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中学・高校受験:学びネット

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京都橘中学校・高等学校

 
  Sコースは約9割が国公立大に現役合格
Vコース1期生にも期待
京都市南部、桃山御陵のあふれる緑に囲まれた京都橘中学校・高等学校は、2000年の男女共学化を機に、「文武両道の進学校」への道を歩みだした。2009年に新設した高校の国公立特進(S)コースは、1期生から連続して、卒業生の9割近くが国公立大学に現役合格を果たしている。2010年に開校した中学校の中高一貫(V)コースの1期生は、いま高校2年生。着実に学力を積み上げてきた。今年、新校長に就任した三輪欣之校長は、「来年度の進学実績に注目していただきたい」と自信をのぞかせる。

校 長: 三輪 欣之
住 所: 〒612-8026 京都市伏見区桃山町伊賀50
電 話: 075-623-0066
交 通: 京阪宇治線「桃山南口」駅下車、西へ徒歩5分/JR奈良線「桃山」駅下車、東へ徒歩10分/ 近鉄京都線「桃山御陵前」駅下車、東へ徒歩15分
学生数: 中学校 169名
高等学校 923名 (2014.7.1現在)
ホームページ: http://www.tachibana-hs.jp/

 

全国優勝5回の名監督が
進学指導を強化

 京都橘中学校・高等学校は、京阪宇治線、JR奈良線、近鉄京都線の各最寄り駅からそれぞれ徒歩10分前後と交通アクセスに恵まれている。京都市内はもちろんのこと、大阪、奈良、滋賀方面から通う生徒も多い。自然豊かな広々としたキャンパスは、文武両道を志すにふさわしい学習環境だ。

 三輪校長は今年32年目。女子バレーボール部を弱小チームから強豪へと育て上げた名監督である。全国大会出場59回、全国優勝5回の実績を誇る。卒業生にはロンドン五輪で銅メダル獲得に貢献した中道瞳選手を始め、Vリーグで活躍中の選手が数多くいる。

 3年半前、千葉国体の試合中に脳梗塞とくも膜下出血で倒れ、ドクターヘリで救急搬送された。一命はとりとめたものの半身麻痺で車いす生活を余儀なくされる。しかしリハビリに励み、驚異の回復力で奇跡の復活を遂げた。現在も監督としてコートに立つ。強靭な体力と精神力の持ち主である。

 三輪校長は、「本校のスポーツと芸術の伝統はそのままに、これまで以上に進学指導に力を入れ、文武の『文』を強化していく決意です」と抱負を語る。

 校長に就任して最初に取りかかったのは、全教員の授業の見学だ。授業中の生徒の表情などを観察し、感想をメモする。その結果は、1学期末の生徒による授業アンケート結果とともに会議で発表する予定だ。「いつ校長が来るかもしれないという緊張感は、集中力を高めます」と三輪校長。2学期以降も授業見学を続ける。

タイムマネジメントで
計画的学習を習慣づけ

 2010年に開校した中学校は、東大や京大、阪大など難関国公立大を進学目標とする。募集定員60名の2クラス編成で、中学2年次より英語と数学は習熟度別授業を行う。週35時間の授業時間を確保し、高レベルの学力を身に付けさせている。

 「スポーツの世界では、一生のうちで一番吸収力の高い8〜14歳ごろまでをゴールデンエイジと呼びます。学習においても中学1〜2年は飛躍的に伸びる時期です」。

 実際にVコースでは、入学時点の偏差値が40台だった生徒が、中学2年終了時には70台まで伸びた例もある。学びのなかで勉強の楽しさを知った生徒は急激に伸びる。

 三輪校長は、「生徒の心に火をつけることが、最大の目標です」と話す。

 そのための一連の取り組みが「橘メソッド」である。「自立学習」、「授業力」、「総合学習プログラム」、「キャリア教育」など、生徒を伸ばす基盤となっている。

 「橘メソッド」は、時間管理から始まる。入学と同時に配布されるTM(タイムマネジメント)手帳を使って日々の学習計画を立て、実際の学習時間と内容も記録する。毎週、担任に提出してチェックを受ける。計画的に学習する習慣を身に付けることが目的だ。

 「意識して習慣づけて、それが無意識にできるようになれば将来大きな力となります」

 校内での自学自習も奨励している。中高共同の自学自習室は80席。朝は7時から、放課後は19時まで利用できる。その他にも、職員室前のブラウジングコーナーや図書館の個別学習ブースなど、自習できるスペースを用意している。

 中学3年間の学びの集大成となるのが卒論だ。自分でテーマを決め、調べ、原稿用紙20枚の論文に仕上げる。最後にプレゼンも行う。

 「生徒それぞれの知的好奇心のありどころや、その深さを知ることができて、保護者にも好評です」

 Vコースは、高校進学後も単独コースとして、高校からの入学生とは混じらない。しかし来年度入学生からは本人の希望と適性により、高校進学時に他コースへの転コースが可能となる。

国公立大学への
新たな可能性が広がる

 高校は、中高一貫のVコースを含めて全4コースを設置している。2009年に開設した難関国公立大をめざすSコース。国公立大や難関私大を目標とするBコース。そして京都橘大学や多様な進路をめざすAコースだ。

 2000年の男女共学化以降、進学実績は伸び続け、今年は38名が国公立大に合格した。そのうちSコースは32名を占め、現役合格率は86%。1期生から連続で85%以上をマークしている。

 一方、Vコース1期生は現在高校2年生。めざすのはSコースと同じ難関国公立大。1
期生が卒業する再来年は、両コース合わせて約100名が受験に臨む。同校では、そのうちの8割、80名の国公立大合格者を目標としている。

 「本校では、『2016ブレイク』と呼んでいます」と三輪校長は笑顔を見せる。

 さらに、国公立大への新たな可能性も広がり始めた。推薦入試である。今年は9名が推薦入学した。そのなかに、女子バレー部で今年1月の春高バレー全国大会まで部活を続けながら、滋賀大学経済学部に合格した生徒がいた。これまでスポーツ推薦で国立大に進学した部員はいたが、一般の推薦入試では初の快挙だ。

 バレー部の練習は週7日、19時過ぎまで続く。推薦入試では小論文の力と英文読解力が求められる。

 「通学の電車のなか、遠征の新幹線のなかでも英語を勉強していました」

 三輪校長は、合格を知らされて思わず拍手し、本人と握手したという。

 小論文や英語が得意な生徒に国公立大への道を切り開きたいと、今年度から推薦入試を研究するチームを立ち上げた。これから合格のノウハウを蓄積していく。今年度は推薦入試で20名合格が目標だ。

 積極的に新しい試みに取り組んでいくという三輪校長。進学指導と同時に、人間力育成にも力を入れたいと考えている。

 「本校の良さは、生徒の明るさ、人なつこさです。その良さを活かしながら、基礎学力とともにEQ、社会性を高めていきたい」

 女子バレーボールチームの指導者として卓越した実績を持つ三輪校長が、今度は全校生徒がメンバーのチームを率いていくことになる。

 
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