導部長を務める森田崇弘教諭は「それまで2学期に行ってきた『推薦入試学習会』を昨年度より取りやめ、センター試験の受験者を増やすようにした」という。それにより、今年度の高3生249人のうち82.7%に当たる206人がセンター試験の出願をすでに決めている。2年前の77.4%の出願率に比べ5ポイント以上の上昇率だ。
最後まであきらめさせない指導により、2005年入試では11月の時点で産近甲龍クラスの推薦入試に不合格の生徒が、関関同立の一般入試で合格を果たすという結果を出している。「高1の7月時点で偏差値が40台の生徒にも関大を狙っていくよう励ます」と森田教諭。学力が平均以下の生徒を丹念に育て上げる覚悟が見て取れる。
実績に奢ることなく今後も常に研鑽を積み授業の質を高め、「国公立の現役合格を30名以上」と宣言する同校に、学校改革の終わりはなさそうだ。

 

教師の姿が見えた
生徒の近況報告

 説明会の終わりに在校生による近況報告が行われた。その中で中学3年生の中村公さんは、生徒同士が和気あいあいと普段の生活を楽しめ、授業も分かりやすい点を学園生活で最も気に入っていると報告した。郊外学習の場となった比良山での異学年交流や、剣道部の活動を通じて先輩や後輩とうちとけて学園生活を送っている様子を伝えた。

 高校1年生の川崎達也さんは担任の面談回数が多い点を評価した。入学からわずか半年だが、生活面、成績面、これからどういう勉強をしていけばよいかなど、なんでもアドバイスをくれると報告。その中で、担任から夏休みに開催された日本科学技術振興財団主催の“サイエンスキャンプ”への参加を勧められたという。横須賀で開かれたキャンプには全国から高校生が集い、その一人ひとりが持つハイレベルな意識に川崎さんは影響を受けたという。キャンプをきっかけに、将来は地震や津波の研究者になるという目標を持つようになった。今後は防災研究所を有する京大工学部に進学したいと抱負を語った。

 高校2年生の吉田裕哉さんは塾の先生から「国公立の進学実績が上がっている」と聞き、啓光学園を公立高校との併願で受験した。入試時の成績が特待生の条件を満たしたことから、その後の公立受験を取りやめた。入学後は週4回の8時間授業や土曜日も授業がある点、さらに就職や大学のガイダンス、予備校の先生による大学入試システムの勉強会の開催など、公立高校では望めない同校の取り組みを評価した。飛行機に興味があり、将来は名古屋大学工学部を目指して勉強中である。

 説明会終了後、参加者はグループごとに生徒に案内され校内を見学して回った。本誌記者を案内してくれたのは高校2年生の米田晴紀さんと、説明会で「近況報告」を行った同2年生の吉田裕哉さん。ほかの塾長諸氏を前に少し緊張した面持ちだったが、各施設を案内し丁寧に説明する姿は、すがすがしい好青年の印象を与えた。グランドで練習中の各クラブ部員も、参加者に大声であいさつを投げかけてくる。それがごく自然に、さわやかに行われることに日常の学園生活を想像することができた。

 
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