オープンスクール開催
日本全国に広がる東海大学のネットワーク。その一辺を担うのが東海大学付属仰星高等学校中等部である。今回はどのような設備や制服があるのか、また、どんな授業を受けるのかを具体的に知ることのできるオープンスクール開催とあって、非常に多くの受験生が参加した。
全国に3つの大学と４つの短期大学を持ち、オリンピック代表選手輩出を初めとした国際社会への貢献も大きく、各界から多くの注目を集めている東海大学。その付属校のひとつである東海大学付属仰星高等学校中等部のオープンスクールが去る10月30日に行われた。
参加対象となるのは、2005年度に中学受験を控えた小学６年生児童とその保護者。施設紹介や制服紹介などのほかにも、自分で選択する体験授業やクラブ活動への参加もできるとあって、定員の100名を超える多くの参加希望者が続出。参加人数は最終的には105名の児童に決まったものの、申し込みが遅れた児童の中には、参加を断念しなければならないほどの人気ぶりである。
式典は午前9時30分から行われたために、朝早い時間にもかかわらず、講堂には開始を待ちわびる児童の声が弾んでいたが、式典開始を告げる放送が入り、壇上に立った成田 吏校長の挨拶が始まる頃には、期待に胸を膨らませながらも真摯に言葉に聞きいる姿があちらこちらに見られた。
「当校の創始者は建学の精神として『若き日に汝の思想を培い、体躯を養い、智能を磨き、希望を星に繋げ』という言葉を残しました。われわれ教員一人ひとりがこの言葉を心に抱き、生徒全員の指導に当たっております。皆さんもぜひ、中等部に入学し、未来の、自分自身を築いてください」
との成田校長の言葉は、来年の入学を心待ちにしながらも、これから中学受験という厳しい壁を乗り越える必要のある児童たちへのエールである。
その後、教務主任・生徒部主任のオリエンテーションが行われた。また、制服の紹介もあり、きりりと引き締まった制服姿に憧れの眼差しを送る児童が多く見られた。このときの制服モデルや休憩前に行われた施設見学の案内なども仰星に在籍する生徒自身が行い、生徒の自立心を重んじる指導が行われている仰星ならではのオープンスクールとなった。
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選択制体験授業とクラブ体験入部
休憩を挟んで行われた体験授業は算数・国語・理科・社会といった小学校でも行う主要４教科。児童各々が自ら受講したい教科を選んでおり、その教室に分かれて授業を受ける。
国語では文章作成時に重視される５Ｗ１Ｈについて学んだ。テキストに使われたのは仰星新聞。また、情報化時代に生きる児童に合わせて、PC教室でコンピュータを使った授業となった。
算数は５円玉で回す変形ゴマ。三角形の厚紙に対し、重心をどこにおけばうまくコマとなって回るかを、算数の視点から考えて作成する、スライドを使った説明で、児童にも見やすく、わかりやすく授業が行われた。
社会のテーマは「イギリスってどんな国？」。遠い海の向こうの異文化をクイズ形式で面白く学べるように、１〜４までの番号札が児童に配られた、授業では出される問題に対し正解を思い思いに掲げ、自分の勘違いを正したり、思っても見なかったことを知ることができる楽しい授業となった。
理科は実験を中心とした授業を行い、化学実験室で人工イクラを作成した。昆布に含まれるアルギン酸を化学作用させてカプセル状にすることで、天然のイクラと同じ触感を持たせることができる、ということを板書で示した上で、児童に実際に人工イクラを作る実験を行わせた。イクラは魚卵の中でも非常にポピュラーな食材の一種であるため、児童の関心も高く、安全でありながらも活気あふれる実験を個々に行っていた。
この後、希望者によるクラブ活動への体験入部なども行われ、野球、サッカー、ラグビー、女子バレーボールや剣道、吹奏楽といった希望するクラブに仮入部した児童が、戸惑いながらも先輩に教えてもらう姿が微笑ましい。
今後、受験までは様々な問い合わせにできる限り答えていくという東海大学付属仰星高等学校中等部。来年の春には、今回のオープンスクールに参加した生徒が数多く、この学校の門をくぐることは間違いないと思われる。
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