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中学・高校受験:学びネット

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大阪産業大学附属中学校・高等学校

 
  生徒のニーズに対応しフレキシブルに進化
 
進路の希望に応じた多様なコース制と進学実績の伸びで、高い人気を誇る大阪産業大学附属中学校・高等学校。今春の入試においても多くの受験生を集めた。しかし牧本英男校長は「教育内容やシステムをさらに進化させ、専願率を高めていきたい」と語る。2006年度には、中学においても生徒の適性や進路希望に対応するため、外部高校進学コースが設けられる。

校 長: 牧本 英男
住 所: 〒536-0001 大阪市城東区古市1丁目20番26号
電 話: 高等学校 06-6939-1491 / 中学校 06-6936-8510
交 通: 市営地下鉄長堀鶴見緑地線「今福鶴見」駅徒歩7分、京阪本線関目駅徒歩15分
学生数: 中学校  146名
高等学校 1,679名 (2005.3.1現在)
ホームページ: http://www.osaka-sandai.ed.jp

 

高校では高学力の併願受験者が急増

今春の大阪府の中学卒業生は昨年よりも3千4百名減少したため、私立高校入試は全体的に厳しい展開が予想された。しかし同校は早い段階で定員を充足。昨年に引き続き成功を収めた。

牧本校長は「例年以上に成績上位層が厚くなりました」と話す。

また併願受験者が昨年より百名近く増えたことも、人気の高さを示している。さらに歩留まり率も上昇傾向にある。昨年の特進コースでは歩留まり率が20%に上った。今年はさらにアップすると見込まれる。同校で合格を手にした生徒が、1ランク上の公立高校にチャレンジ受験するためだ。

しかし、牧本校長は今春の入試を振り返り、「専願率を高めることが課題です。そのために、本校の新たな取り組みをアピールし、さらに『この学校に入ったら何をしてもらえるのか、何を期待できるのか』を明確にしていきたい」と話す。

中学に他高校進学コースを開設

同校は2001年に中学校を開校。中高一貫教育をスタートさせた。まだ進学実績は出ていないが、生徒たちは着実に学力を伸ばしている。

「塾の先生方からは『小学6年当時と比較して、産大附属中学に入学した生徒の伸びが目立つ』と、評価していただいています」。

中学の授業時間数は1週間で42時間。一般の公立中学に比べて13時間も多い。平日の3日間は8時間授業で、主に英・数・国の課題別授業を設定している。これにより、生徒一人ひとりの理解を徹底させる。また、この3科目の授業は習熟度別クラス編成を導入。少人数で、生徒の理解度に応じた指導を行っている。

「最近の子どもたちは、概念を理解せずにパターンで覚えてしまう傾向にあります。そのため出題範囲が限られた定期試験では良い成績を残せますが、実力テストになると得点できません。個々の生徒のつまずいている箇所を見つけてやることが、その後の伸びにつながります」。

こうした指導が効を奏し、成績上位層だけでなく全体的に学力がアップしている。

中学2年次で中学の学習内容を終了し、3年次より高校の学習に入る。中学卒業後は基本的に高校の「特進一貫」コースに内部進学する。ただし「中学受験する小学6年段階では、本人の適性や将来の方向性は明確ではありません。中学3年間はその見極めの時期としても位置づけられます」。したがって、高校進学時に他コースへ変わることもできる。

コース変更だけでなく、場合によっては他高校進学もあり得る。今年は同系列の大阪桐蔭高校に進学する生徒もいた。

「3年間をかけてきめ細かく指導してきた生徒たちですから、高校に内部進学して他の生徒たちをリードしていってもらいたいというのが正直な気持です。しかし本人のためには、一番適した進路を選択させたいと考えています」。

その指導方針により、次年度から他高校受験を前提とする「3年間コース」が誕生する。入学時に従来の6年一貫コースか3年間コースのいずれかを選択する。3年進級時まではコース変更も可能だ。中学3年次で、3年間コースは高校受験のための指導が行なわれる。

なお系列の桐蔭高校進学を希望する生徒に対しては、内部推薦制度により優遇措置がとられる見込みである。

牧本校長は「中学入試のときに桐蔭中学を不合格になった生徒は、高校入試でリベンジできます」と笑顔で話す。

職業選択へつながる高大連携

「高校の三本柱は『附属高校のメリットをいかして大阪産業大学進学』『特進コースから難関大学進学』『スポーツの能力をいかして大学進学』です」。

ここ数年で、国公立大学や関関同立を始めとする難関私大への進学実績が大きく伸びている。また大阪産業大学を受験する生徒も大幅に増えている。今年4月時点の調査では、3年生の約28%が同大学進学を志望した。例年より数ポイントの上昇である。これは高大連携により、大学の魅力が生徒に伝わった結果でもある。

昨年は大学の教授陣を招き、生徒たちに実験研究の成果などを講義してもらった。今年は内容をさらに充実させ、生徒が大学を訪問し実験授業などを見学する。

「ほとんどの生徒は大学進学を希望しています。しかし、大学で具体的に何を学び、将来の職業にどのようにつなげていくかを、自分の適性に照らし合わせて選択しなければなりません」。

そのために高大連携をより実務的・具体的なものにしていきたいと考えている。

「いま大学の多くは、研究者よりも職業人を養成する教育機関としての役割を果たそうとしています。誰もがエリートになれるわけではありません。むしろ一職業人としての人生がほとんどです。自分に与えられた場所で一生懸命に努力できる人間を育てていきたいと考えています」。

またエリートを目指し勉強に打ち込んできた生徒が、途中で挫折することも考えられる。
「しかし、だからと言って人生のレールから外れたことにはなりません。本校であれば、コースを変更し新しい目標に向かって再スタートをきれます」。

同校は今年、春夏通じて初めての甲子園出場が決まった。野球部創部58年目の悲願達成である。

牧本校長は朝礼で生徒たちに「同じ学年・同じ教室に、懸命に努力して甲子園出場の切符をつかんだ生徒がいる。そのことを自分はどう感じたか」と問いかけた。

自分の居場所で精一杯努力するという意味を考えてもらいたいからである。

3月23日に開幕する第77回選抜高校野球大会。アルプス席で生徒たちは、どのような思いを込めて応援を繰り広げるのだろうか。

 
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