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中学・高校受験:学びネット

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龍谷大学付属平安中学校・平安高等学校

 
  改革の成功で生徒の成長が顕著に
中学受験で年々人気が高まる注目校
こころを育てる『宗育』を根幹にし、その上に知性の開花と体育の充実を実らせていく。これが龍谷大学付属平安中学校・高等学校の基本的な教育方針だ。この方針を礎に、近年改革が進んでいるが、創立140周年を迎えた今年度も、生徒の力を底上げするための改革はまだ進行中である。特に中学においては、改革とともに生徒の成長が著しく、それに伴って中学受験校としての人気も上昇。中学受験を振り返るセミナーや講座などでは、必ず名前が上がる人気校となっている。今回はその中学校に焦点を当てて取材を試みた。

校 長: 燧土 勝徳
住 所: 〒600-8267 京都府京都市下京区御器屋町30
電 話: 075-361-4231(代)
交 通: JR・近鉄線京都駅、近鉄線東寺前駅、阪急京都線四条大宮駅、京阪七条駅より市バスまたはJRバスで七条大宮下車。JR山陰本線(嵯峨野線)丹波口駅より徒歩10分
学生数: 中学校 385名
高等学校 1,350名 (2016.7.1現在)
ホームページ: http://www.heian.ed.jp/

 

学年が上がるごとにクラスを再編成
切磋琢磨で全員が力をつける指導

 龍谷大学付属平安中学校・高等学校が龍谷大学の付属校となり、現在の校名に改名したのは2008年。その後も改革を続け、2012年度からは中高6カ年一貫教育を実践。国公立、有名私立大学への現役合格を目指している。

 「龍谷大学付属平安中学校・高等学校は京都で有数の歴史のある学校です。その長い歴史と伝統の中で得てきたものを大切にしながら、毎年、より良い教育のために改革を重ねてきました」そう振り返るのは就任5年目となる燧土勝徳校長。

 元々、高等学校は地元京都で人気が高く、毎年多くの生徒が入学している。しかし、中学校もこの数年、中学受験を振り返るセミナーなどでは『中学受験の成功例』として名前が挙がるほどの人気が続いている。その秘密の一つが、近年、次々と行われている改革だ。中学では昨年度からは到達度別のクラス編成を実施し、生徒は入学時に特進Aと特進Bに分けられているが、中学3年生では特進SAと特進Aクラスに編成。高校に上がれば一貫選抜の特進SAと特進Aに分かれて学ぶことになる。

 一方、高校からの入学生は、入学時に硬式野球部の生徒によるアスリートと、龍谷大学と連携するプログレス、国公立・有名私立大学進学を目指す選抜特進の3コースに分かれる。この選抜特進コースは、選択教科によっては一貫選抜と合同の授業を受けることになり、双方の生徒が良い刺激を与え合うことになる。

 この制度をはじめた初年である昨年4月、90名募集のはずが、149名入学・4クラスとなった。どの生徒も成績を上げ、現在の中学2年はAクラス3・Bクラス1の編成になっている。SAクラスは京都大学や大阪大学、神戸大学をはじめとした難関国公立大学へ、Aクラスは関関同立以上の有名私立大学へ一人残らず合格できるように指導が行われる予定だ。

ドラゴンゼミ導入などの工夫で
生徒個々の力に合わせた実力アップ

 日々の平常授業では、履修の早さに戸惑う生徒も、現在の履修内容ではものたりないと思う生徒もいる。その両方に満足感を得させるために、週3回、7限と8限目を使ってドラゴンゼミJr.を開いている。個人のレベルに合わせて実力を底上げできるので、習熟度の差に関係なく、それぞれが学力を伸ばしていけるのだ。

 「ハイレベルの子たちは、しっかりと課題を与えることで、自ら問題を解決してさらに難易度の高い問題を求めていきます。中間レベルの生徒も同じ。平常授業の進度が厳しいと思う生徒は様子をよく見て、どこに弱点があるのかを見極め、その部分を克服することで勉強が嫌にならないよう、学ぶことの楽しさを教えながら進めています」

 全員のレベルを上げることをモットーにしている龍谷大学付属平安では、このドラゴンゼミの他にも週6日制の中、中学1年からチューター制やeラーニングを取り入れて、生徒たちの成長を促している。

 特に中学生には体験を通じて得ることの大切さを伝えるため、イベントやキャンプなどの体験も年間行事に多く含まれている。中でも、自然科学系に関する体験は豊富に積ませてやりたいという校長の思いがある。

 「文科系の精神は日々の授業や教員たちとのふれ合いの中で学んでいきます。しかし、自然科学系の感性の成長には、自然に触れたり実験を行うなどの体験を通じないとなかなか育ちづらいでしょう。そこで自然に触れたり学ぶ機会を多く作り、生徒の興味や関心を引いて、感性の成長につなぐのです」

 また、生徒の悩みや弱点を知るためのツールとして取り上げられているのが『あゆみ』だ。生徒自らが行動や学習内容、感じたことをこれに記載し、保護者や担任が内容を把握、生徒の成長をサポートする。この『あゆみ』は生徒と教員の間の良いコミュニケーションツールとして、40年以上にわたって実践されている。

生徒一人ひとりと交流する時間を
校長が中学3年全員と面談

 こころの教育の一つが仏参の時間。僧侶でもある燧土校長を含めた様々な教員が、人としての心の成長につながるような話を聞かせている。『大切なのは、自己の真実の姿を真摯に尋ねること』という燧土校長の言葉は、「人間は誰もが自己中心的であり、他人の前では本質を出さずに自分を偽ることがある。今、自分の真実(ありのまま)の姿を見せているかを常に自らに問いかけ、人間としての真の生き方ができるようにしてほしい」という深い意味を持っている。

 また、中学3年生の卒業前に、燧土校長は卒業を控えた3年生全員と個別に面談する時間を持つようにしている。

 「多くの生徒が体育祭・音楽祭・イングリッシュデーなどの大きな行事の思い出を語りますが、入学時に同じ小学校からの出身者がおらず、人間関係で苦しんだり、悩んだ経験を語る子もいます。卒業時までにはそういう問題に関してはすべて解決できるよう教員たちも心を砕いているので、悩みも苦しみも面談の時点では思い出になっているようです。『いい出会いがあった』『いい先生に巡り会えた』という感動を伝える生徒もいれば、『先生たちに迷惑をかけた』『あの頃の自分は子どもだった』と自身を反省する生徒もいます。こうして生徒から聞ける言葉は、それがどんな言葉でも、私には喜びです」

 こういった心と体と知性を育てる指導により、龍谷大学付属平安の合格実績は向上。昨年度は国公立40名、関関同立早慶上理に90名、龍谷大学へは307名が合格するという、高い実績を出している。(数字は延べ人数・過年度生含)

 
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