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中学・高校受験:学びネット

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高槻中学校・高等学校

 
  次世代を見据え、大きな改革に着手した
大阪の名門男子校
昭和15年、旧制高槻中学校として創設。東大、京大を始めとする難関国立大や医学部への合格者を多数輩出してきた名門の進学校が、その伝統を礎に、いま教育改革に着手している。中高一貫校、そして貴重な男子校という特色を生かした、未来への大いなるシフトに注目が集まっている。

学 長: 岩井 一
住 所: 〒569-8505 大阪府高槻市沢良木町2-5
電 話: 072-671-0001
交 通: 阪急「高槻市」駅より徒歩6分、JR「高槻」駅より徒歩15分、京阪「枚方市」駅より京阪バスで20分 松原下車すぐ
学生数: 中学校 798名
高等学校 751名 (2012.7.1現在)
ホームページ: http://www.takatsuki.ed.jp

 

英語学習のカリキュラム強化で
更なるレベルアップを実施

 2010年に創設70周年を迎えた同校。それを機に、次世代を見据えた教育改革に取り組もうという機運が高まった。学内に教育推進部を設置し、全教員からプランを募集。幾多の議論を経て、今春、「特色教育プロジェクト」がスタートした。その第一ステージとなるのが「英語の強化」。中学課程での語学の充実を主軸としたカリキュラムの改革である。

 今春から中1生には通常の英語の授業とは別に、週2時間の英会話を導入。英語教育の名門ベルリッツ・ジャパン社からネイティブ講師を迎え、完全に「英語のみ」の授業を行っている。コミュニケーション能力の育成を目的とし、授業は20名強の少人数制だ。

「語学導入期に当たる中1生に“英語は必要なもの、話せて当たり前”と実感させるのが狙いです。最初は戸惑うかと思っていましたが、授業が進むにつれ、自然に話せるようになっています。」

 早い時期に集中的に勉強する習慣をつけることが、他教科へも良い波及効果をもたらすと、同校を率いる岩井一校長は語る。

 英数国の主要教科時間数に関しては公立中高の倍。また、生徒の3分の2は理系を志望する。初動教育で英語をしっかり体得することで、上級学年に上がり、余裕を持って理数科目に打ち込むことも可能。そんな配慮も含まれた改革だ。

「英語はあくまでツール、道具です。生徒は将来、社会に出ると、それぞれの分野でテクニカルターム(専門用語)が要求されます。自分でブラッシュアップしなければならない。その時、中学時代にこれだけ英語をやった!という自信があれば、積み上げていけるんです。」

 本プロジェクトでは、中3時に在籍生の2分の1が「英検2級」を取得することを目標にしている。かなりのハイレベルだ。また、専門的な意見や助言の支援を受けられるよう、日本の英語教育界の第一人者である大学教授を教育顧問に迎えた。

 生徒だけでなく、教員側も自己研鑽に余念がない。放課後に開催される「テイーチャーズサロン」は、全教員対象の英会話教室。ネイティブ講師との交流で会話力を磨く。大学院でのリカレント教育や海外語学研修などへの参加も学校をあげてサポートしていく方針だ。

世界のエリートと交流し
真のリーダーたる男子を育成

 「国家・社会を担う人物の育成」を建学の精神に掲げる同校。法学部、医学部への進学者が多く、将来は重職に就く卒業生が多い。そのため、時代に即した「リーダー養成」も教育改革のテーマになっている。

 「これからは、良い大学に入れたらそれで済む時代ではありません。学歴だけで人はついてこないでしょう。人を引っ張る力、惹き付ける力がないとリーダーにはなれない時代です。」と岩井校長は語気を強める。

 その思いを体現するのが、この夏から高校課程で始まる「次世代リーダー養成プログラム in Canada」。カナダの名門ブリティッシュコロンビア大での夏期研修だが、通常の語学研修ではなく、現地の学生から将来へのビジョンを聞く講義や、理工学系の研究施設・病院を訪問するツアーもプログラムに含まれている。真に活躍できるリーダーになるためには何が必要なのか?世界のエリートとの交流を通じて、自身の未来を構築していくプログラムになっている。説明会には50名を超す生徒が集まり、関心の高さを伺わせている。

 「世界へ出ていくためには、相手に伝える力、コミュニケーション能力が何より重要になります。授業形態においても、教師が一方的に知識を注入するような授業ではなく、課題を与え、それを調べ、みんなの前で発表する。学校をそういうトレーニングの場にしていきます。」

全員が仲間であり、家族だから
コース分けは実施せず

 インタビューの中で岩井校長は「不易流行」という言葉を随所に挟んだ。良き伝統は守り、変えるべきところは大胆に改革していく。その姿勢は学校パンフレットにも表れている。表紙を開くと、目に飛び込んでくるのは、昔ながらの詰襟の制服。「世界へ挑め、誇りと知を持って。」という一文が添えられている。

 「本校は進学校でありながら、入学時のコース分けを一切行っていません。入口はみんな同じです。全員が仲間であり、家族です。その精神を大切にしたいのです。」

 全員が仲間であり、家族。創設以来受け継がれてきた男子校ならではの気概は、まさに「不易」なものとして貫いていく姿勢だ。毎年10月に開かれる制服交換会では、サイズの合わなくなった制服を後輩へと譲っていく。これも同校の良き伝統の一例である。

70年目の校歌に込められた
新たな決意と不断の姿勢

 昭和15年の創設時は軍国主義の風潮が強く、その色合いを帯びることに抵抗があったため、長らく校歌を持たなかった同校。70年を記念して、初めて校歌も作られた。作詞は、元東大総長の有馬朗人氏、作曲は服部克久氏。「日本を豊かな希望で満たそう」という歌詞の一節に、教育改革に込めた願いを垣間見ることができる。

 「今年の入学式では、新入生のご家庭に赤飯を配ったんです。お父さんお母さん、ご家族と一緒に喜びを分かち合ってほしい。そんな思いを込めて、初めての試みでした。」

 「面白い学校に変わっていきますよ!」とインタビューを締めくくった岩井校長。直近の目標は、難関国立10大学※大合格者の3割増。130名合格というベンチマークを設定している。
(※北大、東北大、東大、名大、京大、阪大、九大、東工大、一橋大、神大)

 
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