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中学・高校受験:学びネット

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京都橘中学校・高等学校

 
  中高一貫Vコース1期生の高校進学を機に学力躍進
3年後には国公立合格80名も視野に
セルフラーニングやタイムマネジメント、8時間耐久学習、コラム学習など、独自の教育法「橘メソッド」で、ここ数年、飛躍的な成果をあげている京都橘中学校・高等学校。今春、中高一貫Vコースの1期生が高校に進学し、国公立特進Sコースでは、30人中26人が国公立大へ現役合格を果たすという快挙も。また、今春の模試では、4人の生徒が東大合格圏に到達するなど、一層の成果が期待されている。Vコース1期生が初めての大学受験に挑む3年後には、国公立80人合格という目標を打ち立てている同校。実現すれば、京都私学の地図を塗り替えることになる大いなる野望だ。3年後に焦点を当てた同校の新たなビジョンを伺った。

校 長: 稲吉 陽作
住 所: 〒612-8026 京都市伏見区桃山町伊賀50
電 話: 075-623-0066
交 通: 京阪宇治線「桃山南口」駅下車、西へ徒歩5分/JR奈良線「桃山」駅下車、東へ徒歩10分/近鉄京都線「桃山御陵前」駅下車、東へ徒歩15分
学生数: 中学校 183名
高等学校 888名 (2013.7.1現在)
ホームページ: http://www.tachibana-hs.jp/

 

今春の高校入学者
内申が大幅上昇
全体的な学力が底上げされた

 京都橘では、2010年に誕生した「中高一貫Vコース」の1期生が今春、高校へと進学した。上位2割が東大・京大などの難関国公立合格を目標とするVコース。学習時間は公立中学の1.5倍、週6日制を敷く徹底した進学コースだ。そのため中学3年間は課外活動も週3日に制限していたが、高校進学後は多くの生徒がクラブに所属。文武両道を楽しみながら、高校生活を送っている。

「Vコースの生徒は12歳の時から我が校にいますので、人懐っこいですね。先日も校外学習の見送りに行ったのですが、バスが出発する際、全員が大きく手を振ってくれる。本当に可愛いです」と目を細める稲吉陽作校長。
中高一貫コース初めての高校進学とあって「うまく溶け込めるか」との懸念もあったという。だが、杞憂に終わったようだ。

「Vコースが高校で孤立している感じはまったくありません。先輩後輩の関係もとても良好です。今春、サッカー部が全国大会に進み、国立競技場で決勝戦が行われましたが、そこにも率先して駆けつけてくれました」

 高校では、数学強化のため予備校から著名講師を招いて「数学道場」という特別講座を実施している。Vコースの生徒のうち半数が高2の数学道場を受講。正規の授業はすでに数Uに入っているので、道場でも高2のカリキュラムを難なくこなしているという。

 Vコースが高校に進学したことで、今春の高校入試は従来の8クラスから6クラスへと定員を減らした。その結果、内申の平均点が大幅に上昇。全体的な学力の”底上げ“が図られ、それが多方面に良い結果をもたらしていると校長は分析する。

模試では、高1生4人が東大合格圏内に
“かつてない事態”が到来

 その一例が「国公立特進Sコース」の躍進だ。Sコースは全員が国公立大進学を目標とするコースだが、2010年は国公立合格者が10人に留まっていた。ところが、11年は29人、12年には39人と急増。13年は、やや減ったものの32人が合格。ただし、30人までが現役合格という、これまでにない成果を出している。

 2011年に初の東大合格者を出し話題となった同校。校長は、この春の高1生の模試結果を受けて“かつてない事態”だと話す。

 「4月に実施したベネッセのスタディサポートの結果、東大合格圏であるS1レベルに、4人の生徒が到達していたんです。S3(旧帝大レベル)まで合わせると11人。この数字には、正直驚きました。Vコースの生徒が大学入試に初挑戦する3年後、2016年には、国公立合格80人を目標に設定し、様々な方策を練っています。これが実現すれば、京都の私学の勢力図が大きく変わると思います」

 この躍進の背景には、同校がこれまで積み重ねてきた独自の教育法が大きく関わっている。

“セルフラーニング”と“タイムマネジメント”で
大きく変わった生徒の学習意識

「橘メソッド」と名付けられ、日々の授業に取り込まれている同校ならではの教育スタイル。

「授業力」「英語力」「学習の総合化」「モチベーションアップ」「自立した学習」の五本柱のもとに独自の指導方針を掲げている。中でも特筆すべきは「セルフラーニング」だろう。文字通り自学自習のことだが、同校では生徒が自主的に学習できる環境を徹底して構築している。校内には、なんと5カ所もの自学習スペースが設けられているのだ。

 まず「教室」。職員室前にある「ブラウジングコーナー」。「図書館」には辞書を完備した個別学習ブースが配置されている。そして、「自学習専用の大教室」。ここには大きめのデスクが備えられ、日曜日も開放。それだけでなく、「食堂」も自学習スペースとして自由に活用可能という徹底ぶりだ。

「タイムマネジメント」も大きな成果をあげている。京都橘では、中高の全生徒にスケジュール手帳を配布している。生徒は一週間の学習計画を立て、週間予定表に書き込んでいく。その上で、実際の学習内容や時間数を記録。週単位で担任に提出し、チェックを受ける流れだ。生徒は自分自身で学習スタイルを考え、それを確立させていくためのツールとして、スケジュール手帳を駆使しているのだ。

「手帳を導入して生徒の意識は大いに変わりました。他の生徒がどれぐらい勉強しているか、その時間数や手法がデータとしてわかるんです。これは刺激を受けますよ。互いに意識するようになり、結果として成績上昇につながっています」

 スケジュール管理で得た各教科ごとの学習時間数や推移データは記録され、保護者面談時に参考資料として活用。具体的な数値をもとに家庭学習のアドバイスを行っている。

 また、連休時には「8時間耐久学習会」も実施。一日がかりで50分単位の自学習を8時間かけて行う、まさに耐久の名にふさわしい試みだ。生徒の集中力がかなり向上するという。

 創意と工夫を着実に積み重ねてきた京都橘。中高一貫Vコースが大学受験に初挑戦する3年後、その成果がどんな形で表れるのだろうか。

 

 
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