サイト内検索:
 
中学・高校受験:学びネット

 学びネットは、中学、高校受験のための情報ページです。学校紹介や塾経営にお役立て下さい。

今月号の紹介 学校散策 塾長のためのマンスリースケジュール 購読案内 会社案内
学校散策 ・関西校・ 関西一覧
   

近江高等学校

 
  国公立へ24名、関関同立へ64名
難関大へ合格者を飛躍的に伸ばす
 
特別進学コース「アカデミー」創設から9期目、学校法人近江育英会・近江高等学校は昨年度入試実績を飛躍的に伸ばした。京都大学、神戸大学を始めとする国公立大学へ24名、関関同立へ64名、早稲田など関東の有力私立大に6名など、全体で235名の合格者(いずれも延べ人数)をだした。正規授業のほか、演習授業や長期補習といった徹底した進学指導に加え、受験生のメンタルケアまでを総合的に支えるシステムが実績に表れたようだ。今後、研修施設や学生寮建設など施設面もさらに充実することから、私学進学希望者の注目を集めるだろう。

校 長: 笠原 武夫
住 所: 〒522-0002 滋賀県彦根市松原町大黒前3511-1
電 話: 0749-22-2323
交 通: 東海道本線、近江鉄道本線彦根駅より徒歩18分(彦根駅よりスクールバス5分)
学生数: 928名 (2005.5.1現在)
ホームページ: http://www./ohmi-h.ed.jp/

 

結果をもたらした要因

難関大学や高い進学率を目指す私立高校の多くは、7時間目、8時間目の授業が行なわれることも珍しくない。だが、同校には「0時間目」「9時間目」「10時間目」が存在する。「0時間目」とは文字通り、正規の授業が始まる前の「時間割」での授業があり、生徒が自主的に登校時間を早め学習するというもの。誰にも強制されない中で学習習慣をつけ、それを維持しようと努める姿勢に、生徒間で切磋琢磨する校風が感じられる。「9時間目」「10時間目」は、教科担任の側からの呼びかけで必要に応じ行なわれる授業で、教職員の熱意に支えられている。

加えて、同校は進学指導全般について常にシビアに見直しを進めており、昨年度行なわれた校内の機構改革も入試結果に影響をもたらしたと考えられる。進路課・進学担当主任の望月満夫氏は“好結果”の要因について「当校の教職員はそれぞれが豊かな資質をもっていますが、これまで各人のベクトルが同一方向へ作用しきれていなかった部分がありました。昨年度はそのベクトルの方向性が定まってきたことが結果として現れたのだと思います」と語る。

教職員の意識を一方向に向かわせ、なおかつ個々の資質を相乗的に高めるきっかけとなったのが、一昨年度からの学年別の職員室の導入だ。さらにアカデミー専用のスタッフルームを設け、職員間の連絡、連携がスムーズに行なえるようにしたことも大きかったという。例えば、学習面では生徒一人ひとりの弱点克服のために、精神面では受験が迫った際のメンタルサポートなど、きめ細かな対応を行なおうとすればするほど教職員間の連携が強く求められる。生徒の精神状況といったセンシティブな情報のやり取りには専用スタッフルームの設置が効果をあげるのは当然かもしれない。

生徒にどれだけ沿うことができるか

ある生徒の逸話がある。望月氏によると、同校入学当時、その生徒は全く元気がなく、落ち込んだ日々を送っていたという。希望していた地元公立トップ校への進学が叶わず、同校へはいわば“不本意入学”をしてきたのだった。精神的に不安定な思春期に、挫折を味わうほど辛いものはない。立ち直りの困難さを望月氏は痛いほど分かっていた。だが、教職員はじめ学友たちが創りあげる“近江の環境”によるものなのか、2学年ごろから生徒は猛烈に奮い立ち、挫折から3年後、みごとに国立大合格を手にしたのだ。
決して全ての生徒が順風満帆に高校生活を送るわけではない。重要なのはそういう生徒に学校が、教職員がどう寄り添えるかだろう。学校改革を行なうために試行錯誤を繰り返す同校の姿勢には、生徒一人ひとりに対するきめの細かいケアが期待できる。
少々気が早いが望月氏に今年度の目標を聞くと「今年のアカデミーの3年は昨年度より少人数で受験者数そのものが減る見込みなので、合格者数ではなく質的にダウンさせない結果を出したい」と進路指導担当としての決意をにじませた。また、「どれだけ合格者を出すかではなく、生徒の目標をいかに叶えるかを大切にしたい」と語り、妥協せずに第1志望をどこまでも貫けるよう、生徒の意思に沿う姿勢を強調した。

国公立大学および関関同立への合格者の内訳は別表の通り。そのうち、国公立大学で初めて合格者を出したのは京都大学(工学部)、神戸大学(工学部、経営学部)、電気通信大学(電気通信学部)、大阪教育大学(教育学部)、京都教育大学(教育学部)岐阜大学(地域科学部)、茨城大学(人文学部)、北見工業大学(工学部)、釧路公立大学(経済学部)の10大学、9学部。

部活動と両立し「合格」を手に

同校の普通科は特進コースの「アカデミー」、準特進コースの「アドバンス」、進学コースの「ジェネラル」の3コースが設けられている。「アカデミー」は国公立・難関私大への現役合格を、「アドバンス」は部活動と学業を両立しながら難関大学への進学を目指す。「ジェネラル」は3年間でじっくり進路を選択し、大学、短大、専門学校への進学を目指している。

例年「アドバンス」からも滋賀大や滋賀県立大への合格者を出してきたが、昨年度も“文武両道”の精神をもとに山口大、産近龍などで合格者を出している。硬式野球部は甲子園の常連校として広く知られているが、全国大会に出場する実力を備えた運動部はほかにもある。昨年度も男子バレーボール部、柔道部(男女とも)、水泳部、レスリング部、卓球部が全国大会出場を果たした。そういった運動部に籍を置きながら、受験勉強を両立させるには強い克己心が求められる。ここでも仲間同士が磨き合える環境が創り出されているのが分かる。
「アドバンス」はこれまで2年次から文系進学専攻か理系進学専攻を選択していたが、新たに「医療系特進専攻」が加わり、特に女子生徒に人気の高い看護師、医療技術者、管理栄養士などを目指すうえで的を絞ったカリキュラムが組まれた。なお、2年、3年進級時に「ジェネラル」と「アドバンス」とのコース変更が可能。
  大学への進学を希望する生徒にとって選択肢はさらに広がる。商業科の上級資格取得コース「スペシャリスト」は簿記や情報処理などの各種検定において、上級資格を取得することを目指している。例えば簿記検定1級取得で滋賀大などへの推薦を受けることができる。また、同科の選択コース「セレクト」でも国際ビジネスやマーケティングなど専門性の高い授業を通して、実務能力を高める万全の体制がとられている。こちらは2年進級時のみ「セレクト」と「スペシャリスト」とのコース変更が可能。

学生寮、セミナーハウスの建設進む

ガラス張りの明るいカフェテリアと研修・宿泊施設を兼備したセミナーハウス、さらに60人を収容できる学生寮(男子寮)の建設が現在進行中だ。完成すれば、部活動の練習試合などで訪れる他校の生徒たちの宿泊に、また、これまで遠方から入学を希望しながら、断念せざるを得なかった生徒に門戸が開かれることに。新たな施設建設は2008年に迎える同校の創立70周年記念の先行事業で、大きな節目を前にさらなる可能性を感じさせてくれる。

 
  ページの先頭へ戻る
manavinet」運営 / 「塾ジャーナル」 編集・発行
株式会社ルックデータ出版
TEL: 06-4790-8630 / E-mail:info@manavinet.com
Copyright© 2004-2003 manavinet. all rights reserved.