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中学・高校受験:学びネット

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園田学園中学校高等学校

 
  特進コース2年の生物・実験授業に潜入
“SONODA流教育”が夢を育む
園田学園中学校高等学校が2013年4月から高校の2コース制を3コース制(特進・進学・総合)に改編する。難関大学への進学、併設大学への内部進学、7つの習慣Jや女性学を学び幅広い進路選択ができるというそれぞれのコースだ。
創立75年を迎え、園田式プログラムで生徒の夢実現を可能にしてきた同校。中でも特別進学(特進)コースは、生徒からのニーズが多く、昨年から勉強と部活の両立ができる体制にした。来年はさらに充実したものになるというだけに、記者は興味がわく。どのような教育を実践しているのか、本校を訪れ取材をした。

 

 阪急塚口の駅から徒歩5分。閑静な住宅街に園田学園中高がある。通学には便利な立地だ。

 強豪クラブが多いことで有名な同校だが、近年、部活も勉強も両立させたいという意欲のある生徒が増加。昨年より、特進コースにも門戸を開き、文武両道を制度化している。その高校2年5組(入部率90%以上)の生物実験授業を見学した。担当は進路指導室・特別進学コース主任でもある小林ひかり先生だ。

ビフォー アフターを観察

 「起立!気を付け!礼!・お願いしまーす」と、生徒たちの元気な声で授業が始まった。

 顕微鏡を使って細胞を観察するという授業だ。教壇や実験台には顕微鏡・数字のプレパラート・タマネギ・バナナ・酢酸カーミン・ヨウ素液などが置かれている。

 「前に集まってください」と先生の声。一同がすばやく教壇に集まる。前の生徒はひざをつき、後ろの生徒にも見えるように気遣いをする。

 手順が説明される途中「プレパラートとはどういう意味ですか?」と生徒に投げかける。生徒たちは口々に「スライドガラスに観察する物をのせてカバーガラスで抑えたもの。このセットされたものがプレパラードです」と応える。

 実験はタマネギ、バナナの植物細胞とヒト(自分)の動物細胞を観察。水をかけただけのものと、カーミン・ヨウ素溶液などをかけたものとの「ビフォー アフター」を比較する。どれをするかは決まりはない。

 「細胞が見えたらスケッチです。一個か二個をビッグにクリアーに点と線で書いてください」と小林先生はスケッチの良い例を黒板に書く。説明は二度、三度と繰り返される。実験の場合はメモを取ったり、別の作業で先生の説明を聞き逃すことがあるためだ。よく心得た授業だ。

結果を求めない授業

 生徒は4人一組になり実験台に移動。「どの細胞からしようかな」と快活な声が聞こえる。切り取った切片をスライドガラスにのせる。プレパラートの準備ができ、顕微鏡で観察をする頃には、教室に静寂が戻る。「先輩、ピントが合わない」と言う声に飛んできたのが、本校出身の実験助手の先生。心強い味方だ。いきなり「先生、○○さんの細胞がない」と驚きの声。「そんなはずはない」と笑い声。植物細胞を観察していた生徒が「めちゃきれいに見える!」とこれまた大きな声が飛ぶ。数人の生徒が「見たい」と集まってきた。「記者さんも見ていいよ」と声をかけてくれた。お言葉に甘えて見せてもらう。確かに教科書通りの細胞が視野に入ってきた。

 マイペースの生徒や夢中で顕微鏡を覗く生徒たちを見ていると、小林先生が言わんとすることが納得できた。「実験の場合は結果を求めません。失敗する者がいていいのです。自由に観察し、何かに気づくことが大切です」。

 授業終了後、生徒さんに聞いた。「実験は大好きです。教科書で習うより実験をしてなるほどと感じることができるから。幼稚園の先生が目標です」「特進コースでは時間の使い方を学びました。難関大学進学が目標です」「授業がわかりやすく生物の授業は楽しみ。看護師が目標です」。みなさん目標が明確だ。

 日焼けした顔にくったくのない笑顔。チャイムが鳴り終えてもスケッチを描き上げようとする生徒たち。印象深い“SONODA流教育”を肌で感じながら、学校をあとにした。

 
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