一人ひとりの興味・関心・適性を
見きわめ、希望する進路実現を目指す
新しくなった普通科では、校訓を具現化した「人権を尊重する心の教育」を柱に、家庭との連絡をより密にして学力向上を図っていく。その基本となるのがICT教育による教育の〝見える化〞と学習記録の〝データ化〞である。この両輪により、生徒の進路を徹底サポートするのが特徴だ。1年次よりインターネットを使った学習支援システム「ベネッセClassi」を活用し、多様化する情報通信化社会における対応力を培いながら、即戦力としての人材育成を強化する。
「高1では、中学校で学習した内容の〝振り返り学習〞を徹底し、弱点克服に努めます。基礎学力をアップすることで高校での学習につまずくことなく取り組めるようサポートするのが狙いです。高2、高3では生徒一人ひとりが自分自身の興味や関心があることと向き合い、将来につながる適性を見極める活動を活発化させます。大学や専門学校などの進路説明会や見学会等に積極的に参加することにより進学先を決め、学習計画を明確にした上で合格実現へと導きます」と、入試広報室長は話す。
企業への就職や公務員試験へのチャレンジを考えている生徒には、インターンシップによる職業体験などを経験させ、生徒のモチベーションを高める体制を整えているという。
その一つが幅広い資料を備えた【進路ガイダンス室】だ。昼休みや放課後などに利用できるよう開放されており、進路担当の先生がいつでも相談に応じ、生活や学習方法、進路相談などにきめ細やかに対応。生徒とのコミュニケーションを取りやすい環境づくりに努めている。
また、【総合的な探求の時間】や【LHR(ロングホームルーム)】などの時間を活用して、キャリア教育を実施。将来の夢を実現するために、確かな学力を身につける動機づけを第一に考え、社会の第一線で活躍する方々の講話やセミナーを開催するなど、生徒一人ひとりが自らの生き方や社会とのかかわり方を考えていけるよう、多方面からバックアップしている。
質の高い学びを最短で! 5年修了時に
看護師国家試験受験資格取得!
吉田 允久校長
同校の看護科の特色は、5年という最短コースで看護師を目指せることにある。一般の高校から看護師を目指す場合、専門学校や短大を卒業すれば6年間、4年制大学卒業の場合は7年間が必要だ。しかし同校では、6~7年間を要する普通科目と看護科目を5年一貫教育で学ぶ(本科3年、専攻科2年)。同校で高校3年間(本科3年)を修了し、4年に進級すれば(専攻科2年)入試にかかる費用や入学金も必要ないというメリットもある。
「専攻科になると実習での経験を重ねながら、大変高度な学習内容をこなさなければなりません。この5年間、生徒のモチベーションを保つために、教師と保護者、生徒が三位一体となって取り組んでいます」と入試広報室長は語る。
本科の3年間では、1年次から病院での実習を重ね、普通科目と同時に看護関連の授業や実習を効率的に組み込むことで看護への関心と学習内容を段階的に深めていけるよう配慮されている。また、専攻科の2年間は看護学に特化したカリキュラム構成と臨地実習による学びを習得。授業以外にもプロによる講義などを取り入れ、模擬試験を適宜行うことによりフィードバックし、国家試験対策とともに効率的な学習方法を究めていく。
国家試験合格後は、看護師として病院に就職するだけにとどまらず、4年制看護系大学への3年次編入学や助産師、保健師資格取得を目指すなど、生徒一人ひとりの希望と適性に合った進路を実現する。
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卒業時に調理師免許を取得
一流講師による徹底指導で
食のスペシャリストへ
調理科では、進学に必要な学力を伸ばしながら、座学により食に関する理論を学び、実習では調理技術やサービスの仕方などを身につけ、さらにインターンシップや学習成果発表会などを通して実践力を養っていく。
校内での実習は、通常の調理実習だけでなく50~100人分の給食やコース料理などをつくる総合実習も実践。また、味噌や梅干しなどの食品加工の実習も行う。校外の実習では、一流有名ホテルの厨房で実務を体験し、さらに日本・西洋・中国の各国料理のテーブルマナー講習も受講する。
このように基礎力から実践力まで、トータルに指導するのが専門調理師、薬剤師、管理栄養士、野菜ソムリエなど、現場経験豊かな教員や特別講師たちだ。多様なジャンルで実績を誇る一流スタッフを招聘できるのも同校ならでは。
なかでも、調理実習を担当する講師は、全員『専門調理師』の称号をもっており、同校の質の高さを示すものである。専門調理師とは、より高い専門技術・技能と知識を持っている調理師。国により認められた上位の資格・称号である。優れた講師から指導を受け、生徒自らも調理師だけでなく、将来に専門調理師を目指すという生徒もいる。
卒業と同時に国家資格である調理師免許が取得できるため、卒業後は調理関係への就職がスムーズだ。加えて、調理の現場に携わるだけでなく、食に関する教育の道に進むなど、進路は多様である。また、他業種への就職や大学、専門学校などへの進学を目指すなど、さまざまな希望進路を実現できる。
2015年にアナン学園高等学校に校名変更してから5年目。普通科を刷新し、専門的教育では定評のある看護科と調理科の3学科体制により、進学を中心に一人ひとりの進路に合わせ、高い目標実現を目指して新たな歴史を刻み始めたアナン学園高等学校。歴史ある同校の挑戦は続く。
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