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中学・高校受験:学びネット

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園田学園中学校・高等学校

 
  生活と関連づけて学ぶ「生物基礎」
園田学園高等学校の特別進学コースは、国公立大や難関私大への現役合格をめざし、徹底した少人数制で高いレベルの学力を養成している。しかし、それだけにとどまらない。生徒の多くが勉学とクラブ活動のどちらにも本気で取り組む文武両道のコースでもある。ゴールデンウイークの谷間の5月6日(金)、特進コース1年生の授業を見学した。

住 所: 〒661-0012 兵庫県尼崎市南塚口町1-24-16
電 話: 06-6428-2242
ホームページ: http://www.sonodagakuen.ed.jp

 

ひとつの細胞から広がる世界

 3連休明けの1時限目。1年8組は小林ひかり先生の「生物基礎」の授業だ。

 「中間試験までガンガン進みます」

 高校入学後、初の定期試験まであと11日。小林先生の一言で、クラス全体が一気に集中モードに入る。

 特進クラスは1クラスの定員を最大30名としている。1年8組は29人編成。その半数が内部進学の生徒だ。クラスの約8割がクラブに加入し、毎日練習に励んでいる。

 今日の授業は、「細胞」。小林先生はアメーバーの図を板書し、両手でジェスチャーを交えながら「植物細胞もジュワーと動きます」と、「原形質流動」を説明する。手の動きが印象的で記憶に残りそうだ。

 次に「細胞を構成する物質」を考える。一番多い物は何かという問いに、生徒からすぐには答えが出てこない。

 「○○さんを絞ると何が出てくる?」

 小林先生が絞る真似をして見せるとどっと笑いが起こり、「水!」という声があがる。「一般的に、動物も植物も生物の70%は水」という説明が加えられ、続けざまに「次に多い物資は?」「その次は?」と、発問と答えのやりとりがハイペースで進む。タンパク質や脂質、炭水化物が出たところで、「三大栄養素」・「五大栄養素」を確認する。

 「これは一般常識だからね」と小林先生。

 生徒たちから次々と答えが出てくる。リラックスして自由に発言できる雰囲気だ。無機質に関しては、鉄や亜鉛などの化学記号も確認。さらに、それぞれの栄養素を多く含む食品へと話題は広がり、「動物細胞と植物細胞を構成する物質の違い」と栄養素が関連づけられる。

 小林先生のポリシーは、教科書の内容だけでなく、普段の生活で必要な知識を意識的に取り入れていくこと。そうして「生き物とは何か」というところまで考えが及ぶことを願っている。

手を動かして細胞の構造を理解する

 細胞を構成する物質を押さえた後は、単細胞生物と多細胞生物の比較だ。

 小林先生は生徒にゾウリムシをノートにスケッチするように指示。

 「輪郭は必ず1本の線で描く。濃淡は塗らずに点で表す」と注意事項を付け加える。

 ゾウリムシは単細胞生物。1個の細胞のなかに様々な機能が備わっている。これに対して人間は多細胞生物。1個の受精卵からさまざまに分化し、成長するにしたがって60兆個まで増える。小林先生は、単細胞生物をワンルームマンションに、多細胞生物を豪邸に喩える。生徒たちは納得の表情だ。

 ではゾウリムシの構造はどうなっているのか。小林先生が細胞小器官の名称とその働きを説明し、生徒に人間の臓器や器官と対比して考えさせる。

 授業はテンポよく進み、ヒトのからだを構成する60兆個の細胞は大まかに「上皮組織」「筋組織」「神経組織」「結合組織」の4つの組織に分類できることを説明して終了。あっという間の50分だ。

 授業後、ある生徒は「生物は自分の身体のことも分かってくるのでおもしろい」と笑顔を見せた。また、毎日ダンス部の練習に励んでいるという生徒に、勉強と部活の両立について聞くと、明るく「がんばってます」と答えてくれた。

 小林先生と生徒たちの掛け合いでペース早く進む授業。内容もぎっしり詰まっているが、生徒たちの明るい表情が、「しっかりついていってます」と語っているようだ。

 
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