平成16年3月15日・16日の2日間、開明中学校では中学生活最後の締めくくり行事として、夜間徒歩訓練が実施された。
今回で11回目を迎えるこの行事は、中学開設以来の開明の名物。特に今回は、男女共学となって最初の夜間徒歩でもあり、今まで以上に意義深いものとなった。
今回の舞台は広島県生口島を出発点に愛媛の今治市まで続く「しまなみ街道」。約45キロのコースを深夜3時30分から約12時間の間、夜を徹してただひたすら歩き続ける訓練である。中学校生活の最後に、生徒はこれを乗り越えて、仲間たちとともにやり遂げることのすばらしさを痛感して卒業して行く。
参加したのは中学3年生228名全員。「夜中眠らずに歩き続けるということは、大人でもつらいことです。過酷な条件の中で、級友を励まし支えることが、自分が励まされ支えられることにつながる。これは必ずや生涯忘れがたい貴重な体験となるでしょう」と森田文明校長はその意義の重さを語る。
また、中継地点となる場所では、バスで先行した保護者が、歩いている生徒や教員の安全を祈りながら、真心のこもったおにぎりや豚汁を手作り。たどり着いた子どもたちが疲れながらも温かな夜食に舌鼓をうつ様子を、笑顔で優しく迎えた。「家庭ではやれないことなので、とても感謝しています。今回、体を張って子どもとの信頼を深めたことは、これからの日常生活に大いに役立つでしょう。また、学校との連帯感のようなものも感じることができ、有意義な行事だったと感じております」という意見も保護者から聞かれるほどである。わが子の成長を嬉しく見守りながら、その後、子どもとともに最終地点まで歩いた親も少なからずおり、親と子の愛情を一層深める時間となった。
この後、最終地点まで1人の脱落者も出ずに歩き続け、雄大な自然の息吹を体中に染み込ませた生徒の中には「甘く見ていたところもあったが本当につらかった」「歩くのをやめたい時もあったし、もう少し休みたいと思ったことも多い。みんながいたから乗り越えることができたと思います」「中学校最大の思い出。生涯忘れることはありません」と感想を晴れ晴れした表情で話す者もおり、困難なことを成し遂げた時の達成感のようなものが全身から溢れていた。
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また、中継地点となる場所では、バスで先行した保護者が、歩いている生徒や教員の安全を祈りながら、真心のこもったおにぎりや豚汁を手作り。たどり着いた子どもたちが疲れながらも温かな夜食に舌鼓をうつ様子を、笑顔で優しく迎えた。「家庭ではやれないことなので、とても感謝しています。今回、体を張って子どもとの信頼を深めたことは、これからの日常生活に大いに役立つでしょう。また、学校との連帯感のようなものも感じることができ、有意義な行事だったと感じております」という意見も保護者から聞かれるほどである。わが子の成長を嬉しく見守りながら、その後、子どもとともに最終地点まで歩いた親も少なからずおり、親と子の愛情を一層深める時間となった。
この後、最終地点まで1人の脱落者も出ずに歩き続け、雄大な自然の息吹を体中に染み込ませた生徒の中には「甘く見ていたところもあったが本当につらかった」「歩くのをやめたい時もあったし、もう少し休みたいと思ったことも多い。みんながいたから乗り越えることができたと思います」「中学校最大の思い出。生涯忘れることはありません」と感想を晴れ晴れした表情で話す者もおり、困難なことを成し遂げた時の達成感のようなものが全身から溢れていた。
生徒を引率する教員は23名。保護者のバスには早坂元実教頭も参加し、まさに学校一丸となって生徒の歩行をバックアップする体制が整えられている。「自分を鍛えるために、試練は厳しい方がいい。どんな試練も喜んで受けようとする真摯な態度が、自らの成長につながるのです」とは早坂教頭の談。また、教員の中にはすでに数回この歩行訓練に参加されている方もおり、「子どもの思い出作りに全力を注ぐのも教師の役割。生徒のこれからの人生に役立てるのなら喜んで取り組みます。正直、体の方はきついですけど」という前向きな姿勢で取り組まれているのだ。
教師と生徒が同じ困難に立ち向かい、一緒に乗り越えていく様子は、理解と信頼を深めることができる行事である夜間歩行訓練。しおりの裏表紙に書かれた高名な詩人の言葉である「道は自分でつくる 道は自分でひらく 人のつくったものは自分の道にはならない」をスローガンに、苦しさやつらさに打ち勝ち、自分の目標の達成に向かって頑張る体力と気力をつけ、開明中学3年生は、高校生活の3年間へ、良きスタートを切るのである。
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