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中学・高校受験:学びネット

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帝塚山中学校高等学校

 
  生徒に考えさせ、本気を引き出す進路指導
明快なデータ分析で、国公立大合格へと導く
 最寄りの駅から専用の歩道橋で徒歩1分。交通のアクセスが良い帝塚山中学校高等学校。奈良県有数の進学校であるが、進学実績だけでなく、様々な学校授業時や部活動で人間力の育成にも力を入れている伝統校だ。近年は大学進学実績が目覚ましく、旧七帝大の現役合格者を伸ばし続けている。 今年度、新しく進路指導部長に就任した仲島浩紀先生(理科教諭)に、進路指導部としてどのような思いを持って生徒を導いているのか、インタビューした。

校 長: 池辺 政人
住 所: 〒631-0034奈良県奈良市学園南3-1-3
電 話: 0742-41-4685
交 通: 近鉄奈良線「学園前」駅より徒歩1分
生徒数: 1,004名(中学校)
1,016名(高等学校)
ホームページ: https://www.tezukayama-h.ed.jp

 

授業は別、課外活動は一緒
男女併学の良さ

 授業は男女別々に行い、行事やクラブ活動は男女一緒。共学と別学両方の良さを取り入れた「男女併学」という制度を採用している帝塚山中学校高等学校。

 「中学生になると女子は大人びてきますが、男子はまだまだ走りまわりたい生徒が多い。男女でクラスを分けた方が、互いを気にすることなく、のびのび過ごしていますね。女子はきちんと板書を書いてあげた方がノートを取りやすそうですし、逆に男子はキーワードだけを書いて語った方が集中する。本校では、同じ授業でも男女それぞれに適切なアプローチをするようにしています」。そう話すのは今年の4月から進路指導部の部長に就任した仲島浩紀先生だ。

 同校のコースは「男子英数コース」「女子英数コース」「女子特進コース」の3つに分かれる。男子英数コースの中には理数に特化した「スーパー理系選抜クラス」と「英数クラス」、女子英数コースには「スーパー選抜クラス」と「英数クラス」がある。男子の「スーパー理系選抜クラス」では、ロボット教室や校内の天文台で夜間観察会を行うなど、理系に特化したプログラムを組んでいる。

 「理系選抜といっても、高校からは文系カリキュラムも開設しています。これからは理系的な思考を持った上で、文系分野で活躍する人材も必要になる時代。このクラスから経済学部などの文系学部に進むことも可能です」と仲島先生。

 英数クラスでは高2から男女合同で授業をすることもある。「大学入試という目標がはっきりとしてくる時期。急に成績が伸びてくる男子に女子は驚き、男子はコツコツと勉強してきた女子を見て『なぜ、こんなにできるんだ』と火が付く。お互いに刺激し合うことで、勉強への相乗効果が生まれています」と仲島先生は話す。

 こうした進学校としての教育と同時に、国際交流や情操教育にもバランスよく取り組んでいるのも同校の特色だ。部活動も盛んで、勉強と部活を両立させながら、難関大学合格を勝ち取っている生徒も多くいる。そうした総合的な人間力の育成も高く評価され、人気を集めている。

生徒・保護者が本当に知りたい
正確な情報を提供

進路指導部長
仲島浩紀先生

 仲島先生にとって進路指導部長として初めての大仕事は、4月11日に行われた高校3年生保護者会だった。

 この時に配られた資料がすごい。「進路指導部として高校3年生に伝えたいこと」として、受験生と保護者が知っておくべきポイント、また知っていそうで知らないことがみっちり書かれている。それを仲島先生は独自のわかりやすい言葉で根拠を示しながら解説した。

 例えば、同校の関関同立の現役合格者数は、2018年度は174名、2019年度は155名と年々減っている。それはレベルが下がったのではなく、延べ総数が増えるような無計画な出願をさせていないからだ。延べ総数は減っているものの合格者の実数は減っていない。仲島先生は「私は理系ですから(笑)、正しい数字を出したいと考えています」とにっこり。

 生徒の志望先が私立大から旧帝大をはじめとする国公立大へシフトしていることも理由の一つだ。単に有名大学だから受験するのではなく、研究力の高い大学を生徒が選んでいることが、資料の数字から明確にわかる。

 また、仲島先生は「最後の最後まで諦めないよう」生徒や保護者に呼びかけている。同校の国公立大合格者196名のうち、中期・後期試験での合格者は70名で、36%を占める。後期試験は高倍率のイメージがあるが、前期での合格者が欠席するため、欠席率の平均は56・9%(2018年度)。実際の倍率は下がっているのだ。実際、神戸大の作業療法学科では受験した5名全員が合格した例もある。生徒や保護者にとっては、目からウロコの貴重な情報だ。「様々な情報が錯綜する中、きちんと情報提供させていただくことは、進路指導部としての大きな役割の一つだと考えています」と仲島先生は話す。

関西圏最大級の中学受験者
塾説に向けてもオープンな資料を

 こうした同校の姿勢は、「塾対象説明会資料集」にも表れている。中学入試各回での併願校名(大阪星光学院、西大和学園など)とその人数、男女別の併願パターンなどの詳細なデータが提供されている。

 仲島先生は「こうした冊子をつくりはじめたのは4、5年前からです。塾の先生方から『こういうことが知りたい』といった意見は次年度の資料に盛り込むようにしています」と話す。今春の中学受験は延べ約2000人が出願した(4回入試)。この数は関西圏の私立中学受験では最大級といえる。

 1回目の入試(初日午前)には専願・併願別に募集。3回目(2日目午前)でも1回目で専願として受けた受験生に限り、専願ラインを設定して判定をする。すでに英数クラスで合格した受験生もその後の入試で基準点を上回れば、スーパー理系選抜やスーパー選抜にステップアップできる。こうした様々な制度も人気を押し上げている理由だろう。

 今年は東大・京大をはじめとする国公立大学に196名が合格。昨年は209名だったが、今年の受験生は前年度より2クラス分人数が少なかったことを差し引けば、年々レベルアップしていることがうかがえる。同校では全体の3分の2近くが理系志望で、医学部をはじめとする医歯薬保健獣医系に進む生徒は約4分の1。「医歯薬に進学するのなら、帝塚山に」という志願動向が世間では浸透してきている。

 「国公立大に合格したけれども、他大学を目指して浪人したり、家庭の事情で私立を選択したりすることもあります。どんな選択をするにしても、『国公立に合格した』という事実は、自信につながると考えています」と仲島先生。

 「高校時代に将来を考えることは重要な意味があると思います。生徒には自分で選択したことに自信を持って信念を貫いて行動してほしい。生徒の個性を尊重し、本気で取り組めるような環境を私たちは整えていきたいと思っています」と仲島先生は力説する。

 
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