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中学・高校受験:学びネット

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京都西山高等学校

 
  特待制度で国公立、難関私大へ
充実した実習保障の保育士養成のカリキュラム
進学コースに3タイプの特待制度を設け、少人数制で徹底した受験指導を行う果敢な改革が実を結び、今年、進学コースの卒業生10名のうち、3名の国公立大現役合格を出した。来年度は同コースを2クラスに増やし、さらに合格実績の上積みを図る。総合コースに保育士養成を充実させるべく、系列幼稚園での充実した保育実習を保障するなど、私学女子校の強みをフルに生かした取り組みが注目される。

校 長: 若山 楠忠
住 所: 〒617-0002 京都府向日市寺戸町西野辺25
電 話: 075-934-2480
交 通: JR「向日町」駅から徒歩12分 阪急「東向日」駅から徒歩5分
学生数: 555名 (2005.9.1現在)
ホームページ: http://www.kyotonishiyama.ed.jp

 

授業料全額免除から半額免除まで
3タイプの特待制度

 京都西山高等学校は7月4日、2005年度学習塾対象「入学生報告会」を開催した。例年の募集人員350名を大きく割り込む入学者数となった同校が、生き残りを賭けて果敢に学校改革に取り組む姿勢に、集まった約60名の参加者が聞き入った。
  報告会で注目を集めたのは「進学コース」の実績である。昨年度、同コースの卒業生は10名。その中から神戸市外大・外国語学部に1名、滋賀大・経済学部に1名、奈良県立大・地域創造学部に1名の合格を出したことだ。他に立命館大・文学部に1名、関西大・総合情報学部、法学部にそれぞれ1名と、国公立・関関同立に半分の5人が合格している(他私立大に延べ8名合格)。全員、特待制度で同校へ入学してきた生徒たちだが、中学時代の成績は“群を抜く”というほどではない。通知表でいえばオール4くらいの成績だったという。
  だが、「進学コースの伸びは入学後、急速に現れる」と力説するのは進学コース担任で英語科担当の佐野顕治教諭。現在の2年生が入学直後の5月に全国統一模試を受けた際、英語の校内偏差値は48.0だったが、同年8月の模試では55.0にまで伸び、1年後の5月には57.3に達している。この数字は京都および、その周辺地域で上位ランクに入るものだ。英語は特に女子が強い教科で、この点を十分に生かした大学の選定を行い、教員は各大学の詳細な入試傾向を徹底研究し、的を射た受験指導を行っていることが、実績へ表れたようだ。
進学コース対象特待制度は次の3通り。

▽A特待▽入学金、授業料、施設設備費、教育費が全額免除。ただし修学旅行などの積み立て月額9000円程度は必要▽対象者は5教科の10段階評価で35点以上。5段階評価で20点以上。偏差値58以上(大阪進研)

▽B特待▽入学金、授業料、施設設備費が免除。教育費のみ月額1万円と積立金が必要▽対象者は5教科10段階評価で33以上。5段階評価で18以上。偏差値55以上(同)
C特待▽入学金8万円、授業料24万円(本来は48万円)、施設費9万円、教育費6万円(本来は12万円)と積立金が必要▽対象者は5教科10段階評価で30以上。5段階評価で16以上。偏差値51以上(同)となっている。なお、併願受験でもいずれの特待制度も利用可能。

2005年4月には26名の特待生を迎えて進学コースがスタートしたが、来年度からは同コースを2クラス、50名程度に増やしたいとしている。

私立女子校の強みを生かした
総合コース

 この日の報告会でのもうひとつの注目点は「総合コース」の保育士養成カリキュラムだ。最近では男女を問わず保育士を目指す傾向が強まっているが、同校では女子校であること、系列幼稚園で保育実習を十分に確保できる点を生かした指導を強調する。
  併設校の京都西山短期大学、向陽幼稚園は保育士免許、幼稚園教諭免許の取得に打ってつけの役割を果たす。保育士養成過程がある西山短期大学への優先合格に加え、高校時から向陽幼稚園での保育実習は資格取得へ有利に働く。向陽幼稚園は360名の園児を抱える京都で最大級の規模の幼稚園で、同校の1学年が一斉に保育体験授業を実施できる。また、夏休みにも希望者を募り保育ボランティアを実施しているが、これらが高いレベルの保育士養成につながっている。
  さらに幼児教育に欠かせないピアノレッスンも同校では、1人1台のピアノを確保して個人のレベルに応じた指導を行うとともに、3年生の家庭科の授業では保育理論はもちろん、「絵本作り」や「幼児のための安全なおもちゃ作り」など実技授業を通して保育士を目指すカリキュラムが盛りだくさんである。生徒募集部の辻本剛久教諭は「これら私立女子校である強みをすべて生かした進路指導を行いたい」と保育士養成に意欲を燃やす。
説明会では2002年度総合コースを卒業し、現在は幼稚園教諭となった卒業生の向陽幼稚園でのボランテイィア実習のエピソードを交え、その成功談を披露した。
  なお、同校では保育士を目指す中学生に向陽幼稚園の見学を積極的に勧めている。

教育の原点を見つめる
通信単位制課程

 「何らかの理由で、学校で学ぶことに挫折した生徒が再び立ち直って学び直しています」と語るのは通信単位制課程(共学)の須原邦彦教頭。現在、21名の生徒が在籍する通信単位制で、2名が中学校新卒での入学3年次からの転入、19名が高等学校を経験した後の編入学組だ。3年間で25科目の履修を行い、週2回のスクーリング(通学)が必要だが、現在は、1科目の授業で2〜3人の生徒が顔を合わす程度だ。そんな中、生徒と教員のFace to Faceの理想的な教育が行われている。須原教頭はスクーリングで「あ、分かった・・・先生分かった!」とうれしそうな生徒を見ると教育の原点を見直す思いだと語る。多様な生徒の個に応じた教育が広く門戸を開いているのが伝わってくる。
  各科目ごとに定めた必要出席日数、「スクーリング出席」はすべての教科で土曜、日曜に開校されているため、自宅学習での疑問解決に効率的な対応が可能だ。スキー実習や国内外の研修制度も設けられており、これらを通して生徒間の交流も深まっていく。「生徒たちが近く桂川でバーベキュー大会を計画しているようです」と交流の一端を紹介する須原教頭。
  入学試験は中学3年生を対象に2月15日に1次を、3月28日に2次試験が行われる。受験科目は国語、数学、英語。ただし、試験は合否判定のためではなく、生徒の実力を見るためのもの。なお、編入、転入は随時受け付けている。

 説明会参加者の一人「三浦塾」の塾長・三浦滋さんは、同校と20年来の付き合いであることを前置きしたうえで、「大学受験に関する改革を始めたのは2〜3年前からですが、ここの教員は各大学が必要とする学力を詳細に分析して受験指導を行っていますよ」と語る。さらに「一昨年は早稲田へも合格者を出していますが、国公立へコンスタントに合格者を出すことが塾側からの一定の目安になる」と付け加えた。
  京都西山高等学校の学校改革はまだ始まったばかりだが、その勢いは強く、すでに結果を出し始めた。今後もより大きな課題を受けとめ改革は続く。

 
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