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中学・高校受験:学びネット

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東大谷高等学校

 
  来春、新校舎で男女共学校としてスタート
緑あふれる学舎で2世紀目の歴史を刻む
平成25年4月、堺市泉ヶ丘に新校舎を開設。男女共学校として新たなスタートを切る東大谷高等学校。今年5月に行われた学校説明会には900名もの中学生や保護者、教育関係者が詰めかけ、伝統校が打ち出す新しい学舎への関心の高さを伺わせた。創立104年目の大いなる進展。建学の精神を踏襲しながらも、2012年という時代が求めるものを教育で体現したいという同校。着々と建設が進む新校舎。そして、新たな教育体制。具体的なプランを伺った。

校 長: 児玉 道仁
住 所: 〒545-0041 大阪市阿倍野区共立通2-8-4
電 話: 06-6661-0384
交 通: 地下鉄谷町線「阿倍野」駅徒歩8分、地下鉄堺筋線・南海各線「天下茶屋」駅徒歩13分、地下鉄御堂筋線・JR各線「天王寺」駅・近鉄南大阪線「大阪阿倍野橋」駅徒歩17分
学生数: 556名 (2012.9.1現在)
ホームページ: http://www.higashiohtani.ac.jp/

 

高台にそびえるガラス張りの新校舎
屋上庭園もある憩いの場づくり

 「本校のように移転と共学化を同時に行うのは、大阪府でも初めてのケースでしょう。ですから歴史に残る移転共学化にしようと全教員が張り切っています」と取材の冒頭、児玉校長は決意も新たに述べた。

 新天地となる泉ヶ丘キャンパスが建設されるのは、泉北高速鉄道「泉ヶ丘」駅から徒歩8分の丘陵地。校舎は鉄筋4階建て。茶色をベースにした落ち着いたデザインだ。芝生張りのグランドを囲むように教室棟、食堂棟、体育館などが配置され、強化ガラスを多用した校舎は、至るところに陽光が差し込む開放的な作りになっている。来年2月の竣工を目指し、現在着々と建設が進んでいる。

 「私のたっての願いで屋上には庭園を造ってもらいます。総合学習の時間に生徒が野菜や花を育てたり、ホッとできる憩いの場として活用したいですね」

 ICTに関しても最新の設備を設置。ホームルーム教室にはすべて電子黒板を設置。160台のiPadを導入し、デジタルツールを活用した効果的な授業を行っていく。

 共学化とともにコースも再編成される。来春の1年生から適用される新コースは3つ。「特別進学コース」(40名3クラス)は7時間授業、土曜授業の実施、夏期講習などで国公立大や難関私大の志望者をサポート。海外留学、海外語学研修などを通じて実践的な語学力を磨く「言語・国際コース」(40名1クラス)。そして、一般入試だけでなく、指定校推薦等を活用して難関私大、有名私大を目指す「進学探究コース」(40名4クラス)だ。

 現行のクラブが継続されるとともにクラブ活動は、サッカー部、囲碁将棋部、剣道部などを新設予定。土・日のクラブ活動合同練習も予定しており、両キャンパスの移動にはスクールバスが用意される。

好評の保護者入学時負担軽減制度は継続
新たな特待生制度では、授業料の免除も

 好評を博した独自の「保護者入学時負担軽減制度」は、共学化以後も継続していく方針だ。これは少し説明が必要だろう。

 平成22年、私立高等学校等授業料支援補助金制度により、授業料の無償化や負担軽減が実現したが、この支援金の給付時期は11月。多くの私立高校では保護者が授業料を立て替えて納付することが原則で、入学時に50〜60万円もの現金が必要になってしまう。しかし東大谷では、学園が入学時の負担分を立て替える制度を導入し、保護者から好評を得ている。

「入学時に何十万ものお金が必要となるのでは、本当の無償化とはいえません。こういう立替制度があると知っていたなら、東大谷に進学すればよかったという声もたくさんいただきました」と校長。

 新たに特待生制度も見直す。これまでは、(1)入学試験上位1割以内(2)5教科の評定合計が45以上(3)五ツ木の模試(11月実施分)で偏差値60以上。このうちのいずれかを満たしていれば、特待生として授業料が免除になった。来年度からは(1)と(2)、または(1)と(3)を満たす成績優秀者に対しては入学金20万円も免除する方針だ。大阪府外からの進学者も視野に入れての新制度である。

 同校は今春国公立9名、関関同立46名の合格者を輩出した。とりわけ国公立は志望者18名中9名が合格。合格率50%という高い合格率だ。

 共学化に伴い、期待が高まるのは当然の流れだろう。25年度入学生は国公立40名、関関同立90名を目標に、という声が早くも上がっている。

 児玉校長は、「移転共学化を機に、どんどん大学進学率を上げていこうとい機運はあります。もちろん力のある生徒は伸ばしていきます。また、本校は元来、親鸞上人の教えの上に成り立つ学校です。成績優秀者だけでなく、学校教育から疎外されがちな教育弱者にも、しっかりと向き合い丁寧なサポートを心がけていきたいと思っています。この東大谷の精神は今後も揺らぐことはありません」と述べた。

 悪人正機説を唱え、遍く救済を説いた親鸞上人。その建学の精神は、共学化を機に薄まるどころか、より強固なものになろうとしていると感じる。

開かれた学校であるために
人材サポートバンクで地域との連帯を強化

 取材の途中、校長はユニークな構想を語ってくれた。

 「泉ヶ丘キャンパスができる地区は、かつてニュータウンとして発展してきたエリアです。各界で活躍し、定年退職されたシニア世代の方々も多い。人生の先輩方のスキルや技術を、ぜひ学校の教育に活かしてほしいとの思いで“東大谷人材サポートバンク”という仕組みを作ります。また若い世代が地域に入っていくわけですから、そのエネルギーで地域活性のお手伝いもしたいと思っています」

 地域の人々と連携し、そのポテンシャルを学校教育にも活用しようという試みだ。

「東日本大震災で多くの人が感じたのは人と人との絆でしょう。一方で、都会では孤独死も増えており、人がつながることが今まで以上に重要なものになっています。命はご両親、ご先祖からいただいたもの。多くの人によって支えられている。まず両親、先祖、社会の人々に感謝する、という浄土真宗の精神は、今こそ教育にきちんと位置づけていかねばと考えています」

 男女共学、新校舎への移転。104年目の転機を迎え、東大谷高等学校は新たな歴史を刻み始める。

 
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