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中学・高校受験:学びネット

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花園中学高等学校

 
  「英語×禅」の独自カリキュラムで海外の一流大学へ
〜グローバルスタンダードの学びを実現する新コース〜
臨済宗妙心寺によって設立され、「禅のこころ」を建学の精神とする花園中学高等学校は今年度、2つの新しいコースをスタートさせた。6年後に海外の一流大学進学を目指す「スーパーグローバルZEN(SGZ)コース」と、国内の難関大学を進路目標とする探究型教育の「ディスカバリーコース」である。SGZコースは、ハイレベルな英語教育と禅の学びを軸に、国際社会で活躍できる志の高い人材の育成を目指す。初年度から志願者が募集定員の6倍を超え、その教育内容に注目が集まっている。

校 長: 福田 篤
住 所: 〒616-8034 京都府京都市右京区花園木辻北町1番地
電 話: 075-463-5221
交 通: JR嵯峨野線「花園」駅より徒歩7分、京都市バス・京都バス「木辻南町」より徒歩2分、京都市バス「西ノ京円町」より徒歩10分、阪急京都線「西院」駅よりスクールバス運行
学生数: 136名(中学校)
981名(高等学校) (2016.11.1現在)
ホームページ: http://www.kyoto-hanazono-h.ed.jp

 

禅を学び
世界で活躍できる精神性を育む

 始業前、妙心寺の境内にある禅堂に集まったSGZコースの中学1年生たち。裸足で坐を組み、姿勢と呼吸を調え、僧侶の打つ鐘と柝(ひょうしぎ)を合図に坐禅を組む。物音ひとつしない静寂の中、時間がゆっくりと流れる。やがて1人の男子生徒が合掌すると、僧侶が前に立ち、手にした警策で背中を打つ。「パシッ、パシッ」という音が堂内に響き渡る。続いて何人かの生徒が合掌。そのたびに警策の音が響く。20分後、終了の合図で坐禅を終えた生徒たちは、静かに立ち上がり、禅堂を後にする。ひとたび外に出ると、楽しげな声が飛び交い、小走りに教室へと急ぐ。元気いっぱいの子どもたちだ。

 中学に入学して初めて坐禅を組んだ男子生徒は、「はじめの頃は20分が長かった。今は集中できないときに合掌して警策を受けます」と話す。また、坐禅の間は何も考えていないという女子生徒は、「まだ警策を受けたことはないけれど、打たれると気持ちいいって聞いたので、そのうち試してみたい」と笑顔を見せた。

 福田篤校長は、「中学1年の段階で、坐禅という精神的な取り組みを、どこまで受け止められるかと懸念していましたが、最初から意欲的で、警策も楽しみにしていたようです」と目尻を下げる。

 SGZコースは「英語×禅」のカリキュラムにより6年後の海外大学進学を目指す。

 「いまや日本の大企業は、海外での企業活動が7割以上を占めており、国内だけに目を向けていると選択肢が限定されます」

 変化の激しい時代に地球を舞台に様々な人種の人たちと協働し、自分らしく活躍するためには、日本人としての確固としたアイデンティティや哲学が必要だ。その答えのひとつが「禅」である。坐禅は自己の内面を掘り下げ、柔軟な発想や潜在的な可能性を引き出していく。

 SGZコースでは、始業前の「早朝坐禅」や毎週の「禅」講座、さらに宿泊を伴う修行体験など、禅を学ぶ機会を多く設けている。

 グローバル教育推進室統括責任者である中村広記一貫教育部長は、「禅のスピリットは海外でも注目され、脳にもたらす効果は様々な研究機関が立証しています」と話す。

 スティーブ・ジョブズやジョン・レノンなど各界の著名人が禅に啓発され、精神性を高めていったことはよく知られている。

「英語のシャワー」を
ふんだんに浴びる学習環境

 今年度入学した第1期生は、SGZコース24名とディスカバリーコース37名。1学期に実施したアンケートによると、「花園で成長できたと思うことは?」という問いに対し、「英語力」と回答した生徒が22名と一番多かった。以下、「感情のコントロール」7名、「プレゼンテーション力」6名と続く。

 多くの生徒が「英語力が伸びた」と実感しているように、両コースとも英語学習は圧倒的な量と高い質を確保している。

 週8時間の英語の授業のうち、5時間はネイティブ主導のチームティーチング。これに加えて、数学の2時間と理科の3時間はネイティブによる「英語イマージョン教育」。週2回は、スカイプを利用してフィリピンの講師とマンツーマンの英会話レッスンを行う。講師は英語の授業進度に合わせて会話をリードし、生徒も臆することなく受け答えしている。さらに、週1回のeラーニングで、発音チェックやタイピング、文法などをトレーニングし、英語力を確実にアップさせている。

 中学2年までは両コースとも同じカリキュラムで学び、中学3年に進級する段階でコース変更も可能だ。中学3年以降は、国内・海外それぞれの進路へ大きく舵を切る。

 SGZコースは高校3年になると、週5日、午前中は提携する「NIC International College in Japan」によるオールイングリッシュの「NIC講座」を受講する。NICは、海外大学進学において日本屈指の実績を挙げている教育機関。「世界大学ランキングトップ50」を進学目標にディベートやプレゼン、ロジカル・クリティカルシンキングなど実践的なカリキュラムを展開する。

 また、進路指導もNICがサポート。すでに10月には両コースの生徒・保護者向けに海外大学進学セミナーが開かれた。

知性と感性を刺激する
教育プログラム

 福田校長は、「1期生は好奇心旺盛で積極的。今までにない活力を感じます。これは、元々の性格というより、本校の教育課程に刺激されたと考えられます」と話す。

 同校では以前からグローバルスタンダードの教育を目指し、アクティブラーニングの研究を重ねてきた。電子黒板やiPadなどICTも活用している。

 中村部長は、「中学は全教科が参加型授業です。生徒はiPadを使いこなし、自由に発言し、伸び伸びと授業に参加しています」と話す。

 例えば、国語では自分の好きな詩について調べ、その魅力をプレゼンする。SGZコースの「禅」講座では、妙心寺の塔頭寺院を廻り、興味を引かれたものや禅宗に関わる事柄を調べてレポートにまとめ、さらに高校1年の先輩に手伝ってもらいながら英文に翻訳。8月末の報告会で1年生全員と保護者、教員の前で英語で発表した。

 教科の授業以外でも、「超一流の本物」が生徒の知性や感性を刺激する。

 毎月行われる茶道教室は、妙心寺と関わりの深い裏千家家元の千宗室氏のアドバイスのもと、裏千家今日庵のブルース・濱名氏から指導を受ける。アメリカ人の濱名氏の指導は時折英語も交じる。

 「『イマージョン茶道』です」と顔をほころばす中村部長。

 茶道教室を開く場所も妙心寺の塔頭寺院。本物志向である。茶道教室は6年間継続する予定だ。いつか生徒が茶道を英語で発信する日が来るに違いない。

 また同校は、「真のグローバル人材育成」という教育方針を共にする京都大学工学部地球工学科国際コースと協定を結び、様々な連携プログラムを実施している。国際コースは、世界各国から志の高い優秀な留学生が集まるオールイングリッシュのコース。研究室訪問や留学生との交流会、妙心寺案内プログラムなど、今後SGZコースの生徒が活躍できる機会は多い。

 今春の入試で予想を超える志願者を集めた新コース。来年度募集に向けたイベントには、すでに昨年より多くの参加者が訪れ、関心の高さを伺わせている。

 
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