進路総合コースを
2年次から2分化
樟蔭東高等学校の普通科は、進路総合コースとスポーツコースの2つがある。
進路総合コースでは、今春の入学生から2年進級時に「アドヴァンス」か「キャリア・進学」を選択することになった。「アドヴァンス」は、いわば“特進”で、極めて少人数の精鋭クラス。国公立大・難関私立大合格を目指して、週37時間の授業に加え、放課後・長期休暇中の課外授業も実施する。「キャリア・進学」は、4大、短大、専門学校と多様な進路に対応したクラス。ごく一部だが、就職希望の生徒がおり、個人に合わせた就職指導も行われている。
スポーツコースは、従来4つあった強化クラブが、今春からバドミントン(女子)と女子ラグビーの2つとなった。しかし、来春入学生からは、2つの強化クラブだけでなく、学校以外で高いレベルの競技活動(ゴルフ、水泳、体操、スケート、自転車、その他)に挑む生徒も対象となる。
従来、両学科とも土曜日は授業だが、スポーツコースは来春から土曜日の授業をなくし、クラブ・競技活動に専念できるようにする方針だ。
「女子バドミントン部は、大阪の強豪トップ3の1校です。今年は1・2年生だけで戦い、インターハイ予選・団体戦3位、個人戦もあと一歩という戦績でした。
また、本校では運動場を全面天然芝生にするほど女子ラグビーを強化し、経験者・未経験者を問わず全国大会を目指して頑張っています。また、小・中学生を対象とする『ラグビーアカデミー』の活動に運動場を開放するなど、ラグビー普及にも協力しています。ラグビーのまち地元・東大阪市も応援してくれております。また、来春入学生からの『学校以外の競技活動』については、様々な競技・種目を対象としますが、事前にご相談ください」と入試広報室の西岡 弘室長。
次のステップで
力を発揮できる生徒に
衛生看護科が誕生して7年。今春、2期生が巣立った。同校の衛生看護科は、本科3年・専攻科2年の5年一貫教育。最短の20歳で看護師国家試験の受験資格が得られる。しかも、専攻科進級時に入試・入学金は不要であるうえ、大学、短大、専門学校と比べて授業料は格段に安い。西岡室長は「2期生の国家試験合格率は、1期生の合格率を上回り、着実に成果を上げていますが、目標は90%以上です。希望者受験の准看護師試験には全員が合格し、病院就職率は100%でした」と手応えを感じている。専門予備校とタイアップして、国家試験対策講座を行った成果だ。
「衛生看護科の生徒の保護者は、看護師の方がとても多いんです。専門家に評価されているということですので、自信になります」と西岡室長の顔がほころぶ。 |
また、来年4月から、高専同様、専攻科卒業生の大学編入ができるようになる。大学の看護学部に編入すれば、看護師に加え、教員免許の取得も可能になる。「生徒の進路の選択肢が広がるのがうれしい」と西岡室長は破顔一笑。卒業生が先生となって同校に戻り、後輩の指導にあたる、そういった、正の連鎖が広がってほしいという熱い思いが、記者にも伝わってきた。
「本校には、突出した高い学力の子が入学することは少ないです。ただ、進学や就職、本校専攻科への進級といった次のステップで頑張る子に育てて送り出しています」。同校の体制が伸びしろを育んでいるようだ。例えば、各クラスに担任・副担任がいて、こまやかに指導している。さらに、専門のスクールカウンセラーが2人(男女各1)常駐。また、人間力を育てるため、普通科・衛生看護科とも、総合的な学習の時間で防犯対策講演会、ミュージカル鑑賞、歌舞伎観劇など、多彩な取り組みを行い、ボランティア活動の一例として、通学路で様々な花を苗から育てている。
通学路を美しく彩る花々。それはまるで、樟蔭東高校とその生徒たちの前途を示しているように思えた。
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