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中学・高校受験:学びネット

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開明中学校・高等学校

 
  スーパー理数コースを新設し
最難関国立大への合格増へ
卒業生(今春は227名)の59.5%が国公立大の現役合格者である開明中学校・高等学校が、2006年度中学入試より「スーパー理数」コースを新設する。東大、京大、阪大、を中心とする旧七帝大と医歯薬系大学への合格者をさらに増やす狙いで、中学入学段階から徹底した進学指導を行う。同校の強みは他コースも含め全体的にレベルアップされた学力だが、「スーパー理数」新設で全体的な学力向上の刺激剤となるか注目される。

校 長: 森田 文明
住 所: 大阪市城東区野江1丁目9の9
電 話: 06-6932-4461
交 通: JR・京阪「京橋駅」より徒歩10分 京阪本線「野江駅」より徒歩10分 地下鉄谷町線「野江内代駅」より徒歩10分 地下鉄長堀鶴見緑地線「蒲生4丁目駅」より徒歩10分
学生数: 中学校  678名
高等学校 827名 (2005.9.1現在)
ホームページ: http://www.kaimei.ed.jp/

 

共学化で志望校レベル上がる

 大阪府内屈指の進学校として、その実績を着実に伸ばし続けている開明中学校・高等学校は、2005年春の入試において国公立大学へ135人の合格者を出した。また、国公立および私立医歯薬系大学への合格者は48名で、過去10年間徐々に実績を伸ばし続け、このほど最多を記録した。

 これまで中学校からの6年コースは「理数A」「理数B」の2コース制により160名を募集定員としてきたが、来年度より200名に増員し、うち40名の「スーパー理数」コースの新設が決まった。とはいえ同校ではここ3年、最難関の国公立大学および国立の医歯薬系大学を目指す「理数A」コース3クラスの中から、中学3年時に学力上位生徒でクラス編成した“実質的なスーパー理数”コースを実践済みである。この経験を踏まえ「中学校入学段階からのより徹底した指導で、最難関国立大や医歯薬系大への合格者をさらに増やしたい」と森田文明校長はコース新設の意義を語る。
また一方で、相対的に学力の低い生徒を支える姿勢も堅持している。「担任はクラスの下位にいる生徒を常に意識し、学力を引き上げるよう努めますが、これは“開明の伝統”といえます」と森田校長。基礎学力の充実を図りながら国公立大学、難関私立大学への現役合格を目指す「理数B」コースにおいてもハイレベルな授業が保障されている。
今回のコース新設からさかのぼること4年、同校では男女共同参画社会への対応として共学化に踏み切った。森田校長は「共学化で学校が予想以上に活性化しました。女子は将来の職業意識が明確で、医歯薬系に進む生徒が増えると見ています。また、共学化は全体的な志望校レベルを引き上げたと思います」と語る。中学時代においては男女の発達段階の差異により、女子がリーダーシップを発揮する場面が多いといわれるが、共学化により良い意味で早い段階で男子も刺激を受け、将来の目標を見つめるきっかけとなるようだ。共学第1期生は今年、高等学校2年生になった。この学年が卒業を迎える時、活性化した開明の6年間がどんな結果を引き出すか期待される。

入試企画委員長の澤田明氏も「スーパー理数の新設で東大、京大、国公立大学医学科への合格者数を二桁にしたいと考えています」と明確に目標を掲げる。その一方で学校全体としての進路保障、学力保障にこれまで以上に全力を傾注する考えを強調した。

労を尽くして行う
値打ちある学校行事

一般に教育活動に学校行事が果たす役割は大きいとされるが、同校の学校行事は、総合的学習の観点、あるいは生徒のモチベーション向上や豊かな人間性の育成といった観点から、その特色が注目される。

 例えば、2年生の和歌山県加太湾で実施される理科実習では、十分な事前学習のもと湾内に生息する生物の観察、生態について調べ、まとめとしてレポートを完成させる。教科教育的行事の一つとして例年実施されるもの。ある生徒は「アメフラシの解剖と紫汁の分析」をテーマに実習に臨んだが、そもそもアメフラシを見たことがなかったという。ところが、湾内で実際にアメフラシを採取し、宿舎に持ち帰りph試験紙、フェーリング液、濃硝酸などを用いてさまざまな実験を行った結果、とても楽しく生物が好きになり、ためになった実習であったという趣旨の感想文を寄せている。

 この実習を行うため、顕微鏡をはじめとするさまざまな実習用具、薬品などの準備に教員は多くの労力を割かなければならないが、森田校長は「多少たいへんでも、生徒の興味関心のレベルを上げるためには、やるだけの価値のある行事です。中学段階では後で伸びる力を育てなければなりません。知的関心の幅を広げ、そのレベルを引き上げるため行事は重要です」と、日々の学習と同様に行事の重要性を語る。

 もうひとつ同校の名物行事である「夜間歩行」を紹介したい。中学3年生の春休み前、中学校行事の集大成に位置づけられる行事で、夜通しかけ全行程43キロメートルを歩く「しまなみ海道夜間歩行」を実施している。午後3時半、広島側からスタートし、途中、夕食や休憩をとりながら、ヘッドランプに反射タスキを身につけた生徒たちが愛媛県今治市のゴールを目指す。橋を渡り、島から島へただ黙々と歩く。足にできたマメがつぶれ、弱音を吐き、泣きだしそうになる生徒もいるが、励まし合いながらついにはゴールインを果たすという。共学化で歩行コースにトイレを確保したり、事故防止のために何度も下見を重ねたり、実施するまでに多くの労力を必要とする。保護者もバスで先回りして豚汁の夜食を準備し協力する。こうして14時間歩き貫いた経験を、生徒はおそらく一生忘れないだろう。ひとつ、ひとつの行事に入念な計画と準備で臨む姿勢が多くの実りをもたらしているようだ。

 ほかに古典芸能鑑賞会や音楽鑑賞といった文化・教養的行事、スキー合宿やマラソン大会などの体育的行事を次々に体験し、生徒は情操とたくましさを身につけていく。

2006年度入試に
向けた改革

 同校では中学入試受験生向けに4教科の試験問題の出題と解説、傾向をまとめた冊子を作成している。採点基準や解答のための着眼点など詳細な内容が記され、入学を強く希望する受験生に応えた冊子と言える。また、2005年度中学入試においては専願受験生に合格最低点で15点の差を設け、専願受験生を優遇している。入試は1次前期、1次後期および2次入試と全部で3回行われる。1次と2次の両方を受験するケースでは、事務手続き上、1次入試の前に2次入試の申し込みが締め切られるため、1次入試で合格した場合、2次入試欠席者の検定料は後日、返還される。

 また、併願合格者が合格を辞退した場合は所定の期日までに返還手続きを行うことにより、納入金の全額または一部が返還される。

 なお、高等学校からの編入コースでは来年度、男女合わせて86名を募集する。高校からの入学者は1年次に単位数の多いカリキュラムによる高度な授業、きめ細かい指導で2年次より6年コースへ編入することを目指す。3年間で一般的な高等学校の4年分の授業時間数を確保しているため、編入コースからも国公立大学への進学は十分に可能。

 ここ数年、さまざまな学校改革を推進してきた同校だが、とりわけ来年の「スーパー理数」コースの新設に向け、教職員のテンションは高まっているという。取材で訪れたのは、通常なら夏休みに入っている頃だったが、中学生の教室では、休む生徒もいないらしく、ひとつの空席もなく夏期講習が行われていた。

 

 
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