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中学・高校受験:学びネット

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大阪女学院中学校・高等学校

 
  今春、高校で国際バカロレアコースがスタート
生涯学び続ける力をつけて、困難な時代を切り開く
1884年(明治17年)の創立以来、134年にわたってキリスト教を基盤にした女子教育を行なってきた大阪女学院。もともと英語教育には定評のある学校だが、この春、高校の英語科に国際バカロレアコース(IB)を新設した。IBは文部科学省も導入を推進している世界共通の教育プログラムだが、認定校になるには相応の教育内容が必要とされており、認定までにはいくつものハードルがある。そのため全国でも1条校におけるIB認定校はまだ少なく、大阪では初となる。IBを導入した理由や今後の展開について、この春就任した中村真喜子校長に取材をした。

校 長: 中村 真喜子
住 所: 〒540-0004 大阪市中央区玉造2-26-54
電 話: 06-6761-4451(中学校)
06-6761-4113(高等学校)
交 通: JR環状線「玉造」駅より徒歩8分、
地下鉄長堀鶴見緑地線
「玉造」駅より徒歩3分、
市バス「清水谷高校前」下車徒歩3分
生徒数: 534名(中学校)
797名(高等学校)
ホームページ: http://www.osaka-jogakuin.ed.jp/

 

根底には多文化共生と平和の精神次世代を生きる力を育む

 大阪女学院が導入したのは、国際バ カロレアの内、日本語による「ディプ ロマ・プログラム」である。これは、 「Theory of Knowledge=知の理論」 「Extend Essay=課題論文」 「Creativity, Activity, Service=課外活 動」の3つのコア領域と6つの教科、 具体的には、「言語と文学」「言語習 得」「個人と社会」「科学」「数学」「芸 術」で成り立っている。この内、言語 習得と数学は英語で授業を行う。

 「IBの候補校となったのが、昨年 の5月。正式な認定を受けたのが、今 年の2月でした。そのため広報期間が 短かったのですが、9名の生徒が入学 してくれました。英語は英検2級1次 合格が出願資格です。とてもモチベー ションの高い生徒ばかりです」と、中 村校長はにこやかに話す。

 IBの本格的なプログラムが始まる のは2年次からだが、1年次は通常の 授業に加えて、IBの手法を用いた授 業も展開している。一般の高等学校卒 業資格も取得できるカリキュラムにな っている。英語の指導はネイティブの 教員が担当する。

 「例えばIBでは文学を学ぶ場合、 人間にとって文学とは何か?と言った 普遍的な課題に取り組んでいきます。 一方的な講義ではなく、生徒が考え調 べて探求していく。大学のゼミのよう な授業です」

 従来の授業とは手法が違うため、管 理職を始めIBに携わる教員は、全国 各地で開催される勉強会やワークショ ップに足を運びながら指導法を学んで いる。3月には、同校を会場として3 日間のワークショップが行われ、全国 のIB導入校との情報交換の機会とな った。

教育理念と合致するIBの思想 国内難関大も入試枠を設置

 IBを導入するには教員側も並々な らぬ学びを求められる。なぜ大阪女学 院は、IB導入に踏み切ったのか。 「国際バカロレアは、世界共通の認定 試験を実施しており、合格すれば海外 の大学へのエントリー資格が得られま す。実際、本校では以前から海外の大 学へ進学する生徒は10名前後います。 しかし、それだけを理由に導入したわ けではありません。一番の理由は、 IBは平和の思想が基盤にあることで す。本校の教育理念『愛と奉仕の精 神』と共通する思想だからです。これ からの社会は多国籍、多文化の人と一 緒に学び働く時代になります。社会の 変化に伴って教育も変わっていく必要 があります。IBのカリキュラムは、 これから必要な力を育成できると考え、 導入を決めました。IBコースの生徒 のためだけでなく、全校生にも良い影 響があると考えています」

 海外だけでなく国内の大学でもIB 資格を利用した入試を行なう大学が増 えており、東京大、京都大、大阪大、 北海道大、九州大、ICU、上智大学、 早稲田大学、関西学院大学など多数が 参画している。

 「中学の受験を考えている保護者の 方から、IBへのお問い合わせをいた だくことが増えました。今後はIBの 中学生版であるMYPの導入も視野に 入れていきたいと考えています」

充実化をはかる英語教育

中村 真喜子 校長

 大阪女学院は、中学はコース制のな いリベラルアーツのカリキュラム。高 校には普通科(文系・理系)、英語科 (英語コース・国際バカロレアコース) がある。いずれもハイレベルの教育で 知られており、全員が進学を目指す。 難関大学にも多数合格しており、今春 は、神戸大、静岡大、三重大など国公 立大に2 3名が進学。難関私大への特別 推薦枠、協定校推薦枠も多い。また海 外の大学へ進学する生徒も少なくない。

 中1、中2では基礎学力を定着させ るために、支援の必要な生徒に毎週、 英語と数学を2回ずつ自学自習スタイ ルでの補習を行なっている。1 0名の生 徒に対し教員2名がついて、生徒から の質問や相談に応じている。受講した ほとんどの生徒の成績が上昇している という。また、この春には校舎の一角 に「イングリッシュ・ラウンジ」を新 設した。昼休みや放課後などにネイテ ィブ教員による英会話レッスンができ るようになった。

 毎朝、礼拝を行なうのも同校が大切 にしていることだが、高校では学期に 1度英語を使っての「英語礼拝」も行 なっている。

 高校の英語科では、1年次に英語キ ャンプを行うのが恒例になっている。 1泊2日の間、英語だけを話し、コミ ュニケーションをはかる行事だ。

 また、ネイティブ教員による「アク ティブ・コミュニケーション」という 授業を実施。英語で聞き、話すことに 特化した内容で、中1から高1までデ ィスカッションやディベートなど段階 的に進めている。英語科には「異文化 理解」という科目もあり、外国文化へ の理解を深めている。また、英語を通 して世界各国のことを学ぶ「マルチカ ルチャーディ」も実施。様々な国のネ イティブ教員が、自国の歴史や文化を 紹介。生徒は教室を回って学んでいく 独自の行事だ。

 「高2になると『エンパワーメント・ プログラム』という集中講義を行って います。社会の課題をテーマに、ファ シリテーターを中心に外国人留学生が チューターとなり、5日間に渡って行 なう行事です。英語で思考し、英語で コミュニケーションするため、とても 力がつくと好評です。今年から中学2、 3年でもプレエンパワーメント・プロ グラムをスタートします」

 海外留学制度も充実しており、カナ ダやアメリカ、イギリスに滞在して英 語を学ぶ3ヵ月の中期留学の参加者も 増えている。本当に学びたい生徒を対 象としているので、英語の習得には大 変役立っているという。

 国際バカロレア、語学教育の先進的 なプログラムに挑戦をしていく大阪女 学院。

 今後の動きから目を離せない学校で ある。

 
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