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中学・高校受験:学びネット

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大阪信愛女学院中学校・高等学校

 
  創立128年
変わらずして変わる
信愛教育の継承と深化・進化
 創立128年という歴史を刻み続けてきた大阪信愛女学院。なかでも中高を取り巻く環境はキリストの教えに基づいた心の教育を継承しつつ、大学との教育連携やコースの再編など深(進)化し続けている。これらのベースには生徒たちの将来を見据えた、より良い教育を提供しようという松尾誠新校長始め、全教職員の熱い思いがあった。
創立以来、シスター以外の校長が就任したのは初めてのことだという。同校の現状を取材した。

校 長: 松尾 誠
住 所: 536-8585大阪市城東区古市2-7-30
電 話: 06-6939-4391
交 通: 地下鉄今里筋線「新森古市」駅より南へ5分、京阪「関目」駅より東へ15分、地下鉄長堀鶴見緑地線「今福鶴見」駅より北へ15分、地下鉄谷町線「関目高殿」駅より18分
学生数: 中学校 262名
高等学校 565名 (2012.9.1現在)
ホームページ: http://high.osaka-shinai.ed.jp/

 

学校力は教員力
新校長就任でさらに結束力が高まる

 大阪信愛女学院中学校・高等学校のキャンパスは大阪市内の住宅地に位置し、通学の交通の便としては4つの最寄り駅がある。例えば、地下鉄今里線「新森古市駅」からは徒歩5分という便利の良さだ。敷地内には幼稚園や小学校、短期大学が隣接し先輩後輩の触れ合いの中、生徒たちは日々を過ごす。東門横にはランドマークである聖堂がそびえ、生徒たちの憩いの場となっている。学院の好きな場所アンケートでも上位にランクインされるとか。落ち着きのある環境、磨き抜かれた施設の隅々までに女子校としての品格を感じる。

 今春、同校では新校長に松尾誠先生が就任した。シスター以外では初めてのことだ。教員になり35年、教頭から副校長そして校長と誰よりも信愛を愛して止まない人物だ。

 就任後、校長が実行したのが信愛教育推進委員会を立ち上げ、先生方に意見を求めることだった。
「校長になったから何か新しいものをするというよりも、より信愛の教育を推進していくこと、それには先生方の意見や協力が必要なのです。学校力は教員力ですから」。

 さっそく教員力が結集したのが、中1の勉強合宿だ。食事と休憩時間以外は勉強付けというハードなスケジュールだった。ともすればくじけそうになった生徒もいたが先生方の励ましや仲間との連帯感で、全員最後までやり遂げたのだ。そして、その感動も冷め止まぬ間に、来年の話題となり「生徒たちに体験をさせたい」と教員からの意見。「農業体験のできる場所に下見に行ってもらいました」と新校長の対応もスピーディーだ。

新しいスタイルで大学との教育連携
出張授業に生徒は興味

 信愛ならではの教育といえば、新しいスタイルの大学との教育連携だろう。進学を前提としたものでなく、あくまでも教育内容を充実させるための連携だ。

 「本校の進路指導は、生徒の第一希望に何%叶えたかが、本当の進路指導の結果だというのが、前校長・理事長の考え方です。この連携は生徒が自分の将来を考えるのに一つのきっかけになればいいと思っています。」

 取材当日は大学との教育連携の一環として、進路特別プログラムが実施されていた。高2生対象のいわゆる出張授業だ。現在は連携をしていない大学からも協力があり、多彩な授業が実現している。プログラムの一部を挙げてみよう。

 龍谷大学の「臨床心理学入門・人間関係スキルを磨こう」、関西国際大学の「マクドナルドとモス、どっちが儲かる」、関西大学の「原子炉開発と安全」、京都造形大学の「人を幸せにするアートとデザイン」などなど興味深いテーマばかりだ。

 生徒の反応はすこぶる良い。心理学の授業では、ぜひ受けてみたかったという生徒が「私たちの顔をみただけで性格はわかりますか?」と教授を困らせる質問もでて、笑いが起こったという場面も見られた。将来の自分探しがテーマだと話す松尾校長の考え通り、生徒たちはこのプログラムで何かを得たことは間違いない。その他高2生の生命科学コースは近畿大学まで出向き生物理工学部を見学、看護医療コースは済生会病院で体験、発達教育コースは大阪教育大学で授業体験をした。

高校2年に人文社会コース
中学1年は文理コースで1本化

 松尾校長は「ともすればこれまでのことを継承すればいいということになるが、子どもたちを取り巻く環境は変わっています。その環境の中で子どもたちが持っているものを引き出し、伸ばすためには新たな取り組みが必要となってきます」と深化し続ける必要性を説く。

 その一つが高校のコース名発展的改称だ。高1では基礎力養成期の特進と進学コースがある。高2になると多様な進路実現に向けて7つのコースが設定されている。その一つの人文社会コースが難関私大コースから名称変更された。同コースでは文系の難関私大を目指す生徒が多いが、半面将来の目標を決めかねている生徒も少なくない。校長は検討段階と前置きし「中国語や韓国語も将来的には必要になってくると思いますので、視野にいれながら語学に特化したことも考えています」とコースの充実を語る。

 中学では今年度から従来の2コースを1本化し、文理コースとして新たに週37時間授業をスタートした。

「中学の指導要領改定ということもありましたが、入学してからの能力を最大限に伸ばすという背景もあります。あえてコースわけせずに生徒の意欲を高め中3で国公立を目指す文理1(内部生のみ)と文理U(高校で外部生と混じる)コースに分かれる。将来的には高校の現コースの名称も改称予定だという。

 ところで、同校の教室や廊下、受付横など多くの場所に「信じ合う愛し合う、心をみんなの中に」という“書”が掲示されている。そもそも遡ること松尾校長が教頭時代、1年毎に生徒に向けてのスローガンを考え掲示したのがはじまりだった。昨年もその流れで思案をしていたら、前校長が先述の言葉を提案してくれたという。「震災の時だっただけにこの言葉には胸を打たれました。信愛の名前の由来でもあるので、大事にしていきたいですね」と校長。同校は10年スパンで被災地への援助も決めている。

 
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