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中学・高校受験:学びネット

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帝塚山中学校・高等学校

 
  中学女子のコースを改編し
東大・京大・国公立医学科へ、目標設定を明確化
昭和16年に旧制の男子中学校として創立された帝塚山中学校・高等学校は、戦後の男女共学期を経て「男女併学」というユニークな制度を作り上げてきた。同時にきめ細かな学習指導により、奈良県でも有数の進学校としての地位を確立している。今年は国公立大医学部医学科に過去最高の22名が合格。医学部を始め理系に強い学校としても知られている。来年度には女子英数コースに「スーパー選抜クラス」を新設。東大、京大、国公立大医学部医学科を目標とする生徒・保護者のニーズに応え、現役合格へのサポートを強化する。

校 長: 三村 正明
住 所: 〒631-0034 奈良県奈良市学園南3-1-3
電 話: 0742-41-4685
交 通: 近鉄奈良線「学園前」駅より徒歩1分
学生数: 中学校 1,127名
高等学校 1,165名 (2012.7.1現在)
ホームページ: http://www.tezukayama-h.ed.jp

 

最難関大学を目標に「スーパー選抜クラス」を新設

 帝塚山中学校・高等学校の教育の特色は、何といっても「男女併学」だ。

 コース設定とホームルームは中高6年間を通して男女別。中学3年間、男女英数コースは授業も別々に行われるが、高校1年より男女合併授業が一部導入される。一方クラブ活動や校内行事は中学1年次より男女合同だ。

 「男女の成長段階の違いを考慮した、理にかなったシステムです」。同校で38年間子どもたちを見てきた三村正明校長は胸を張る。

 中学段階では女子の方が成長が早く、男子は高校1年ごろに追いつく。それぞれが勉強に集中しながら健全な社会性も身に付けることができる。共学と別学の良さを取り入れたのが男女併学といえる。

 女子英数コースの中学1年生の理科の授業を見学すると、生徒たちはリラックスしながらも授業に集中し、先生の問いかけへの反応も早い。スピーディーな授業展開は見ていて気持ちがよいほどだ。女子英数コースでは生徒の多くが難関国公立大の医学部を目指しているという。

 こうした生徒や保護者のニーズに応えるため、来年度から女子英数コースに「スーパー選抜クラス」を新設する。これは、現在男子英数コースに設置されている「スーパー理系選抜クラス」に対応するものであり、東大・京大や国公立大医学部医学科など最難関大学への現役合格を目指す。ただし、男子が「スーパー理系選抜」と名付けられているように、高校2年次から理系のみのカリキュラムとなるのに対し、女子の「スーパー選抜」は、理系・文系のどちらかを選択することができる。

 また、女子特進コースも従来の「Tクラス」と「Uクラス」を廃止し、特進コースとして一本化。国公立大学進学を目標とする。

 したがって中学のコース制は、男子英数コースの「スーパー理系選抜クラス」・「英数クラス」、女子英数コースの「スーパー選抜クラス」・「英数クラス」、女子特進コースとなり、入学時にコースとクラスが決定される。入学後のコース変更は、中2進級時、高校進学時とそれ以降の進級時に成績と希望により可能だ。

 数年前から、全コースが国公立大学受験に対応した、カリキュラムになっていたが、今回の改編によって、国公立大学受験への対応がより組織化されたと言える。どのクラスもテキストや授業時間数に違いはなく、授業進度にも大きな差はないが、上位クラスでは内容に深みをもたせるという。

 入試制度にも変更がある。全コース・クラスが共通問題となり、配点も同じ。算数は、従来の「英数型」の難度の高い問題が出題される。男子はスーパー理系選抜クラスから英数クラスへの回し判定、女子はスーパー選抜クラス→英数クラス→女子特進コースへの回し判定が実施される。試験科目はいずれも、国算理社と国算理の選択制だ。

 三村校長は「中学入学時より目標に応じてクラス分けすることで、進路の希望を確実に実現していきます」と話す。

「思いっきりチャレンジ」をサポート

 三村校長が入試説明会でいつもアピールするのは、「3つの思い切り」。帝塚山中学校・高等学校の強みは、勉強や部活動、学校行事に思い切り取り組める環境が整えられていることだ。「中学高校の6年間でさまざまな経験を積み重ね、将来自分を支えてくれる力を身に付けてもらいたい」という。

 学習面では日々の授業や補習はもちろんのこと、コースごとに数多くの特別プログラムを用意している。例えば、大学教授による出張講義や大学の研究室での実験、ロボット教室など。ロボット教室によってロボットに興味を持った生徒たちが入部する理科部ロボット班は、2010年・2011年と2年連続して「ロボカップ」世界大会に出場し、第4位入賞を果たした。大学との連携授業では、今年7月に男女英数コースの生物選択者を対象に、京大研究者によるiPS細胞を使った出張授業を予定している。

 生徒の学習意欲も高い。職員室の前にずらりと並べられた長机と椅子は、質問コーナー。放課後になると生徒たちでいっぱいになる。先生方は分かるまで丁寧に教えてくれる。教科担当の先生が不在のときは、他の同じ教科の先生が教える。クラブ活動などで多くの先生方と日常的に接しているので、授業で教えてもらっていなくとも気兼ねなく質問できるという。

 クラブ活動や学校行事にも熱心に取り組む。行事は実に多彩だ。6年間で4回もの宿泊行事、中学3年の夏休みには希望者が3週間のシアトル語学研修に出かける。球技大会やスポーツ大会、コーラスコンクール等々、イベントが目白押し。高校3年生になっても全員が学園祭(4月開催)をはじめとする学校行事に全力投球する。

 部活動は中高合同で行うクラブが多く、先輩たちが勉強とクラブをしっかり両立させている姿はロールモデルとなっている。

 今年卒業したある生徒は、先輩の言葉が励みになったという。その先輩は授業を聞かなくても大半理解できるほど優秀だったが、いつも真剣に授業を受けていた。「授業では、必ず1つは知らないことがでてくる。それを聞き逃すのはもったいない」というのだ。先輩は東大理科V類に現役合格。その先輩を手本にした生徒も大阪大学人間科学部に合格した。

 「先輩の頑張りを、後輩が真似てくれる。脈々と受け継がれてきた我が校の伝統です」と三村校長は目を細める。

 今年創立71年目を迎えた同校では、親子二代や兄弟姉妹の生徒は珍しくない。なかには親子孫三代にわたって卒業生という家庭もある。そんな彼らが「帝塚山の良さ」に挙げるのが、先生と生徒の距離の近さだ。建学の祖の「子どもや若い人たちは学園の宝」という言葉を教育の柱とし、「一人ひとりを大切に」をモットーに、きめ細かな指導が行き届いているたまものだろう。

 三村校長が来年中学受験を目指す子どもたちに送るメッセージは力強い。「思いっきりやろうと思えば何でもチャレンジできる学校です。帝塚山という山に6年間をかけてゆっくり登っていったら、頂上からの見晴らしは絶対に素晴らしいと確信しています。一緒に登山を始めましょう」。

 
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