サイト内検索:
 
中学・高校受験:学びネット

 学びネットは、中学、高校受験のための情報ページです。学校紹介や塾経営にお役立て下さい。

今月号の紹介 学校散策 塾長のためのマンスリースケジュール 購読案内 会社案内
学校散策 ・関西校・ 関西一覧
   

清教学園中学校・高等学校

 
  現役で149人が国公立大へ部活と両立の生徒も
2005年度、清教学園高等学校の国公立大合格者は187人(過年度卒業生38人を含む)。あらためて“進学に強い清教”を見せつけた。注目すべきは、国公立大の現役合格者にクラブ活動と両立しながらの生徒が珍しくない点だ。自己管理能力を徹底して身につけさせる清教の教育方針が、生徒に限られた時間を最大限有意義に使わせる。生徒はそこから日常の行動のひとつひとつに意味を見出すのかもしれない。

校 長: 安達 英行
住 所: 〒586-8585 大阪府河内長野市末広町623番地
電 話: 0721-62-6828
交 通: 南海高野線、近鉄長野線「河内長野」駅から徒歩10分
学生数: 中学校  653名
高等学校 1,308名 (2005.9.1現在)
ホームページ: http://www.seikyo.ed.jp

 

  最寄り駅近くから学園へと通じる“しらかしの径”は木々の緑が深く自然をそのままに生かした自然観察に格好の小径である。普段は専用通学路として利用されており、取材の日も行きかう生徒たちがさわやかに挨拶を交わしてくれた。
“しらかしの径”を登ってふと目を上げると、そこには生徒たちが学年ごとの合同礼拝を守るチャペルがある。神ある教育は愛ある知恵に人を導く」という考え方のもと、毎日の礼拝や宗教行事を通してキリスト教主義にもとづく教育を実践している。

受験生全員が専願の
中学校、2日間入試で選抜

中学校の入試では近年、専願志願者のみで定員を上回っている。2005年度入試でも全受験者343名が専願で、そのうち213名を選抜した。中学校の畑野昇三教頭は専願志願者が圧倒的に多いことについて「私たちの教育方針に対する保護者の方の賛同と受け止めております。もっと受け入れたい気持ちはありますが、学則定員が決められており残念です」と語る。

 清教学園では中学入試に「2日間入試」という選抜方法を導入している。小学6年生の発達段階における思考力、資質、可能性を見極める狙いで、1日目は4教科の基本的な学力を検査し、2日目は国語と算数のみ再度試験を行い、面接が実施される。2日目の国語では記述力、表現力、思考力を問い、算数では文章読解力や論理の組み立てなどを問う試験内容となっている。

 中学校入学後は「理系準備コース」と「文系準備コース」に分かれクラス編成が行われる。コースは高校2年進級時まで変更が可能で、進級ごとに毎年若干名のコース変更者が出ている。前期・中期の4年間で自分自身の適性を見つけ、はっきりとした理系、文系の進学目標を定められるよう指導が行われる。

 一方、高等学校の入試は2005年度、普通科理系コースと英語科文系コースを合わせた受験者数は697名(うち専願者数153名)で、まわし合格を含めた合格者は669名(うち専願者134名)だった。併願受験者は544名で535名が合格、53名が入学した。

 高校からの3年コースでは高校2年次まで理系、文系のカリキュラムに違いはないが、3年から国公立型と私立型に分かれたクラス編成を行う。入学時点での生徒の偏差値は68前後と高いが、週35時間の授業時間数は格段に多いというわけではない。高校1年次で約80%の生徒が何らかのクラブに所属し活動を行っている。文武にバランスの取れた清教の教育が実践されている。平井一裕高校教頭は「勉学以外にも幅広く興味を示す生徒が入学してきます。部活をしながら学力レベルを上げるには自主学習がしっかりできるかどうかです」と語る。

インターハイ出場選手
京大へ現役合格の秘訣

 進学実績が高い学校として知られた清教学園だが、クラブ活動の成績も注目に値する。体育系クラブではなぎなた部(国体連続出場)、陸上部(近畿大会、インターハイ出場)野球部(府大会ベスト8)をはじめ各大会での優勝、入賞を果たす部が多い。文科系クラブも吹奏楽部(府コンクール銀賞)、書道部(全国書初め展優勝)、合唱部(MBS全国大会2位)など優秀な成績を上げている。

 部活と勉学の両立は強い意志と、日常的な努力の積み重ねが必要だ。それを見事に両立させ、目標とする大学へ進学していく清教の生徒たちにどんな秘訣があるのだろうか。畑野中学校教頭は「ひと言で言うと自己管理能力を身につけさせることです」という。
具体的には時間を自己管理させるため、6年コースの生徒には入学時より「デイリーノート」をつけさせている。ノートには各教科の月間・週間計画、課題の提出期限などを書き込むようになっており、ノートを日常的に活用することで自己管理能力を鍛えようとするもの。ノートは生徒に渡しっぱなしにはせず、毎日教員が目を通し、必要なアドバイスや指導を欠かすことはない。
部活と両立する生徒が好成績を上げている点について、畑野中学校教頭は「中学校の下校時間は午後6時と決められており、7時間目終了の4時から練習をしても実質的には1時間半ほどの練習時間しか取れません。その上、練習場のスペースも限られています。時間的にも空間的にも限られた中でいかに効率よく活動しなければならないかを、生徒たちは学び取るのです」と説明する。強い意志と集中力を養う上で、部活はまさに鍛錬の場といえる。

昨年の春、京都大学に現役合格した生徒は、高3の夏までなぎなた部でインターハイ、国体出場に向けた練習を重ねていた。その後、引退して受験勉強に集中し、京都大学の理系をただひとつだけ受験し見事合格を手にした。6年間で鍛え抜かれた自己管理能力と、部活で身につけた集中力が結果をもたらしたといえる。ほかにも体育系クラブに所属しながら京都大学や大阪大学の合格を現役で勝ち取っている。

高校の総合ゼミ 中学校の総合学習

 清教学園では「総合的な学習の時間」の取り組みとして、中学校では「考えるレポート」の作成を、高校では30講座の「総合ゼミ」の開講に力を入れている。 
「考えるレポート」作成では、各教科に共通して必要な力を養うという観点から、情報活用能力を高める学習に重点を置く。情報活用能力とは調べる力、まとめる力、伝える力をバランスよく備えている能力のこと。
中学1年次では、図書館の利用の仕方から学び始め、班別に世界各国の歴史、文化などからテーマを決め、調べ学習を行い発表する。第2段階では調べた国の人をゲストとして招き、どんな質問をして、どう展開させていくのかを練る。同様の学習を2年次では自然科学へとフィールドを変え、さらに発展的に学習を進める。3年次はそれまで培ってきた能力を発揮し、個人で小論文を完成させる。論文は6年コースの生徒にとっていわば「進級論文」とも言える位置づけ。8か月をかけ、パソコンのさまざまな機能を駆使してレポートを作成し、全校生徒の前でプレゼンテーションを行い一連の学習を完結させる。清教の「総合的な学習」は学び方を学ぶ時間と言える。「学び方を知る者は、何に出会っても、何に直面しても学んでいける。そう言う力をつけさせたいのです」と語る畑野中学校教頭の言葉に生涯、探究心を持ち続けて欲しいとの願いが込められているようだ。
高校の「総合ゼミ」は同校の教員が専門分野や得意分野を生かし開講している。「こんな映画を見よう!」「高校生の憲法論」「英語でメール交流」「国際交流&ボランティアに挑戦!」など興味をそそられる多彩な内容だ。ゼミで毎週映画を見ることを1年間実践した生徒は、多くの未知の世界に触れ、自分の感想を伝えられる喜びを実感し、また、憲法について討論した生徒は自分の意見、考えで議論する楽しさを見つけ、自らの考え方も成長したと感想を述べている。
目標とする大学への進学指導は第一優先事項だが、学び続ける楽しさに気づかせる教育を清教は今後も実践し続けるだろう。

 
  ページの先頭へ戻る
manavinet」運営 / 「塾ジャーナル」 編集・発行
株式会社ルックデータ出版
TEL: 06-4790-8630 / E-mail:info@manavinet.com
Copyright© 2004-2003 manavinet. all rights reserved.