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中学・高校受験:学びネット

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英真学園高等学校

 
  男女共学化から6年、ますます活気が溢れる
大阪市・十三駅から徒歩5分、都心にある英真学園高等学校は、6年前に大改革を行った。70年余り前、女子職業学校として創立され、進学のほか就職を希望する女子のためにきめ細かな教育を行ってきた。しかし、近年の男女共学志向の流れをくみ、校名を変更し、若い教員を迎え、男女共学の学校として再スタートを切った。これにより、四年制大学の進学実績は、改革後10倍に増え、年々活気に溢れる学校となっている。改革成功の秘密を伺った。

校 長: 神子 和良
住 所: 〒532-0023 大阪市淀川区十三東5丁目4番38号
電 話: 06-6303-2181(代)
交 通: 阪急電鉄十三駅下車、徒歩5分
学生数: 929名 (2005.9.1現在)
ホームページ: http://www.eishingakuen.ac.jp

 

男女共学化による相乗効果

学校改革後、英真学園高等学校は、まるで別の学校のような雰囲気だ、非常に活気がある学校になった、と地域から高い評価を得ている。それには男女比率を同じにした共学化が大きく貢献していると神子和良校長は言う。
男子がいるだけで、元気な雰囲気になったが、女子もそれまでの女子校時代の生徒とタイプが異なり、積極的な生徒が多く、学園祭や体育祭など学校行事も男子と力を合わせて行う。また男子は進学希望者が大半で、チャレンジ精神にも富むので、女子も刺激を受ける。新卒の教員を積極的に登用したため、生徒とコミュニケーションがとりやすくなり、学校全体に活気が溢れるようになった。
そして、このような注目される改革を後押ししたのは、何よりも生徒一人ひとりを見つめ、じっくりつきあうという教育方針である。大切にされる中で、中学時代には開かなかった能力が開き、イキイキと頑張る生徒が大勢生まれている。

ひとり一人の輝きを見つける教育

わたしが両手をひろげても
お空はちっともとべないが
とべる小鳥はわたしのように
じべたをはやくは走れない
わたしがからだをゆすっても
きれいな音はでないけど
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんなうたは知らないよ
すずと、小鳥と、それからわたし
みんなちがって、みんないい

これは、童謡詩人・金子みすゞの詩『私と小鳥とすずと』である。小学校の国語の教科書の中に出てくる有名な詩だ。英真学園高等学校は、「みんなちがって、みんないい」を教育方針とし、生徒一人ひとりの個性を何よりも大切に、可能性や能力を最大限に引き出す指導を行っている。
神子校長は、始業式などで、いつも次のような言葉を生徒に贈っている。「学校は、君たち一人ひとりの個性、人格、人権を大切にし、必ず君たちを守ります」。
そして、「希望の進路があるなら、必ず実現させます」ときっぱりと言う。
生徒の進路は、現在は、80%以上が進学希望である。来年度より、入学時には、進路に合わせて2つのコースに分かれる。国公立大学、難関私立大学などを志望している
生徒は「特進コース」、それ以外の生徒は、「総合コース」となる。「総合コース」は、2年次でさらに「進学」「標準」「情報」の3つのコースに分かれる。
今年度までは、入学時より特進コースのほか2つのコースを設けて、進路別に指導を行っていたが、2年次でコース変更を希望する生徒が非常に多いため、1年生の1年間でじっくり進路を考えてもらおう、とこのほど入試制度を改変した。
「入学してくる生徒の中には、進学希望であるにもかかわらず、自信がなくてあきらめていたのが、学習を進めるうちに、『私でもできるかもしれない』と進学を志すケースが少なくありません。転コースを希望する生徒が多いのは、彼らの隠れていた能力や可能性を見つけ、伸ばす指導ができているからだと自負しています」と神子校長。

 

国立大学や早稲田大学へ現役合格する生徒も

「特進コース」は、国公立・私立を問わず、文系四年制大学への現役合格を目指すコースだ。1年次は週2日、2〜3年次は週4日・7限授業で、その後1〜2限の「グレードアップセミナー」という進学演習を実施している。進学合宿や長期休暇中の講習も充実させ、教科の中には、受験指導のノウハウを持つ現役の予備校講師が担当するものもある。
「学校改革後の1期生で、早稲田大学に現役合格を果たした生徒がいますが、彼は中学時代の教師が驚いたほど大きく伸びました。少人数のコースで、非常に面倒見よく指導したから伸ばせたのだと思います」と内田準吉教頭は話す。また神子校長も、生徒の可能性について次のように語る。「どの生徒も、変わる力は持っているのです。いかにそれを我々が発見し、生徒と一緒にやっていくかです」。
今年はその早稲田大学に進学したOBも含む1期生のうち5名が、教育実習のため来校する。実習生らは在校生に良い影響を与え、さらに相乗効果が上がるに違いない。
一方、「総合コース」でもきめ細かい指導を行うという姿勢は変わらない。2年次のコース選択にあたっては、1年次の1学期から個人面談や3者面談を設け、生徒の意志と保護者の希望を尊重しながら、教員が適切なアドバイスを行う。面談は、長時間面談が常であり、時には2時間に及ぶこともある。それは生徒の学習面だけではなく、生活面、そして興味のあることや将来の夢など多くのことを知り、指導に活かすためだ。また日頃のコミュニケーションも十分とるよう心掛けているため、「担任などは、まさに保護者代わりと言えるかもしれません」と神子校長。
2年次からのコースは、四年制大学・短大の文系および理系学部への進学を目指す「進学コース」、基礎学力をつけ、四年制大学文系学部・短大・専門学校・就職と幅広い進路に対応する「標準コース」、IT関連の資格検定試験に挑戦しながら、技術を習得する「情報コース」を設定している。「情報コース」は、LAN環境に対応した130台の最新機器を備えた教室で、コンピュータグラフィックスやネットワークなど高度なスキルを身につけ、就職のみならず、情報分野の大学への進学を目指す。総合コースは、クラブ活動と両立しながら進学を目指すことができるよう、授業は6限までである。しかし特進コースと同様、希望者は、放課後のグレードアップセミナーや長期休暇中の講習会に参加し、実力を向上させることもできる。クラブ活動は、26部が活発に活動し、柔道部は近畿大会の常連、野球部は、本年度夏の大阪府大会で3回戦まで勝ち進んだ。都心にある学校のため、校内の施設だけでなく、校外の施設を利用しながら、活動を行っている。
これまでスムーズに改革を実現してきた同校の今後の目標は、国公立大学の現役合格者を増やすことであると言う。内田教頭は、「教員が一丸となって、生徒の未知の力を引き出すパワーを今後もっと、強くする必要があると考えています。それには何より意見交換が必要です。新人の教員は、若いなりの教育論があり、ベテランの教員は経験を踏まえた考えがあり、生徒は生徒の思いがあるはずです。それらを語って欲しい、そうすれば力になると信じています」と締めくくった。

 
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