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中学・高校受験:学びネット

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同志社中学校

 
  「自由・自治・自立」の精神を受け継ぎ、
教科センター方式でリベラルアーツ教育を学ぶ
比叡山を背景に広がる緑豊かなキャンパス。ゆったりと建ち並ぶ赤レンガ造りの校舎。2010年に完成した同志社中学校の新キャンパスは、景観の美しさと落ち着いた学習環境、そして近畿唯一の「教科センター方式」を実現した。教科ごとにゾーン化されたフロアでは、伝統のリベラルアーツ教育に基づいて広く深い学びが創り出され、その成果はハイレベルな課題研究や地元企業との共同プロジェクトへと発展している。

校 長: 竹山 幸男
住 所: 〒606-8558 京都市左京区岩倉大鷺町89
電 話: 075-781-7253
交 通: 京都市営地下鉄「国際会館」駅前徒歩すぐ(駅出口に校門が隣接)
学生数: 877名 (2013.9.1現在)
ホームページ: http://www.js.doshisha.ac.jp/jhs/

 

一人ひとりを主体的な学びに導く
「教科センター方式」

 新キャンパスは約10万uもの広大な敷地に、創立者・新島襄が学んだアメリカ・ニューイングランド地方の大学をイメージしてデザインされた。明るい陽が差し込む校舎は木材を多く用い、ゆとりある開放的な空間をつくりだしている。そこで尊重されているのは「自由・自冶・自立」の精神である。

 生徒は、自分で日々の予定を確認し「ホームベース」と名付けられたクラスの生活拠点から、毎時間、各教科の専門教室へ移動して学ぶ。

 竹山幸男中高副校長は「生活と学習の空間を分けて行き来することで意識が切り替わり、主体的な学びへと向かうことが出来るのです」と教科センター方式のメリットを語る。

 同校の最大の特長は、校舎が教科ごとにゾーン分けされていることだ。例えば理科ゾーンは、物理・化学・生物・地学の4つの特別教室と、隣接する「メディアスペース」、「教科ステーション(教員室)」で構成されている。メディアスペースには、ワニやカバのはく製など貴重な標本や、生徒が採集した化石、研究レポート、作品が多数展示され、見る者の知的好奇心を刺激する。ここは、いわば教師と生徒がつくる「学びを共有する黄金空間」。生徒たちは休み時間や放課後に、教科のメディアスペースで生徒同士や教師たちと語り合い、学びを深めていく。

 充実した施設設備が全教科にわたるリベラルアーツ教育を支えている。校舎の中心に位置する図書メディアセンターは3万8千冊の蔵書を有し、パソコン50台がインターネットに接続されている。今年度からは「iPad」も配備され、授業で活用される。各教科の専門教室には映像音響設備と電子黒板を完備。音楽では、誰でも利用できるピアノ常設の完全防音レッスン室。技術・家庭の木工・金工分野の教室には、工業高校や大学の工学部にしかないような旋盤など、専門的な加工ができる設備が充実している。

 英語はクラスを2分割した少人数授業のため、CALL教室も2つ設置。インターネットを利用した学習支援システムを導入し、家庭でも利用できるようにしている。

 さらに英語教育では、英語力強化のためアメリカ、カナダ、ニュージーランド留学と国際交流のプログラムを拡大している。今年は新たに夏休みのイングリッシュキャンプ、英語を用いる企業訪問、秋田・国際教養大学での交流研修を実施する。

リベラルアーツ教育を通じて
社会人基礎力を養成

 同志社中学校では、大学や社会につながる学びとして、広く知識を身につけながら、創造的な発想法をトレーニングすることに力を入れている。これが伝統的に行われてきたリベラルアーツ教育であり、「専門分野の枠を超えて問題を発見・解決する力」や「幅広い視野で物事を判断できる力」「人間としてのあり方や生き方への深い洞察力」を養成する。

 「環境問題や食糧・エネルギー問題など、いま地球規模で深刻化する問題に取り組むためには、そうした確かな教養と社会的な提案力が不可欠です」と竹山副校長。

 幅広く学ぶために、音楽や美術など実技系を含めてどの教科も大切にされる。授業はアクティブラーニング(能動的な学習)を取り入れている。調べたり発表したりする機会を多く設け、プロセスを重視しながら生徒の知識を広げ、理解を深めている。例えば社会科では、「いじめや児童虐待」「年金制度」など、テーマを自分たちで設定し、フィールドワークや街頭アンケートを通して問題を探求していく。

 生徒の知的好奇心と探求心、自由な発想は、夏休みの「自由研究・自主製作」に存分に発揮される。内容は、実験や手作り作品など多彩だ。ある生徒は、東日本大震災の被災地に赴いて市役所や住民に聞き取り調査を行い、被災地の現状や復興に向けてのポイントを30ページにも及ぶレポートにまとめた。また京大工学部を訪問し、宇宙太陽光発電所のマイクロ波による太陽エネルギー利用技術についてまとめた生徒もいる。これは大学側から「わかりやすい」と評価され、研究施設も見学者用に掲示されているという。自由研究はメディアスペースに展示され、互いに刺激を与えている。

 生徒の活動の場は学外へも広がる。通学で利用する叡山電鉄八幡前駅の修繕について生徒10名が、社会起業家を支援する「アショカ・ジャパン」とともに改修案を検討。今後、叡山電鉄に提案して取り組んでいく。また、別の女子生徒10人は京都市内のがまぐち専門店と共同で、大河ドラマの主人公・新島八重をイメージした小物入れを製作した。5月末から京都高島屋で販売したところ、すぐに完売。収益の一部は東日本大震災の復興支援に役立てるという。

クラスで創り上げる演劇が
将来のマネジメントスキルに

 同志社中学校・高等学校の卒業生は大多数が同志社大学か同志社女子大学に進学し、15%ほどが東大や京大、医歯薬系大学などに進学する。社会に出てからは、医師や弁護士、エンジニア、そして商社、金融、マスコミ関係など様々な分野で活躍している。そんな卒業生が中学時代を振り返り、「ありのままの自分を大切にしながら、将来への根幹を築くことができた」という。

 同校では、キリスト教に基づく全人教育をめざした新島襄の思いのもと「自由・自治・自立」の精神にのっとって教育活動が行われ、生徒が互いに認め合い啓発し合える気風が受け継がれている。

 また、学校行事やクラブ活動の果たす役割も大きい。秋に開催される学園祭では、クラスごとに演劇に挑戦する。キャストなど表舞台に立つ生徒、脚本、演出から衣装、照明など裏方に回る生徒まで、クラス全体がまとまらないと先へ進めない。「うまくいかないところも勉強です」。竹山副校長は「ぶつかり合い、協力し合いながら劇を完成させていくプロセスが、共感や共生する力を養います」と話す。実際に演劇創りが社会人になって求められるテクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルなどの原点になったと語る卒業生は多い。

 自由な校風のなかで、伸び伸びと主体的に学ぶ生徒たち。やがて次代のリーダーへと成長を遂げていくと思わせる。

 
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