特色が際立つ3学科
目的にあわせて選択しやすい普通科は
4コース制
アナン学園高等学校には、普通科、看護科、調理科の3学科がある。普通科は、大学への現役合格および短大・専門学校への進学、企業への就職を目指す【進路総合コース】、しっかりとした表現力と技術を有する表現者を目指す【ミュージカルコース】、スポーツに力を入れている大学進学を視野に、競技力・人間力を高める【スポーツコース】、そして、専門講師による"本格的なワイン造り"を学び、醸造の知識・技術を生かし、進学や幅広い進路を目指す【醸造コース】の4コースから成る。
いずれのコースも教育目的が明確であり、受験生が将来の生き方をイメージしやすいように配慮されているのが特徴だ。
ぶどう栽培から醸造までトータルに学習
2年目を迎え本格始動「醸造コース」
中でも昨年新設された【醸造コース】は、大変ユニークであり、夢のあるコース。大阪ワイナリー協会の協力を得、さらに醸造の世界では名の知れたエキスパートが管理責任者として全面的に座学や技術指導をバックアップしている。
授業は、醸造の専門科目と一般的な科目を行う。また校外実習として大阪一のブドウの産地として知られる柏原市にあるぶどう農園と契約し、土曜日には大阪府立環境農林水産総合研究所農業大学校の元校長による指導を受け、ぶどうを含む果実の栽培を実践する。昨年、初歩的なワイン造りに挑戦し今年はワインのラベルもデザインした。そのワインは醸造コース一期生が20歳になり同校に遊びにくるときまで寝かせるという。醸造コースは、農業大学校ならびに4年制大学農学部等、化学系の専門学校への進学や、醸造メーカー、ワイナリー、農業、食品・医療・健康・生物・化学分野における企業・研究機関への就職を目指す。
将来的には同校にある調理科とコラボレーションし、味噌、醤油、チーズなどの発酵食品製造をテーマに様々な角度から総合的な学習を行い、幅広い分野で活躍できる人材育成に努めている。
看護師国家試験合格率100%達成!
最短・学費もリーズナブルな「看護科」
吉田 允久 校長
同校では、普通科以上に特色ある学びを究める科がある。教授法を工夫し実践的教育を展開している『看護科』である。
「普通科の看護コースを設置している高校は多いです。いわゆる高校3年間、看護について広く学び、看護系の大学や短大、専門学校などに進学。つまり看護コースでは、准看護師も含めて看護師資格は取得できません。しかし本校の【看護科】は看護師を養成する専門教育課程であり、5年後の卒業時には国家試験の受験資格が付与されます。早ければ20歳から看護師としてのキャリアを積むことが可能。しかも最短で学べるため費用面でも割安なのです」と入試広報室の政光潤治室長。
本来は6~7年間という時間を要する普通科目と看護科目を5年間で学ぶため(本科3年、専攻科2年)、専攻科になると実習での経験を重ねていきながら大変高度な学習内容をこなさなければならない。この5年間、生徒のモチベーションを保つために、教師と保護者、生徒が三位一体となって取り組むという。
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また、看護師として現場で働いている卒業生の声もフィードバックし、質の高い教育を心がけている。昨年度は看護師試験合格率100%という快挙を達成。今年度からは、全教科共通でICT教育の充実を図っており、看護科では看護教育支援システムNursingSkills(ナーシング・スキル)を導入。手術や人体構造などの映像や動画を見ることで、具体的で理論的・実践的な理解を可能にしている。
卒業と同時に調理師免許取得
インターンシップで和・洋・中の
有名店就職を実現
2017年から開設された「調理科」も看護科と並ぶ人気学科だ。正式な学科として調理科を設置したのは大阪府の私立高校では初の試み。3年間で調理師免許を取得できるとあって、志願者が急増している。インターンシップ(職業体験)により、大阪市内の有名ホテル、熱海や有馬の温泉施設、鳥羽のリゾートホテルなどの和・洋・中のレストランで実習を重ね、就職内定へとつなげていく。「インターンシップ期間を通して、生徒たちはあいさつや靴の脱ぎ方、接客時の心得、ひたむきに学ぶ姿勢など、すべてを見られています。同時に本校のブランドを背負っているわけですから、感謝する心やおもてなしの気持ち、礼儀作法などを徹底的に教え体で覚えさせます」
調理実習は1年次が日本食、2年次が中華、3年次は洋食(フランス料理)をつくるのだが、3年次の総合調理の時間には、ワンコインで定食を調理。先生方に食べていただきご高評を仰ぐのだとか。さらにワンコインでどれだけの利益が得られるかマネジメントも教授する。
調理科のもう一つのテーマとして挙げられるのは『地産地消』。同校が位置する東大阪の特産品健康野菜「オカワカメ」をベースにアレンジし、地域とも連携し年1回の調理科発表会で作品披露も行っている。醸造コースでつくった発酵食品を調理科で食材として使用することも検討している。
今後は、科・コース、地域や国外とのコラボレーションにより、さらにスケールの大きな学習フィールドでの活躍が期待される。
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