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中学・高校受験:学びネット

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近江高等学校

 
  大学入試を孤独な個人戦にしない
学びを喜びにするサポート体制でバックアップ
大学の入試制度が近年大きく変わりつつある。個別試験やセンター試験だけでなく、国公立でも公募推薦やAO入試が盛んに行われるようになった。高いレベルが要求される面接の口頭試問や小論文試験などに対応した体制づくり、そして、個人の可能性を見つけて伸ばすきめ細やかな教育姿勢が近江の進路指導の強みだ。今春の進学実績は、【アカデミーコース】では国公立・関関同立を合わせて54%以上を達成。今年度は「5つの進化」を掲げ、生徒と教員が一丸となりさらなる高みへ進化しようとしている。

校 長: 笠原 武夫
住 所: 〒522-0002 滋賀県彦根市松原町大黒前3511-1
電 話: 0749-22-2323
交 通: JR東海道線・近江鉄道本線「彦根」駅より徒歩18分、またスクールバスで5分
学生数: 658名 (2012.9.1現在)
ホームページ: http://www.ohmi-h.ed.jp/

 

文武両道の伝統を深める
「5つの進化」

 JR「彦根」駅に着くと、構内に琵琶湖の青を彷彿させるレイクブルーの看板が目を引く。近江高校の学校生活をテーマにしたイラスト画の看板だ。誰が主役でもなく、皆が活躍の場をもつという校風を象徴するかのような生徒たちの姿が爽やかだ。

 「本校は湖北・湖東地域でも注目される進学校に成長しましたが、学力で生徒を判断することはありません。文化祭、体育祭、クラブ活動など、それぞれが力を発揮できる場所をつくることを大切にしています」と広報部の山本真弓先生は話す。

 国宝・彦根城のお膝元で歴史を刻み、今年創立74周年を迎える近江高校。校訓「誠実勤勉」の下、一貫して学ぶ楽しさ、喜びを感じる教育を実践してきた。生徒一人ひとりの可能性を高めるキャリア教育を時代に即して進化させているが、本年度は『5つの進化』を打ち出している。

 まず、1クラスが30名を超える【総合コース】【キャリアコース】で『担任2人体制』を採用。担任1人では目が届かなかった生徒の日常生活にも敏感に対応し、相談に乗り、勉強のサポートも行う。

 次に、各科目の授業を『習熟度別クラス編成』に。総合コース1、2年生の英語や数学の授業を習熟度別のクラスに分け、生徒の進度に合った「わかる授業」で学力を伸ばす。期末テストの結果にその成果が感じられたという。平成19年度より実施してきた総合・キャリアコース1年次の『基礎講座』の内容を改善し、今後は各教科で基礎学力の補強に努めていくそうだ。

 また、さらなる『部活動強化』を図る。硬式野球部・柔道部・男女バレーボール部・卓球部に加え、今年は吹奏楽部、陸上競技部、ハンドボール部を強化していく。今春から陸上競技部の顧問を務めるのは、昨年現役を引退したばかりで元オリンピック代表選手の近藤高代教諭。あらゆる陸上競技で生徒をインターハイに送り出したいという情熱をもって指導にあたる。

 最後に、『奨学金制度』の種類を増やし、幅広い能力のある生徒への門戸を開いた。新しく設置した奨学生枠は「一芸奨学生」と「建学奨学生」。「一芸奨学生」は、同校にあるクラブ以外で活躍している生徒を応援。「建学奨学生」は、誠実勤勉という校訓にあう生徒で、ボランティアや生活面など学力以外の評価に目を向けた取り組み。

生徒をどこまで理解できるかで
3年後の進路が決まる

 近年、大学受験のスタイルが多様化している。前述の通り、個別試験やセンター試験だけでなく、公募推薦やAO入試が国私に関わらず行われる。学力だけでは合格できない時代を迎えている。

 同校の普通科は進学を目的とし、習熟度と進路別で「アカデミー」「アドバンス」「総合」の3コースを、商業科は「キャリア」コースを設置。【アカデミー】では、国公立・最難関私立大学への合格を目指す。【アドバンス】では、勉強とクラブ活動を両立し難関大学への合格を目指す。近年、小論文対策委員会を設置。メンバーは、国語教員だけでなく専門分野の小論文に対応できるよう、英語、社会、商業の教員で構成される。

 今春、広島大に進学した生徒の場合は抜きんでていた中国史に焦点を当てた。そして慶應大学に進学した生徒の場合は政治への関心の高さに注目。彼らが高いレベルの小論文を完成し合格できたのは、担任の多面的な生徒の把握と対策委員の強力なバックアップがあってのことだ。

 また、アカデミーでは面接指導の一環としてディベートの訓練があり、生徒1人に教員4、5人体制で臨む。アカデミーの授業は8限終了の5時10分が過ぎても終わらない。放課後の補習や再テストがある。教科担当がチームを組んで「できるまで…」というスタンスで生徒に寄りそう。

 「近江高校は、担任や教科担当と生徒との関係が密ですね。だから、生徒がどんな受験スタイルに合っているのかを把握しやすい。公立高校にはない入試対策のノウハウだと自負しています」と全コースの進学指導を取りまとめる田端英樹進学部長。偏差値の高い難関大に進学しても、それからが正念場。就職が難しい時代を生き抜く彼らに、一般企業での社会人経験をした自分ならではのアドバイスをしたい、と惜しみない愛情を注ぐ。

県立の優秀校に追いつき追い越す
アカデミーコースの躍進

 アカデミーの夏合宿は別名「勉強合宿」と呼ばれる。朝から晩まで埋まるハードスケジュールに生徒たちは音をあげないのか?しかし、とても好評の恒例行事だそうだ。

「教える教員側が生徒と楽しもうという意欲が旺盛です。深夜の特別授業があっても朝6時から、身体を使った古典特訓。身体を動かしながら頭に入れる学習体験は忘れられないでしょう」と山本先生は微笑む。

 スポーツを通じてきずなが深まる体育会系の夏合宿のように、アカデミーも夏の勉強合宿で仲間と逞しく育つ。

 田端部長に53期生アカデミーコース3年間の成績推移(英国数3科目模試・平均点偏差値グラフ)を見せてもらった。県立の優秀校は平均偏差値60くらいから、同校は52.3からスタートしているが、3年後には大きく逆転して他校に圧勝している。

 「小さな取り組みが実りました。ウサギとカメの教え通りです」と田端部長は笑うが、その飛躍はウサギ跳びに映る。

 なぜ勉強するのか、将来どのように生かすのか、その答えは様々な学校行事を経験した生徒一人ひとりの胸にあるのかも知れない。

 
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