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中学・高校受験:学びネット

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好文学園女子高等学校

 
  多彩なコース設定で将来の職業選択の可能性を広げ
自立した社会に貢献できる女性を育成する
延原観司校長(理事長兼任)の就任以来、7年目を迎えた好文学園女子高等学校の学校改革。入学時の偏差値は決して高くないが、入学時から卒業時への変化率の最大化を目指し、中堅の国公立大学や有名私立大学への現役合格実績を上げる高校に成長した。しかし、その改革は学習面にとどまらない。学力の幅、将来への希望を含め多様な生徒が、本校で充実した学校生活を送ることを重視している。来年度は看護医療系進学コースも新設し、さらなる女性の社会進出をサポートする。

校 長: 延原 観司
住 所: 〒555−0013 大阪市西淀川区千舟3-8-22
電 話: 06-6472-2281
交 通: JR東西線「御幣島(みてじま)」駅下車、徒歩約12分/阪神本線「千船」駅下車、徒歩約6分/阪神なんば線「出来島」駅下車、徒歩約15分
学生数: 1,068名 (2013.7.1現在)
ホームページ: http://www.koubun.ed.jp/

 

「鎮守の森」のような
共生社会を学園につくる

 延原校長は早稲田大学の政経学部を卒業、企業人を経て現職となった異色の経歴を持つ。
「教育畑を歩んでこなかったので、生徒の視点で学校・授業・教師を見る傾向があります。それが現場改善に役立ったかもしれません」と7年目を迎える学校改革を振り返る。

 校長就任以来、隣り合わせる職員室との扉はいつもオープンにしている。教員の抱える問題を共有するためであり、また、生徒がそこから気軽に入室できる配慮でもある。校則や先生に対する要望、進路相談、またお茶を飲みながらの雑談まで、様々な思いを胸にやってくる。生徒を甘やかしている訳ではない。一定のマナーさえ守れば、話を聞いてほしいという気持ちは大切に受け止めたいと明かす。

 また、毎朝校門に立ち、登校する生徒に声をかけるのも、生徒指導の一環として校長が率先してきたこと。その意義を理解できるよう忍耐強く指導するという一貫した思いは、今では全教職員に引き継がれている。このように徹底した生徒指導が土台となって学校改革が進展してきた。

 本校の大きな特徴は、選択コースが7コース(来年度は新設コースを含め8コース)と多彩であること。学力の向上はもちろん、生徒の職業意識を高めて自身の将来の方向付けをしてもらうという主旨がある。さらに、学力、志向に幅広い層の生徒を受け入れているからこそ、社会の縮図を経験できる環境がある。

 「生物学者の宮脇昭さんが『鎮守の森』の植生を例に提唱する、混植・密植型植樹の重要性に共感しています。学校生活もまさにそうあるべきで、多様性を認め合い、我慢を覚え協調の精神をもって成長し、社会に出ても挫折や困難を乗り越える力を養ってほしい」と強調する。

 また、女子校ならではの試みにも注目したい。立ち居振る舞いの素敵な女性になるための「小笠原流礼法」の授業、実社会で役立つ教材「KBJ48(好文実学48項目)」などがファイリングされた「グレイスノート」の活用。ユニークな授業形態で女性としての幸せな人生を考察する「好文未来学講座」など多彩なメニューが用意されている。

 「次世代の子ども教育を担う母親の役割は大きい。良き母、良き社会人となる基礎を身に付けてもらいたい」と、女子教育をアイデンティティーとする本校に期待が高まる。

 最近、教職員の行動規範となるクレド(信条)を導入した。教育に携わる者の覚悟を文章化し、名刺サイズに印刷することで、教職員全員が常に持ち歩くことを可能にした。とくに、新卒や新規採用の教職員への指導、アドバイスに効果的なツールとして活用されている。

中堅国公立大学・有名私立大学へ
全員現役合格を果たす特別進学コース

 「特別進学コース」は、今春3期生を送り出したが、1期生、2期生に続き、全員が中堅国公立、有名私立大学に現役合格した。国公立は、京都府立医科大学 医学部・看護学科(1名)、滋賀大学 経済学部・会計情報学科(1名)、鳥取環境大学 経営学部・経営学科(2名)、長崎県立大学 経済学部・経済学科(1名)、私立は関関同立(11名)、産近甲龍(2名)だ。

 中堅の女子高として、大学入試センター試験を突破し、国公立に合格者を出す、というのが本コースの改革のスタートだった。

 「生徒を集める広報活動に苦労しました。認知度も実績もないところからのスタートでしたから」と広報部長を務める長谷川昌樹教諭。今年の3月まで6年間大手進学塾と連携し、年間指導計画やマスタープランを立てるノウハウ、女子の特性を考慮した教え方や進路指導の方法などを吸収。個人の実力を受験に活かすためのきめ細かな進路指導も徹底して行ってきた。また、5教科7科目に亘り、具体的な勉強方法をオリジナルテキストにまとめ生徒に伝授している。前述の成果を上げるための苦難の道を察することができる。また、本コースには奨激金制度があり、学費面でのバックアップ体制が整っている。

 「本校の生徒は、他の進学校のように中学時代から受験体制にあるわけではなく、もし公立高校に進学していれば、成績が良くても自発的に勉強しダブルスクールでなければ志望大学に手が届かなかったと思います。経済的に不利な状況にあっても、努力すれば向上できるという成功体験を積ませたい」と階層の固定化に危機感を募らせる延原校長の言葉が心に響く。国公立に進学した卒業生は、「好文学園に来なければ、今の自分の人生はなかった」と話し、在校生を激励してくれたという。

来年度より「看護医療系進学コース」を新設
さらなる女性の社会進出をサポート

 かねてより保護者や塾の先生から、将来、看護師など医療系の職業に就きたい生徒が学ぶコース設置の要望があったが、特別進学コースにおいてのみ対応し、大阪府立大学、京都府立医科大学、兵庫県立大学などの看護学部に進学している。しかし、中堅国公立を狙わなくても、中堅私立大学の看護医療系学科や医療系専門学校に進学する道もある。そこで、特別進学コースと標準進学コースとの中間層のコース設定で本コースを設置することになったという。

 現役の医師や看護師などの医療関係者から医療現場の実情を詳しく聴く時間を設定して、夢の実現を応援する。看護師や臨床検査技師、理学療法士などはハードな職業だが、資格取得して仕事に就くことは自立に繋がり、社会進出への大きなステップとなるだろう。

 一定の数値目標を達成した学校改革は、今踊り場状態にあるということだが、次のステージへと邁進中だ。日本社会を牽引してきた中間層の活性化、さらなる女性の活躍に向け発信してくれることだろう。

 
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