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中学・高校受験:学びネット

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雲雀丘学園中学校・高等学校

 
  今春、国公立大合格69名と大躍進
教育改革を支える教師陣の工夫と独創的授業
2007年、高校に新コース制を導入。翌2008年には中学にも新コース制を敷き、教育改革に取り組んできた雲雀丘学園中学校・高等学校。その成果は大きく結実し、2011年春には55名が国公立大へ合格。今春はさらに躍進し、69名が合格を果たすまでになった。国立大医学部、京都大、大阪大、防衛医大という難関校へも現役合格者を輩出。急成長の背景には、中高一貫教育の利点を生かし、独自の授業によって生徒の実力を引き出す先生方の努力がある。その立役者の一人、数学科で工夫を凝らした授業を行っている道北秀寿先生に指導への思いを伺った。

校 長: 影浦 正二
住 所: 〒665-0805 兵庫県宝塚市雲雀丘4-2-1
電 話: 072-759-1300
交 通: 阪急宝塚線「雲雀丘花屋敷」駅より徒歩3分、JR宝塚線「川西池田」駅より徒歩12分
学生数: 中学校 565名
高等学校 785名 (2012.7.1現在)
ホームページ: http://www.hibari.jp/

 

立体模型作りを通して、空間把握力を養う
国立大二次試験を見据えた高度な授業を展開

 道北先生は、大阪大学を卒業後、県立高校教員、民間企業を経て、6年前に雲雀丘学園に着任。今年35歳。生徒の興味を引き、わかりやすい授業を行うと評判の数学科のホープだ。

 この春、中2の授業で取り組んだのが、「立体模型」。幾何の授業で、切頂八面体という特殊な立体作りに挑戦した。図面を描き、紙を切って組み立てる。二次元を三次元化するプロセスを生徒に体験させた。

 「教科書では立体を平面上で説明していますが、実物を作ることは幾何には不可欠だと思います。図形問題は紙の上で考えると全体が見えない場合が多い。でも物があれば、多方面から見ることができる。わからなければ切ってみてもいい。空間把握力が作業によって身に付くわけです。実際、国立大上位校の入試では、視点を変えて立体を捉える問題が頻出しています。中学の時から訓練し、能力をしっかり養っておけば、そういう問題にも対処できるはずです」

 授業のために、先生は事前に製作風景を撮影し、iPadで動画を見せながら授業を行った。

 「デジタルツールを使うと生徒の関心度が違います。授業中、ユニークな展開図を描いた生徒がいたので、その場で撮影して全員に見せました。事前準備は本当に大変ですが、生徒と一緒に楽しむ気構えで臨んでいます」と道北先生は快活に笑う。

 この授業は、発展コース中2生104名(3クラス)を対象に行ったものだが、切頂八面体を104個合せると、空間を隙間なく埋め尽くすことができる。

 「最後に全員の立体模型を積み重ね、高さ1メートルほどのピラミッドを作ったんです。完成した瞬間は拍手が上がり、みんな喜びましたよ」

 2010年に校舎を新設した同校。導入された最新の設備も実践型の授業に一役買っているようだ。

 「作業はナイフやカッターを使うので、普通の教室では難しい。そこで、大型作業台と50インチモニターがある被服室で行いました。そういう環境が整っているからこそ実現できた授業だと思います」

大学入試で戦える生徒を育てたい
目標は国立大100名合格、そして東大

 週6日制、7時間授業、夏季休暇短縮、高大連携講座など、独自の教育体制で成果を出してきた同校。中高一貫のメリットを生かして、数学の時間数は通常よりも多い。幾何と代数は中1で5時間、中2中3では6時間ずつ配当。総合学習の時間も活用し、教科書レベルを超えた密度の高い授業を可能にしている。

 「今春、教科書改訂がありましたが、今後は学校独自のカリキュラムが進んでいくと思います。文科省の基準が、もはや“基準”になりにくくなっているのが現実です。もちろん守らなくてはいけない部分は守っていきますが、私学なのだから、指導計画を自由にスケッチして、生徒に最もよい授業を行っていきたいと思います。

 私は公立の教員経験もありますが、公立は、まず高校へ入れるのが第一。どうしても高校入試を突破する教え方をします。しかし、本校は中高一貫です。6年後を見据えて教えればいい。中学でも、常に大学入試を考えながら授業を行っています。この項目は、中学で教えるべきか高校で教えた方が効果的か?教員間では、そういう議論をよく行っています」

 2012年春は、国公立大へ69名の合格者を輩出した。2009年の25名から、わずか3年間で44名も増加した背景には、大学入試に焦点を絞った指導体制が大いに奏功しているようだ。

 「戦える生徒を作りたいと思います。あと一歩、ほんの少しの差で涙を飲む生徒を見てきました。勝敗の決め手は“二次試験で戦える力”。数学ならば、記述答案をクリアする力が合否を決めています。ですから、中学のうちから、数学とはこういうものだ!と体感するために、白紙の用紙に証明形式で書かせる訓練なども率先して行っています」
“次の目標は、国公立大合格100名。そして東大合格”。道北先生はきっぱりと断言した。

雲雀丘学園版スーパーサイエンス
サントリー有機科学研究所と連携研究も

 同校では、すでに次なるステージを見据えた教育プログラムを構想している。その一つが「探求型学習の強化」だ。

 「次のステップでは、生徒自らが探求して学習することに力を注いでいきたいと考えています。この夏に取り組むのが、雲雀丘学園版のスーパーサイエンス・プログラムです」と浅野淳二入試広報部長は、その一端を明かしてくれた。

 雲雀丘学園は、1950年の創立時からサントリーの創業家と深いつながりがあることで知られるが、この夏、高校2、3年生が、サントリーの生物有機科学研究所で研究活動を行う。高校生が最先端の科学者の指導を得て、自分たちのテーマに取り組んでいくプログラムだ。

 「今までにも、研究所とは最先端科学実験教室と題した1日体験授業を行ってきましたが、それが好評で、研究者の方々からじっくりと研究に取り組んではどうか? という声がありました。そこで、さらに高度なプログラムに挑戦することにしたんです。5日間かけて実験に取り組み、最終日には研究者の前で研究成果をプレゼンテーションします。生徒にとっては大変モチベーションのあがるプログラムでしょう。教員も一緒になって、いま準備に懸命に取り組んでいます」

 また、同校は環境教育にも力を注いでいるが、環境関連研究で実績のある鳥取大学と連携した「サイエンスキャンプin鳥取大学」もこの夏、実施予定だ。こちらは、大学指導のもとで、乾燥地の緑化に関するテーマ研究などに、中3、高1生が取り組んでいく。

 
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