難関突破の牽引科目を作り、弱点を克服
60余年の歴史を持つ同校は、大阪府柏原市に関西福祉科学大学、関西女子短期大学、関西医療技術専門学校といった併設校を同敷地内に有する普通科高等学校である。緑豊かなキャンパスで福祉のプロフェッショナルを目指す先輩の姿を目にしながらの高校生活は生徒にとってよい刺激となっている。進学サポート面でも総合学園としてのメリットを最大限生かした高大連携授業や福祉や保育に関する幅広い知識を身につけられる「教養講座」の開講、併設校への進学保証や優先入学制度、奨学金優遇制度も注目を集めている。また、教員とともに併設大学の学生が放課後、「学習室」で自習する生徒の質問にも応じるなど、きめ細やかな連携ぶりも見せている。
進学先は福祉関係のみならず多様化する志望校に対応すべく、2006年度より3コース制をとる。特別進学１コース（共学30名）は関関同立などの難関私立大学文系への合格を目指すコースで、3年間の総授業時間数は4995時間。公立高校の3150時間の約1.5倍を確保している。特に国語と英語は公立の2倍の授業時間数で、これら教科から難関突破の牽引役となる得意科目を作りだすねらい。1週間あたりの授業時間数は39時間で放課後に全員が受ける進学補講も準備されている。また、夏休みなどの長期休暇を利用し、年間40日間の特別授業を実施し、基礎学力から応用力の養成、さらに入試実践力までをつけていく。
3年後の具体的目標について加村忠廣教頭は「特進１コースの全員を関関同立へ合格させるという気持ちで取り組みます」とその意気込みを語る。これまでにも英語の実力を飛躍的に伸ばした例として、高校2年の時点で英語の偏差値が41.7だった生徒を3年の10月までに55.7まで14ポイント上げた実績がある。英語担当の西口友子教諭は生徒の性格、成績を十分踏まえ、時にカウンセリングも行いながら、きめ細やかな指導を行うことをモットーとしている。
特別進学２コース(共学160名)は産近甲龍、関西外大レベルの中堅私大への進学を目指すコースで、部活との両立も可能なコース。習熟度別クラス編成により理解度にあった授業を受けながら、希望により放課後の進学補講も受講可能。高校2年次より文系、理系別授業を実施する。長期休暇などを利用した年間30日間の特別授業は主要5教科の実力アップを確実なものにする。高大連携授業として併設大学で行われる講義のうち、高校生でも十分理解できる「老人福祉論」（社会福祉学科）、「ゲノムから見た生命」・「養護概説」（健康科学科）などを受講することで進路選択の動機付けを図っている。特別進学１コースへのコース変更は、高校2年進級時に学力テストの成績により許可される。
総合進学コース（女子のみ120名）では併設校をはじめ、各私立大学、短期大学、専門学校への進学と就職を目指す。福祉や保育に関する幅広い知識を身につけられるように総合学園のメリットを生かした「教養講座」を開講しており、敷地内にある関西女子短期大学附属幼稚園での保育実習も受けることができる。基礎学力の養成を中心に、希望者には放課後の進学補講も実施される。年間で30日間行われる特別授業の内容は、主要5教科の集中的進学補講や学力不振者に対する追指導など。高校2年次より進路に応じた選択科目を受講する。途中のコース変更は、高校2年進級時に学力テストによる判定を受け許可される。
なお、特別進学１コースの生徒は入学時に関西福祉科学大学への進学が保証される。特別進学２および総合進学コースでは併設校への優先入学制度があり、併設校へ入学した場合は奨学金が支給される優遇制度も設けられている。
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充実した施設とクラブ活動
学園の門をくぐれば広大な敷地に次々と姿を見せる開放的な校舎、遊歩道が整備された3200平方メートルの庭園、鮮やかな芝生とおしゃれなベンチがマッチした中庭など、学び環境としては抜群の環境といえる。
施設面でも創立50周年記念に建設された記念講堂は、1208席の観劇用座席を設けており、文化祭や式典はもちろん、演劇、狂言、古典落語等の鑑賞会にも活用されている。「この施設があるため芸術鑑賞に出かけていかなくても、学園内で生徒に“本物”を見せることができます」と入試広報部の岩本道雄参与。また、食堂は2フロアーを占める広々とした大食堂で一度に500人以上が利用できる。大学生も利用するためメニューが豊富。お気に入りをテイクアウトして芝生で昼食を取るのも自由で、こんなところにも総合学園のメリットが垣間見える。
体育施設としては全天候型のプール（25メートル6コース）やバスケットコートが2面取れる体育館、ウエイトマシーンやパーツマシーンを揃えたトレーニングルームなどが17の体育系クラブ活動を支えている。冷暖房、洗濯機を完備した合宿室や、15人が一度に入浴できる入浴場もクラブ活動の強い味方だ。岩本参与に最も活躍しているクラブを聞いたところ「実は今年度、なぎなた部がインターハイで全国ベスト８に入賞しました」と話してくれた。部員は全員高校入学後になぎなたを始めた生徒ばかり。だが、元世界チャンピオンの指導者による厳しくも楽しい指導のもと、国体へも3回出場しているという。
便利なロケーション
同校へは4つの最寄り駅からアクセスできる。そのうちのひとつ近鉄大阪線「河内国分駅」は急行停車駅で駅から12分の徒歩圏内。そこからひとつ奈良寄りの「大阪教育大前駅」からも徒歩10分。スクールバスを利用するなら近鉄南大阪線「道明寺駅」近くの柏原市水道局前からと、JR大和路線「高井田駅」駅前から学園バスが運行している。現在、大阪府、奈良県からの通学者が最も多いが、京都府、三重、和歌山、兵庫各県からの通学者もおり、近畿圏内は十分通学圏といえる。
〈入試説明会とキャンパス見学会〉
日時：9月18日（日）、11月20日（日）、12月18日（日）はいずれも10時〜12時
12月3日（土）は14時〜16時
場所：学園本館6階 視聴覚室
内容：カリキュラム、コース内容の紹介、進路状況説明、入試説明、施設見学
個別相談など
〈体験入学〉
日時：10月30日（日）、11月6日（日）いずれも10時〜12時30分
事前に予約が必要
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