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中学・高校受験:学びネット

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大阪女学院中学校・高等学校

 
  一人ひとりの存在を輝かせ、
社会へ羽ばたく女性を育成
大阪女学院中学校・高等学校は今年創立130周年を迎える。長い歴史の中で変わらずに受け継がれてきたのが、キリスト教を基盤に、真に自立し進んで社会に仕える女性を育成するという創立の精神だ。6年一貫教育により、「愛と奉仕」の心を育むと同時に、生徒一人ひとりの進路希望を叶えるために学力を伸ばし、可能性に満ちた未来へと送り出している。朝の礼拝から始まる学校生活。生徒が自主的に運営する行事の数々。こうした日々の積み重ねが「生きる底力を培います」と中村真喜子副校長は語る。

校 長: 長谷川 洋一
住 所: 〒540-0004 大阪市中央区玉造2-26-54
電 話: 06-6761-4113(高等学校)
06-6761-4451(中学校)
交 通: JR環状線「玉造」駅より徒歩8分/地下鉄長堀鶴見緑地線「玉造」駅より徒歩3分/地下鉄中央線「森ノ宮」駅より徒歩10分/大阪市バス幹線85系統「玉造2丁目」下車すぐ
学生数: 中学校 604名
高等学校 900名 (2013.7.1現在)
ホームページ: http://www.osaka-jogakuin.ed.jp/

 

オリジナルの「OJ Diary」を
活用し自己管理を学ぶ

 校門をくぐると、そこは木々の緑あふれる小さな森。空気が軽く感じられ、吹き抜ける風が心地よい。四季折々に表情を変える草花や樹木に囲まれたキャンパスに、蔵書数が16万冊を超える図書館、最新設備のマルチメディア教室など、充実した学習環境が生徒の学びをサポートしている。

 大阪女学院は自由な校風で知られる進学校である。今年も京大や阪大など国公立大学に50人近くが合格。さらに数多くの生徒が関関同立など有名私大に合格した。中村副校長は「本人の希望する大学に入ってもらうのが本校のスタンス。合格実績はその結果です」と話す。近年は医学部を含む理系志望が増えているという。

 進路指導は、生徒がそれぞれの特性を伸ばし、社会に貢献できる道を自ら見いだせるように段階を踏まえながら行われている。中学ではコース分けをせず、基礎学力を培い、高校進学時に普通科文系と理系、英語科の3コースの中から選択する。

 中学新入生が最初に指導を受けるのが、スケジュール管理だ。そのために用意されたツールが同校オリジナルの「OJ Diary」。4月1日から始まる日付欄に提出物や課題、自分の予定を書き込めば、いつまでに何をすべきかが一目で把握できるように工夫されている。表紙には、「10人の乙女」(マタイによる福音書第25章)をモチーフにしたイラストが描かれている。これは、婚礼の宴のために、ランプだけでなく賢明にも壷に予備の油まで用意していた乙女のたとえ話による。「自分の人生は自分でデザインして生きていかなければならない」という意味で、自立への始めの一歩だ。

自己の特性に気付く豊富な学習体験

 中学入学当初は、自分の適性や何に関心があるかがわからない生徒がほとんどだ。そのため、どの教科も基礎をしっかり学べるカリキュラムになっている。

 例えば理科は、実験や実習を多く取り入れている。1人1台ずつ実体顕微鏡と光学顕微鏡が用意され、光合成の実験や細胞の観察を行う。解剖も1人に1匹ずつアルコール漬けのフナが与えられる。最初に全体をスケッチし、次の授業では解剖して内臓の絵を描く。最後は骨のスケッチ。何時間もかけてフナの構造を理解する。

 国語では授業のなかで弁論大会が行われる。1人1200字程度の原稿を書き、クラス全員の前で発表。皆が採点し、投票でクラス代表を決める。最初は発表する自信の持てない生徒も、皆のフォローを受けて発表できるようになる。「必ず誰かがいいところを見つけて誉めてくれるので、発表してよかったと思うようになります」と中村副校長は目を細める。

 数学の代数分野は、1クラスを2分割した習熟度別授業。英語もネイティブスピーカーによるアクティブコミュニケーションや英語演習などは、2分割の少人数授業だ。さらに英語では、独自に開発した「OJ検定」を実施している。これは中学の基礎的な文法事項と例文、単語を、段階的に徹底的に暗記定着させることを目的に、1年の9級からスタートして3年の1級で完成するように組み立てられている。検定に合格するとオリジナルの賞状とシールが貰え、生徒は学習の積み重ねを実感できる。

 国語も古典はオリジナルテキストを用いて高校での学習を見据えながら、基礎学力の定着のために様々な工夫を凝らしている。基本の理解とさらに踏み込んだ学習体験のなかで、生徒たちは自分の特性を見いだしていく。

 進路のプログラムとして中学1年次には、6年間を展望して学習に取り組む姿勢について生徒・保護者とともに確認をする。中学2年次には高校でのコース選択に備え、講師を招いての講演会や、各コースの説明と卒業生から体験談を聞く会を開くなど、進路に関して具体的なイメージが持てるようにしている。

前向きに生きていく力を育む

「あなたはどう思うの?」

 何気なくクラスメートから尋ねられて、高校から入学した生徒は驚いたという。中村副校長は「うちの生徒は自己主張する分、人の意見にも耳を傾けます」と話す。

 これは創立当初からの伝統だ。当時、日本の女子教育は「富国強兵」を支えるための「良妻賢母」づくりが主眼だった。しかし、大阪女学院は「独立した個として社会に貢献する女性」の育成を教育目標としてきた。また、脈々と受け継がれ学校全体に息づいているキリスト教の精神が、自己も他者も「すべての人間は神によって創られたかけがえのない存在である」ことに気づかせてくれている。違うもの同士が、互いの領分を守ったうえで、交流し助け合う文化が根付いているのだ。

 それが顕著に表れるのが、生徒が自主的に運営する学校行事である。体育大会は学年ごとに応援団を組織し、応援団長と団員のリードで練習を重ね、大人数による歌声と集団演技の見事な応援合戦を繰り広げる。生徒会メンバーは、運営の主体となって責任を担いつつ準備や後片付けなど裏方の仕事をしっかり引き受ける。どんな役割も、自ら手を挙げて引き受けるのも伝統だ。クラブ活動でも、それぞれが自分の特性を存分に発揮して楽しんでいる。

「卒業生は、『自分のやりたいことができて、どんな個性の人も自分の居場所がある学校』と言ってくれます」と中村副校長。

 そして、今は社会の幅広い分野で活躍する卒業生たちの心に強く残っているのが、毎朝の礼拝だ。授業前のひとときを、心静かに神と向き合う。聖書の言葉の意味を探り、壇上で語りかける先生や生徒の話に聞き入る。多くの卒業生を見てきた中村副校長は、「多感な時代に、生きていることの意味や自分の存在について深く考え、どんな時も前向きに生きていく力を蓄えていきます」と語る。ここに大阪女学院の教育の真髄を見た思いがする。

 

 
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