この春、プログレ1期生が卒業
数理探究型の授業で実力をつける
中学校は2013年にコース制を新設。改編を経て、現在は難関国公立大を目指す「プログレッシブ特進一貫コース(プログレ)」と、国公立大学・難関私大を目指す「特進一貫コース」の2コースがある。この春、プログレの1期生が卒業し、進学実績に注目が集まった。
「プログレの1期生は、がんばってくれました。コースを改編し、より勉強しやすい環境を整えたことが奏功したと思います。勉強に加えて様々な活動を体験できるのが、本校の魅力です。活動を通して、人徳を培ってほしいと考えています」と話してくれたのは、瀧川好庸校長。
プログレを含め、今春は国公立大に62名が合格した。神戸大、広島大、大阪市立大などの医学部医学科に5名、関関同立に91名が合格している。この成果を生み出したのが、独自のカリキュラムである。
両コースとも数国は週6時間、英語は週7時間を配置。数国は週に一度100分授業を行い、学習内容を定着させている。中2からは早朝講座と放課後講座も開講している。
プログレは「数理探求系」と銘打っており、英数国3教科を重点的に学ぶ。中3からは理科3科目を必修とし、文系志望者でも数理重視のカリキュラムになっている。さらにグローバル教育と体験型実践学習を組み合わせたプログラムも導入。その一つ「プログレワンデー研修」は、理系的なアプローチを経て進路を考える活動だ。中2修了時には2泊3日の「プログレ研修」を行い、視野を広げている。
特進一貫は、英数は習熟度別編成により、生徒の進度に合わせた授業を展開している。
課外活動も活発である。毎週水曜の午後は「スペシャル・ウェンズデイ」と称して、様々な体験学習を行っている。
「月火と勉強に取り組み、水曜にリフレッシュ。木金にがんばるための活動です。内容は担当教員が考えますが、赤ちゃん先生(命の教育)、華道教室、実践英会話、ボランティアなど多彩な活動を行っています。社会を取り巻く様々な事象に興味を持つことで、職業観を養っています」
「進路探求プログラム」では、日本経済新聞の『私の履歴書』を題材にチームで人物ドキュメンタリー作品を制作。夢を実現させた人物の足跡を追いかけることで、進路探求への視点を育成。さらに自身を題材にした「過去編」と、将来を想定する「未来編」、2編の履歴書も執筆する。クラスでディスカッションを行い、将来を展望することで進路意識の基盤を築いている。
企業から出された課題を解決する「企業探求プログラム」にも取り組んでいる。複数の企業が参加しており、生徒は希望先を選んで企業に赴き、仕事を体験したり取材活動を行った上で、成果をプレゼンテーションする。
「校内で予選を行い、優秀なチームは企業探究活動の全国大会に参加をします。生徒は懸命にがんばっていますよ」
世界各国での多彩な研修
国際教育にも力を注いでいる
瀧川好庸 校長
高校は、難関国公立大を目指す「スーパーフロンティアコース(SF)」と志望大学に応じて学べる「クリエイティブフロンティアコース(CF)」、そして、スポーツや芸術活動に特化した「Cコース」がある。
SFコースでは校内予備校「フロンティアゼミナール」を開講。大手予備校から講師を招き、週3日、放課後90分の講座を実施している。CFコースは、2年次から志望大学に合わせて、国公立5教科型か私立3教科型を選択する。
両コースとも英語強化プログラムを導入しており、大学入試での採用が増えている「TEAP試験」に対応できる内容だ。また、準1級の合格を目標とする英検講座も開講。1年の夏期休暇には学習合宿も行っている。
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研修旅行の多さも滝川第二の特徴の一つ。中1では山の研修(スキー研修)、中2は海の研修(カヌーやヨットなど海洋宿泊研修)。中3の秋には世界の研修(海外語学研修)も行っている。
「例年ニュージーランドに滞在して、現地の学校で授業を受け、生徒と交流しています。現地での生徒の評判がよく、校長先生が来日した際、わざわざ挨拶に来られたほどです」
高2になると、コースごとに海外で研修を行う。中高一貫コースは、アメリカの大学を訪問し、シリコンバレーにある世界的な著名企業を訪問。SFとCFコースは、オーストラリアへ。Cコースはシンガポールで研修を行っている。
全国レベルの強豪クラブ
海外で活躍する生徒も
高校のCコースは、同校が定める重点部活動(野球、サッカー、卓球、剣道、陸上競技、ゴルフ、吹奏楽)の所属生を対象としたコースである。この7つは全国レベルの強豪クラブとして知られており、毎年のように全国大会に出場している。また、今年3月、学園100周年記念事業として、人工芝グラウンドと全天候型陸上競技トラックも完成した。
「サッカー日本代表として活躍している岡崎慎司選手は、本校の出身です。忙しい中、よく来校してくれます。同級生のOBたちにもサッカー部を指導してもらっています。ゴルフ部も強豪です。本校はとりわけ女子が強く、ナショナルチームに選抜され海外に遠征する選手もいます」
吹奏学部も世界的に知られている。今年6月には、イタリアの「ジュリアノーバ国際音楽祭」に90名全員で参加し、イタリア大統領杯などの数々の賞を受賞した。これは主催者側からの招待だという。
ユニークなのは「キャンパスナビゲーター」という活動だ。
「現在、中高合わせて100名近く活動をしています。オープンキャンパスに来られた方を案内したり、学校紹介のプレゼンテーションなどを行っています。自主的な取り組みですが、どの生徒も楽しんでいますよ。入学者のアンケートを見ますと、キャンパスナビゲーターに憧れて本校を志望したという声が多く、うれしく感じています」
多彩な活動を通して人間力を育成し、全人教育を実践している滝川第二。新たな100年に向かって始動している。
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