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中学・高校受験:学びネット

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昇陽中学校・高等学校

 
  中学開校5年目、高校の共学化4年目
学校改革がもたらした生徒たちの躍進ぶり
「今日もあの子に会えると思うと、楽しくてたまらない。それだけで『学校』というのは存在価値があるのです。」本校の卒業生である作家の田辺聖子さんが石碑に刻んだ言葉だ。折しも中学2期生の生徒はその言葉を実証し、卒業式の答辞で「僕はこの学校が好きだ!」と語った。中学校開校5年目、共学になって4年目の高校は来年創立90周年を迎える。今年就任した小野昌弘校長は「建学の精神である人間教育の元、学校改革を進めてきましたが、手ごたえを感じています。」と力強く話す。

校 長: 小野 昌弘
住 所: 大阪市此花区朝日1-1-9
電 話: 06-6461-0091
交 通: JR環状線、阪神なんば線「西九条」駅より徒歩6分。阪神なんば線「千鳥橋」駅より徒歩5分
学生数: 中学校 80名
高等学校 976名 (2013.7.1現在)
ホームページ: http://www.oskshoyo.ed.jp

 

中学2期生が実証した学校の存在価値
進学実績と偏差値アップにみる学力の向上

 昇陽中学校・高等学校は大阪市近郊の西九条駅から徒歩5分というアクセス抜群のところにある。元々は淀之水高校という80年以上の歴史を持つ女子校だったが、2009年度より男女共学の中学校が新設され中高一貫教育を実施。2010年度には高校が男女共学化され、昇陽中高と校名変更された。学校改革を行ってきたことで、多くの生徒・保護者、塾からも注目され校内は活気づいている。

 今年度より就任した小野新校長は、本校に赴任し教頭から副校長へと歴任した生え抜きの校長だ。同校の歴史と共に歩んできた人物でもある。改革の現状を聞くと「勉強、部活と良い成果が出ています。特に成長著しいのが中学の2期生です」と明るく話す。

 中学の1期生・2期生までは、高校に上がる段階で外部への進学を可能にしていた。その2期生が驚くほどの実績を出したのだ。内部進学生17人の五ツ木偏差値が60.4から上は72.4。外部進学生10人は灘・愛光・西大和・清風南海・府立大手前と、いずれも偏差値70以上の屈指の進学校へ進んでいる(平成25年4月1日現状)。

「入学時にはある程度、能力はある生徒たちでしたが、これほど伸びるとは思わなかった」と小野校長は心境を語る。

 伸びた要因は、英語・数学の習熟度別クラスの編成と午前中の特別講習だ。数学は進度が速く、中3で完全に高校のレベルまで進んでいった。

「先生と生徒との相性も良かったのでしょう。」と何回も授業の見学をした校長は話す。生徒の意識も高く、中1の段階で将来は東大や京大、阪大などの国公立に行きたいと話していたから、推して知るべしだ。数学の教諭も東大卒で、知的好奇心を刺激しながら「君たちの能力なら行ける」と断言していたことも、生徒のモチベーションを高めた。

 勉強だけではない。2期生には大きなドラマがあった。中3卒業式の答辞で内部生男子の言った内容が生徒、教師、保護者を感動させた。

「僕はこの学校が好きだ。だから仲間・友達と一緒に昇陽高校で頑張りたい」
この学年は全員仲が良く、勉強や部活と学校生活を謳歌し絆は深まっていた。卒業生の田辺聖子さんが石碑(中庭に建立)に刻んだ「好きな友達ができて、今日もあの子に会えると思うと、登校するのが楽しくてたまらない。それだけで学校の存在価値があるのです」(淀川少女の一文)をそのまま、生徒が証明しているのだ。学校とはこうあるべきだと、久々に心温まる話を聞いた。

「本来なら、生徒たちは全員揃って高校に上がりたかったようです。そんな中でも高い目標を持った生徒が上がってくれましたから責任重大です。他校に進学した生徒もよく遊びに来てくれますので、そういう外部生にも負けないように、このまましっかりと伸ばしていきたいですね」と小野校長は話す。

 これを機に3期生からは外部進学への進路指導は実施せず、完全中高6年一貫校としてスタートした。加えて、現高1(中学2期生)から英語・数学においてはS特進と特進の習熟度別授業を行っている。

専門に特化したコースに人気
強豪の部活にも注目

 同高校は2科7コースと幅広く個性を伸ばす教育をしている。特進、進学コース以外に昇陽高校の特徴となる人気のコースを紹介すると、普通科にはビジネスコースとパティシエコースが併設されている。ビジネスでは情報処理や英検、漢検などの資格取得を奨励。情報処理検定では90%以上の合格者を出しているのが注目だろう。パティシエは専門技術を習得し、大学や専門学校への受験対策、菓子の本場フランス留学を見すえたフランス語の授業を行っている。

 「パティシエはブームなのか人気があります。2クラスが3クラスに増え施設の使用に苦労しています」とはうれしい悲鳴だ。

 そして本校の建学の精神「奉仕の心」を具現化しているといえる福祉科の福祉、看護福祉、保育福祉の3コースだ。福祉では生徒のほとんどが介護福祉国家資格を目指しており、就職率はほぼ100%と高い。充実した施設での実習や専門性を高めるための進学や受験対策も実施されている。看護福祉では看護師を目指す生徒が多いが、ホームヘルパー2級、福祉住環境コーディネーターなどの資格取得も可能となっている。保育福祉では子どもと関わる仕事で欠かせないのがピアノ演奏だ。本校では専門講師によるピアノレッスンが毎日あるため、苦手な生徒にも好評だ。

 現在、これらのコースのすべてが男女共学となっている。

「今の高2から男子のために開放し、全コース共学にしました。今年も男子は100名超が入学してくれました。女子2に対して男子1と理想的です」

 一方でクラブ活動が活発なのも本校の特徴だ。

 中学のソフトテニス部が創部4年目で全国制覇をやり遂げた。高校はもともと強豪で過去14回全国優勝をしている。そして卓球部には、将来のオリンピック候補生が今年入部した。「高校にも全日本卓球選手権大会シングルスの部でランキング10位になった強い生徒がいます」。

 また、今までなかった男子バレーボール部を設立。中1生だけの部員で、デビュー戦でいきなり強豪校に勝ったというから、今後が楽しみだ。

 さて、来年、高等学校が創立90周年を迎える。記念事業としての校舎の建築も予定されているという。学校改革の第二章に入るといってもいいだろう。

 昇陽中学校・高等学校の教育は、一人ひとりの個性を大切にしながら「なりたい自分」になるための可能性を育てることにある。改革がもたらした生徒たち個々の成長は著しく、今後の可能性をさらに広げたのではないだろうか。

 
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