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狭域通信制
天王寺学館高等学校

 
  すべての教育は生徒の成長に資するべき
―桐木(新)校長に聞く―
 天王寺学館高等学校は「すべての教育活動は生徒の成長に資するべきである」を教育目標に掲げ、狭域通信制であることの魅力を存分に発揮している。言うなれば第4の学校だ。
 その考えを具現化した教育活動を経て多くの生徒が巣立っている。取材当日、何組かの相談者の姿があった。通信制ならではの風景だ。「やらされる勉強はもうやめましょう。今なら自由に生き方を選べます。これから先をどう過ごしたいかを考えてください」。人間関係で悩んだり、勉強に疲れてしまったりした子どもたちに桐木校長は穏やかに語りかけた。

校 長: 桐木 孝
住 所: 〒547-0041 大阪市平野区平野北1-10-43
電 話: 06-6795-1860
交 通: JR・大阪メトロ御堂筋線「天王寺」駅より
(JR関西本線乗換え)
JR「平野」駅すぐ
大阪メトロ谷町線「平野」駅より北へ徒歩16分
大阪メトロ千日前線「南巽」駅より南へ徒歩15分
生徒数: 695名(令和元年(2019年)8月3日現在)
ホームページ: https://tg-group.ac.jp/tgkoko

 

広報活動は周知活動として
子どもたちには気持ちの充電を

 今年の4月、新校長に就任した桐木孝先生(52歳)は、過去10年近く広報や進路、そして教頭職など、あらゆる部署を兼務しながら生徒たちに向き合ってきた人物だ。以前は全日制の私学で英語教諭として在籍するも、新しい学校づくりという久井前校長の考えに共鳴し、天王寺学館高等学校(以後:天学)に奉職。現在は「第4の学校」という独自の学校づくりのため、日々東奔西走している。

 校長就任の言葉は「生徒さんにとって、どうかという視点で常に考えています。いわゆる原点回帰ですね」。その言葉を実証する例は山ほどある。入学前の説明会から入学後の勉強や行事への取り組み、さらに大学進学に向けての対応から40年先を見据えた教育活動など。

 例えば、広報活動においては「生徒募集」という考えではなく、教育ポリシーや内容の「周知活動」として取り組んでいる。校長による対面の説明会では生徒・保護者とじっくりと向き合い「相互理解」から始まる。そして価値観の転換をズバリ伝える校長の言葉に魂が揺さぶられる。

 「今なら自由に生き方を選べます。直近の短い選択ではなく、40年の選択が目の前に迫っています。人に良いと進められて、実はその選択が自分に合っていない仕事だとすると、40年間苦しむことになる。今、しなければならないことは、自分が何をしたいのか、何に熱中できるのか、自分の好き嫌いを見極めなければいけない」

 天学の門を叩く子たちは、勉強に対する重圧や人間関係などで追い詰められている生徒が多く、間違いなく苦労をしている。校長の問いかけに「そんなしんどい思いはしたくない」と返答があるという。桐木校長曰く「気持ちの充電をしてあげると子どもたちは変わりますね」。

独自の授業形態でステップアップ
行事には成長できるチャンスがある

 天学では、通信制の制度を利用して柔軟な教育活動を提供している。「総合学科ですので、ある程度自由な科目設定や生徒のために考えたことが実現しやすい環境です。また、単位制のため、3カ年の学習計画の中で習得単位を積み上げていくことができます」

 学びやすさと通いやすさを追求する天学の根幹となるのが、通信部と通学部の2つのコースだ。通信部は月水金の午前3日登校で「総合学科開講科目」の中から選択して授業を受ける。登校困難な生徒対象には「視聴メディアコース」も設置されている。

 通学部は、通信部の授業に加え月~金の週20時間授業の5日制と、通信部の授業に加え月水金の週12時間授業の3日制という、天学独自の授業形態である。なお、美術コースも設置されている。

 「中学からの入学生で一番多いのは不登校の生徒さんです。いろいろな問題を抱え人との接触が持てない。そういう子たちはまず、通信部からスタートします。行事などにもチャレンジしてうまく行けば、ステップアップして通学部に移る生徒もいます」

 校長が話す行事だが、他校との決定的な違いが「自由参加」であることだ。あまり気乗りしないという生徒もいるため、逆に参加しやすい工夫をしている。例えばスポーツ大会。大阪府の中央体育館を貸し切りで実施し、玉入れに綱引き、パン食い競走など種目がおもしろい。「懐かしい気持ちで生徒が参加してくれたらという、一つのしかけですね」

 また、行事の運営は可能な限り生徒たちの自主活動にまかせているという。桐木校長の造語に「行事のモッタイナイ精神」がある。一つの視点として、行事には生徒の成長できるチャンスがあるということだ。「彼らにとってその一瞬一瞬は大事なのです」

ライフマネジメントの必要性
生活指導から発生した契約観

桐木 孝 校長

 今年度、桐木校長が進路指導の担当時から積み重ねてきた「ライフマネジメント能力」の養成が大きくパンフレットで紹介されている。

 「生きていくうえで、いろいろなタスク(課題)が出てきます。それをどう解決していくか。幸せになるための一つの手法としてライフマネジメント(やりくりする力)が必要です。受験もその一つの位置づけです」

 受験は人生で最初の大きなタスクであり、正攻法で取り組めば就活においても、企業に入社しても、ライフマネジメント能力があれば難しい仕事でも突破できるという考えだ。視点が違うのは「受験を『合格のための手段』と単体で考えるのではなくて、長い人生でタスクをクリアするための解決力を受験で養う」ということだ。

 「学習の手引き」には、勉強や受験の仕組みが解説されており、毎年生徒たちに配布されている。中でも弱点を見つけ、計画を立て、実行し、検証や見直しをする「PDCAサイクル」は生徒たちの強い味方となっている。

 加えて、昨年から取り組んでいる「契約観」がある。今後、多文化共生になったときに、必ず契約が厳格化していくと桐木校長は読んでいる。それに向けて契約観を養っていくという、生活指導から発生したものだ。「そもそも契約観というのは、お互いの信用によって契約を結び、結んだ契約はお互いに信義を尽くすことだと思います。そういう意味では若い世代は弱い」

 例えば、校内での生活指導で何回言われても守れなかった生徒には、すぐに校長室に呼び出しがかかる。「決められたことなので守らないといけない」「ごまかし」や「うそ」はなし。それ程強い感覚を持つのが根本的な契約観だと桐木校長は言い切る。

 常に笑みを絶やさず「まだまだ発展途上」だと話す校長だが、新しい学校・第4の学校づくりは刻々と進んでいる。生徒主体の教育活動は多くの生徒に成長へのチャンスを与え、大学実績などにも素晴らしい足跡を残している。期待は膨らむばかりだ。

 
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