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中学・高校受験:学びネット

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報徳学園中学校・高等学校

 
  二宮尊徳の報徳思想を現代に継承しつつ
国際教育、キャリア教育にも力を入れる
1911(明治44)年創立の報徳学園中学校・高等学校。今年105年目を迎える伝統の男子校である。中学から入学する中高一貫課程には、難関国公立大や医学部を目指すU進コースと、勉強と部活を両立できるT進コースがある。高校になると選抜特進、特進、進学の3コース。今春は大阪大、神戸大、北海道大を始め国公立大へ43名が合格。関関同立にも128名が進学を果たした。スポーツで全国的な知名度を持つ学校だが、実は進学面でもこれまで東京大、京都大への現役合格者を出すなど高い実績を誇っている。

校 長: 住友 正博
住 所: 〒663-8003 兵庫県西宮市上大市5-28-19
電 話: 0798-53-3021
交 通: 阪急今津線「甲東園」駅下車20分
学生数: 中学校 399名
高等学校 1,219名 (2016.7.1現在)
ホームページ: http://www.hotoku.ac.jp

 

2週間のセブ島語学研修で
先生も驚くほど英語力がアップ

 報徳学園では約30年前から国際教育に取り組んでいる。これまで中3から高2を対象にオーストラリアやアメリカ、イギリス等で語学研修を行ってきた。加えて今春からU進コース独自の語学研修を始めた。行き先はフィリピンのセブ島で2週間の滞在だ。フィリピンは島によって言語が異なるため、英語が共通語として用いられており、小学校から大半の授業を英語で行っている。

 「授業は朝8時から夕方5時までみっちりと英語のレッスンです。そのうち4時間はマンツーマン指導。寮に帰っても、夜8時半まで生徒は懸命に自習していました」と同行したU進コース主任の堀谷享生先生は話す。

 「実はこの研修に行く前、英国社の『教科横断型学習』」でフィリピンのことを1年間勉強したんです。アジアの歴史を調査し、英語でのスピーチなどの訓練を積んできました。現地ではフィリピンの国民性もあって明るくフレンドリーな環境でしたが、海外なので自分の意見をしっかりと表明しないといけない。日本人には苦手なことですが、授業が進むにつれ、生徒もそのスタイルに慣れ、驚くほど積極的に話すようになりました」

 授業だけでなく現地の医学大学で講義を受けたり、孤児院を訪問して交流をするなど幅広い活動を行ったという。

 カオハガン島という離島へ渡り、そこに暮らす日本人の崎山克彦さんの話も聞いた。崎山さんは『何もなくても豊かな島』という著書を出しており、現地で教育や医療の支援をしている人物である。

 「現地の人と交流するカフェトークという時間も設けられていたのですが、そこで英語の会話に詰まっている生徒はいなかったんです。研修の最後にはスピーチコンテストが行われ、大勢の観客の前で堂々と話す生徒の成長ぶりに、中1から英語を教えていた先生は『涙が出そう!』と感激していました」

卒業生も駆けつける
恒例の勉強合宿
学力を伸ばす数々の工夫

 春と夏の長期休暇に学校外で「勉強合宿」を行うのもU進コースの伝統だ。「学びをデザインする」というコンセプトで各教科4つのコースを設定しており、生徒は好きなコースを選ぶ。学年の枠を超えてU進の生徒がひとつの部屋で学ぶこの合宿には、毎年卒業生も駆けつけ、現役とOBが膝をつきあわせての交流を図っている。

 その他、U進では土曜を「学習Day」と名付け、英数国の4時間連続授業を行う。毎朝の朝礼後には早朝テストも実施。9割正解で合格だが、それに達しない場合は放課後に補習。問題が解けるまで生徒はがんばっている。

 また、中2では「国際交流合宿」が恒例になっている。日本に滞在する外国人留学生に英語で京都案内をし、英語のコミュニケーション能力を養う2泊3日のプログラムである。

独自のキャリア学習を実施
来春からさらに充実した内容に

 「T進はU進のグレードダウン版と思われがちですが、実際は勉強のスタイルが違うだけなんです。そのイメージを変えていきたい」と断言するのは、この春にT進のコース主任になった新庄秀臣先生。来春から適用する中高6年間のプログラムを現在、構想中である。

 「学習スタイルの改良もありますが、大きく変えようとしているのは学校行事です。これまでも単体では様々な行事を行っていますが、6年間通して育みたい能力を明らかにした上で、必要なイベントを考えていきたいです。」

 現在、中2で行う国際交流合宿をより充実したものとするため、中1の時点で英会話実習を校内で実施したいと企画中。中3では、疑似人生体験合宿を。受験、大学生活、就職など自分のライフイベントをシミュレーションしてみる試みである。高1になると、中1の英会話実習を実際に生徒の手で運営してみる。また、離島に渡ってサバイバルキャンプを行い、課題発見・解決、そしてチームワークを体得する構想も話してくれた。

 「CDE(キャリア発達教育)」と称する独自のキャリア学習を実施している同校。U進とT進の大きな違いが、このCDEである。入学の時点で難関大を目指すU進と違い、T進は将来の目標がまだ明確になっていない生徒もいる。6年制という利点を生かし、できるだけ早い時点で「働くということ」に関する目標を持ってもらい、それを実現するために自発的な学習意欲を育むと共に、社会で生きていく上で必要な能力も育んでいく。

 中1では「自分を知る」がテーマ。主に自分の意見を他者に伝える訓練を行う。中2は「他を知る」。ブレストやプレゼンを通して、社会問題発見のグループワークに取り組む。

 「社会の課題と言うと、生徒はどうしても大きな問題を選びがちですが、まずは身のまわりのことから考えようと提案しました。学校指定のリュックが使いにくい、というテーマを掲げたグループがあり、調査をしてみたら、雨の日にサイドポケットに水が溜まるのがイヤだという意見が多かった。では、どうやって解決していけばいいのかを、グループで討議しプレゼンをしました。大切なことは、『プレゼンがうまくいくか』ではなく、これらの作業を通じた経験です。失敗してもそれをやり直す機会を設け、さらに良いものを目指す。この経験こそが大切なのです」。

 中3は「職業を知る」。生徒の保護者が来校し、仕事現場のことを講義してもらう。これまでも電機メーカー、商社、NPO法人など様々な分野で働く方が来校している。

 高1になると大学研究。高2はキャリアプロデュース。実際に大学の志望理由書を書いてみる。また、全教科に関わるテーマを設定し、高1生向けにプレゼンテーションをする総合テーマの研究発表も行う。高3になると、本番に備えて面接や集団討論のトレーニングなどに挑んでいる。

 
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